バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

到着!魔道都市マジカラ!! ダブモン!!5話/01

 
到着!魔道都市マジカラ!! ダブモン!!5話/01
 
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 月下、白い粘土が角の丸い箱状に押し固め作られたような家々の並ぶ中、
 その中で一際大きな白い屋敷の一番上の玉ねぎのように先尖りに作られた屋根の下の高層階の丸い広場で、俺達とそいつらは対峙していた
 俺と同じくらいの歳ながら流れるような銀の長髪白皙、人間ではない赤き瞳と絶世の美貌、
 身体にまとうは黒い金属を幾重にも折り重ね合わせて作られた鎧に裏地が濃紫の黒いマント、
 とどめとばかりに動物の角が頭の左右から上に向かって生えている、
 それが、アグニスが、俺の前で、部屋の中央を左右に挟んで共にカードバトルに興じているのだ、
 「相棒、どうだ?」
 目の前のカンテーラが横目で話しかけてくる、俺の半分ほどの身長で黒の両瞳持つ黒いもやのような身体を濃紺のフードつき袖付きマントで包み、
 左手に持つは黄色の燭台カンテラ、フード左上には左の後頭部後ろにまで伸びている三日月のような紡錘形の濃紫の装飾がある、
 俺はその言葉に、意を決して答える
 「大丈夫だ、多分、行ける・・・!」
 そう言った瞬間、アグニスの目が余裕を持ってこちらを見下すように視線を向けた
 「魔族にたてつくことが何を意味するのか思い知るがいい」
 「そっちこそ、偉ぶって後で吠え面かいてもしんないかんな?」
 「口の減らない・・・」
 「そっちこそ・・・」
 「良星、がんばれー!」
 「良星、がんばれー!」
 「負けたら私がやったげるから、思う存分やっていいわよー」
 「こっちの守りは任せてくださいですー」
 後ろからの兎白、鼓動、四葉、ウィルピーの応援・・・って言っていいのかわからないけど!
 向こうのアグニスの瞳が血の色に反照する・・・
 「さぁ、始めようか・・・リチャージ!」「リチャージ!」
 「ドロー!」「ドロー!」
 互いの宣言がチャージゾーンと山札に飛び、手札が一枚増える・・・
 よし、行くぞカンテーラ・・・
 「セット!」「セット!」
 向こうのニヒルな笑顔が気に入らないが・・・一気に行く!
 「オープン!カンテーラ!!」
 「ダブモンNo.22、幽明の案内屋 カンテーェラッ!!」
 「待ってました!」
 カンテーラがバサリと音を立てて服を翻し俺の前に躍り出る!
 「そんなもの、俺のパートナーが消し飛ばしてくれる、オープン!来い、ネクロス!!」
 「ダブモンNo.66、漆黒の死刑執行人、ネクロォス!!」
 アグニスの足元から影がのび、そこに二つの白い円のような両瞳が開かれ、こちらを向くように影が膨れ上がり具現化する・・・
 それは、鋭い印象を持つのっぺりとした黒い影のような人とも獣ともつかない幽霊、
 背中から長い毛皮がのびるような感じだが、目は白い空洞で感情が読めなく、
 影から伸びるようにして足は無い・・・
 おっし・・・
 「俺は、カンテーラのコストにマルチエレメンタルパワーを指定!」
 「なら俺は、ネクロスのコストにダークエレメンタルパワーを指定する!!」
 ネクロスが口を開きそこからカンテーラに両刃の刃を伸ばす!
 ズバァ!
 「おっと!」
 カンテーラは宙に飛び避け
 「カンテラブレイズ!」
 吹きかけられた炎が、今度は全体が一振りの長巻に変じたネクロスに斬り裂かれ、
 元に戻ったネクロスがいつの間にか生えていた両足と共に得物を狙う四足獣のように高く跳躍、
 身体を縦球状に高速回転して毛針か何かの様に黒いナイフとダガーを放射してくる、
 「甘いな、シャドウブレイド!!」
 カンテーラが後ろに飛び下がりながら右手に出現させた両刃の剣を幾重にも振って「よ、は、よ」飛ばされた刃を弾く
 っていうか、あのダガーとナイフ、こっちにも来る!?
 「うわわわ・・・」
 慌てて俺の方に来た飛刃を後ろに下がり避け、右足を上げ避け、右足下げ地に着けつつ左足を上げて避ける俺!
 下を見ると、刃は消え、ただ傷だけが残っていた・・・
 後ろの方に行った奴は・・・
 「どうにかしますですよ!」
 兎白と鼓動は俺と同様に避け、四葉は前にいるウィルピーがハンマーと鍛冶鋏みをガムシャラに見える振り回しで弾き切った!
 「ありがと、ウィルピー」
 「なんの、このぐらい」
 が、その間にもネクロスは大剣に姿を変え、カンテーラに己を振り降ろす!
 「このっ!」
 カンテーラは何とか右手の刃で受け止め
 「グギギ・・・」
 カンテーラが押されてる!?
 「カンテラブレイズ!」
 カンテラから炎を吹きかけると、ネクロスは熱がる様に慌てて後ろに飛ぶ
 「一気に決める!カンテラブレイドコンボ!!」
 そこで横に引いた剣で追撃をかけて行くカンテーラ、
 渾身の突き、
 それをネクロスは両手の指を漆黒の刃と変え大きく左右より掴むように受け止めた
 「な・・・!?」
 カンテーラが目を見開き驚く暇もあればこそ、
 ネクロスはカンテーラを刃ごと上に放り投げ、指の刃を伸ばしながら両手両腕を大きく外側に広げ、一気に振るう!
 指の十刃が放り飛び、カンテーラの全方位に突き刺さる!
 「ぐっ!しまっ!?」
 その間にもネクロスは大剣と化し、カンテーラの上まで飛んで真上から一気にカンテーラに突き刺さる!
 ズドム!!
 が、カンテーラは何とか上から俺の方に吹き飛んで来て、俺は思わず受け止める・・・
 「カンテーラ、大丈夫か!?」
 「うだぁああああ!!」
 いきなりカンテーラが飛び上がる様に床に飛び、俺の方を見る、
 「安心しろ、向こうのパワーが上だっただけだ、っていうか・・・少しは俺の効果把握しろ!1ターン目に出す向きの効果じゃねぇだろうが!!」
 んな・・・!
 「んだとこらぁ!あんな奴を出してくるとは思わねぇじゃねぇか!!」
 「ハハハハ・・・・」
 アグニスの奴が高らかに笑ってやがる・・・くそぉ!
 「カンテーラ・・・」
 「わかってる・・・」
 「何が何でもあいつらを・・・」
 「そうだ、奴らを・・・」
 「潰すっ!!」
 「潰すっ!!」
 
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