バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

月夜と私の過去と光の城 ダブモン!!4話/08 妖魔版

 

月夜と私の過去と光の城 ダブモン!!4話08 妖魔版
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 ・・・気が付くと、朝だった・・・
 知らぬ間に寝床に戻って・・・あ、そういえば、ウィルピーと良星が運んできてくれたんだっけ・・・
 「お・・・起きたな、ほら、朝飯」
 起き上がる私の膝上に、良星が皿を一つ置く、
 その上には、二つのパンに薄切りの焼いた豚肉と細く刻んだキャベツが挟まれたものがあった・・・
 「朝からヘビーね・・・」
 「要らないなら喰わなくていいぞ?」
 「もらっておくわ、ありがとう」
 口にほおばると、やはり、空虚な味がした・・・
 「とっとと準備しろよ、次は教えるから、手伝ってもらうからな!!」
 「はぁい」
 周りが片付けや火消しを行っている中、私はサンドイッチを食べきり、寝床をまとめて袋に入れ、それを腰から横に大きく腰掛けた・・・
 そうして、私達は歩き出す、森はまだまだ長く続く・・・
 「にしても、あんたらが村の店で調理道具とか見定め始めた時はたいそうびっくりしたわ・・・」
 「そりゃどういう意味だ・・・」「そうそう」「そうだよね」
 「てっきり、お菓子かおもちゃでも見るのかと思ったのよ・・・」
 「それは四葉さんでしょ、初めての仕事終わった後、おかし見て目をキラキラさせてたじゃないですか」
 「ウィルピー、それ言っちゃダメ、大体、その後保存食買ったでしょうが、私は」
 「ま・・・そうなんですけどねぇ・・・」
 そばを浮遊するウィルピーが目を宙に泳がせる、まったく・・・
 そう、それはクロスロードシティを出てすぐのころ、結局色々あって必要物資を調達できなかった私たちは
 「げっ!必要なもん買うの忘れた」
 「どうすんのよ!もう一回街まで戻る!?」
 「いや、クロスロードシティは交易の街だ、この先には大きな村がいくつもある、そこで買え揃えばいいだろう」
 と、まぁ、そんな話をカンテーラから聞き、
 実際、次の村で大き目の道具屋があった、藁の屋根に土色の壁、外から木枠十字の窓を覗くと、調理道具や食材が所狭しと並べられていたのでそうだと判断したのだ、
 ・・・何でも屋かな・・・?
 そこに入り、調理道具や食材を買い込んでいった、下ごしらえの話しもその時に店主から聞いていたのだろう、
 「このきのこ、毒あるな」
 「ええ、そんな感じですね・・・」
 「ああ、それは生食ダメなんだよ、食う時は火い入れてくれ」
 突然、並べられたかさの茶色いきのこに、カンテーラが言及、ウィルピーが賛同し、店主が答えた、
 「カンテーラ、お前、毒物の見分けなんてついたのか?」
 「あの女に教えられたんだよ、夢ん中でな、二度と毒で倒れさせることが無いように、ってさ、食物程度ならまぁ、基礎知識として前から教えられてたが、もっとも、ダブモンの毒で毒殺までは想定してなかったのか、もっときつい、言うなれば気を見て食べられるかどうかを判断する、習得できるかもわからないもっときつい術教えられた、ってわけ・・・」
 「私もですよ」
 「ウィルピーも・・・!心配性ねぇ・・・」
 前回、良星が毒で倒れたことを気に病んだのだろう、
 もっとも、その割にはカンテーラとウィルピーに料理技術のりの字すら教えてないみたいだけど・・・
 「そういやさ・・・」
 「なによ・・・」
 今度は良星だ・・・なんなのかしら・・・?
 「クロスロードシティの教会に行った時、お前、勇者って名乗らなかったじゃん」
 「それは・・・」
 ああ・・・あれか・・・
 「懲りたのよ」
 「懲りた・・・?」
 「多分、あの食事に毒が入っていたのは、私が安易に勇者だなんて名乗って、事件を調べてるって、言っちゃったせいなんじゃないかってね・・・」
 「ふぅん、そっか」
 「そうよ」
 「お前ら!金出してくれ!!」
 「それと、各自食材ともろもろの道具を入れる袋も選んどいて!!」
 いきなりの兎白と鼓動の声・・・
 「わ~ったよ!!」
 「わかった」
 「俺達は・・・?」
 「私達は・・・?」
 ここで疑問符を上げたのはカンテーラとウィルピー、でも・・・
 「あなた達はいいわよ、その替わり、いざって時は命懸けで働いてもらうから」
 「はぁ・・・わかったよ」
 「了解です!!」
 「あの・・・風鳥 歌語理ってどんな方なんです?」
 いろいろ思い出してる最中に、後ろから、ウィルピーのひそひそ声が聞こえてきた
 「いや・・・それは・・・」
 話してる相手は良星だろうか、
 そういえば、ニュースサイトやニュース番組見ないようなあいつらでも風鳥 歌語理の事は知ってるんだ・・・大人気アイドル・・・だしね・・・
 でも・・・まったく、私じゃなくてなんでそいつに訊くかな・・・
 ・・・名前訊いただけで発狂したんじゃしょうがないか、あの時は変に思いだしそうになってたし、今は・・・持ち直したけど・・・
 「あいつ、風鳥 歌語理関連で何かあったんだろ?じゃ、あいつに訊いて答えてくれるようになるまで待つしかないんじゃないか・・・」
 「だな・・・」
 「僕もそう思う・・・」
 「はぁ・・・そうですか・・・」
 ・・・話して欲しいなら、話してあげるわよ・・・心の整理が付いたら・・・
 ・・・とまぁ、途中で中断入ったけど、クロスロードタウン外の道具屋より出立・・・
 そうして、次の街に向かっている、目指すは魔導都市マジカラ、
 もちろん、路銀も無限にあるわけではない、教会で仕事を受けつつ動く・・・
 ・・・と言っても子供四人、そんなにすごいことを引き受けられるわけじゃない、
 薬草探しに農業や狩りの手伝い、掃除に、上空から迷子や迷い動物を探したり、とまぁ、
 カンテーラやウィルピーの力を借りることも多い、
 おっぱいだぁ~と言って飛び込んだ相手が指名手配中の詐欺師で・・・(兵士たちが追いかけてきて、カンテーラが追って見つけ出して無事引渡しました)
 というほほえましいエピソードもあったっけ・・・
 それでも、そんなこんなでどうにかこうにかやってきて・・・
 「今日はこの辺りで野宿か・・・?」「そうかもしれないな・・・」「そうかもね・・・」
 「え~」
 ・・・そのまま森を抜けきれず、暗くなり始めた森の中で、またも、野宿の危機に陥っていたのである・・・ああ・・・
 「ウィルピー、上から家とか無いか見てくんない?」
 「いいですけど、望み薄ですよ、人の気配なんてしないですもん」
 「それでもいっぺん見てみ・・・あれ?」
 先の方、森の左手の方から光が見える、森の奥に続く方だが・・・
 「もしかしたら人家かも!?」
 「それにしては光量大きくありません?」
 「ウィルピーに賛成!」「同じく」「同じく」
 「・・・同じく・・・」
 この三バカ+カンテラは・・・
 思わず、奴らのいる後ろに振り返り、声が大きくなる
 「いいから、調べてみるの、人家じゃなくても、調べるだけなら何の損にもなりゃしないでしょうが!!」
 「俺は別に調べることに反対してねぇよ、少し怪しいなって思っただけだ」
 「俺もそんな感じだな、でも、光る生き物とかだったら、確かに描きがいがあるかもしんない」
 「じゃあ、僕も一度見てみたい、何かインスピレーション湧くかも!!」
 こいつら~もう・・・
 「私も、いざって時はお守りしますですよ」
 「様子見るぐらいならまぁいいか、いざって時は空から見降ろせば元の道まで戻ってこれるだろうし・・・」
 この光の火球とフード野郎め・・・
 「とにかく、調べることに反対者は無いのね、じゃあ、行ってみましょう」そう言って私は後ろに振り向き、
 意気揚々と六人して歩き出す、まずは道なりに極力近いところまで、と、その途中で、先方に光差すの場所に合流するであろう道を見つけ、人家か否かの期待はますます高まり、そこまで走るとほぼ直角なその道へと進んでいく
 が、徐々に見えてきたその姿に、私達は一転して不安を覚えることとなった、
 「あれは・・・お城・・・よね?光ってる・・・お城・・・」
 
名・熱ヒレのパン焼き屋 アナゴロネ ダブモンNo.32
概・M モンスター コスト2 パワー1400 魚・火属性
発・戦闘前・自任意・このターンの間・条文の頭に指定:
条・主対象:一・次の戦闘にこのモンスターが参加する時
      二・自分のモンスター1体
効・第一効果:一のパワーを300下げ、
       二のパワーを800上げる
文・水の力と火の力を併せ持ちパンを焼くクロアナゴ型ダブモン
  元は砂と水を混ぜ焼いて水中で強固な防御壁を築くための技術だと言われ、
  地上に上がった際に木の実を同様に加工したものが始まりだと言われる
 
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