バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

月夜と私の過去と光の城 ダブモン!!4話/03

 

月夜と私の過去と光の城 ダブモン!!4話03
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 ああ、もう五年も前になるのか、私があの人みたいになりたいと言い出したのは・・・
 両親と囲む食卓で、テレビの歌番組で、きらめく舞台で、思う存分歌っていたアイドル、
 長く黒髪に、ピンクのふりふり衣装、何より、その楽しく歌う様子に、
 私は憧れた・・・
 両親はそんな私に、歌の教室と踊りの教室を紹介し、通わせてくれた、
 最初はすぐに飽きるだろう、そう考えていたのだろう、
 お世辞にも実力がある方とは言えず、常に全体の中程、運よく行って上の下か、
 才能が全くないとは言えないが、上位や事務所から見ればそれは無いのと同じ程度のもの、
 そんな感じだが、レッスンは楽しかった、
 教えられることを徐々に出来て行く感覚が良かった、教えられて褒められるのがうれしかった、
 教える人が良かったのかもしれない・・・
 「ラ・ラ・ラ~」
 木彫の床に白い壁紙と天井を持つふわりとした雰囲気の広いレッスン場で、
 すこしエキゾチックな短い髪の先生のが引く大きく黒いピアノの音と共に、私達は歌っていた、通い始めて三年ぐらいだったと思う、その日に限り、先生の友人というスーツの男性がいたのが印象的だった、真剣すぎる目つきが怖かった、
 残ってほしいとレッスン後に先生に言われ、
 先生と共に残ったところ、その先生の友人が私に近づいてきて、両肩に手を乗せてきて、こう言った、
 「うちでアイドルをやらないか!!」
 戸惑う私にその人はこう続けた、
 「ほら、知ってるかい、大人気アイドルの風鳥 歌語理(かざどりかたり)、彼女もうちに所属してるんだよ!!」
 「ほんと!?」
 その言葉に思わず私は喜び、
 あの人もいる!
 先生の友人であることも相成り、翌日には両親と事務所の話し合いも始まり、
 私は両親とともに、事務所の方に尋ねることになった・・・
 
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