月夜と私の過去と光の城 ダブモン!!4話22
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シロドウケが仮面から赤い光を放つと同時に、体から眩く光が放出され、別の姿へとかわる、
仮面は三つの三日月で笑顔を象徴したものに変わり、衣装は上がった頭のたら下がった両端と足先に黄色い玉が付いたようなものとなり、
衣装はマントと杖が無くなり白を基調として、首下を境に右頭と左体に黒い四角が白と一面交互に入った入った白黒模様に変わる、
背中からは今だに光を放っている感じだが・・・さて、
「リチャージ!ドロー!!」
お・・・オーブカード!?
「ウィルピー?一気に攻めるわ、準備は・・・」
「もちろん、いいですよ、四葉さんの仰せのままに・・・」
ウィルピーが私の前を漂い、シロドウケを見据える
さぁ、今引いたカードで・・・呼び寄せる!!
「セット、オープン!!オーブ、シャインプランニングR!!」
むこうは、オーバックス、無機調整ほこり壁!!
自然と向こうとこちらで山札が巻物のように一枚ずつ移動していく
・・・これっ!!
人差し指でカードを選ぶと、まずは向こうの側のカードが縦軸回転しながら天に飛ぶ、
「ダブモンNo.143イィィィエェェェェックス!、城反の道化師 シロドウケ・オーバーァアア!!」
あちらのシロドウケの光が収まり、が両手両足を大きく広げ笑うような動作をする、
やはり、向こうのオーバーか、でも、こっちも・・・
「私は、シャインプランニングRの効果により、選択したカードの召喚条件のORをRに変更し、元のRに合算、それにより召喚条件を満たし、召喚する!!、さぁ・・・ウィルピー!」
「ダブモンNo.33イィィィエェェェェックス!、禁忌の鍛冶屋 ウィルピー・シィン!!」
ウィルピーの体が光に包まれ、大人の人型となり、なぜか尾が生え、顔が少し先鋭化する、
そして、光が晴れた時、そこにウィルピーの姿はなく、そこにいたのは半人半蜥蜴人
トカゲが人のような姿になったものではない、いや、半分当たっている、
元はいかつくやせ形だった大人の男性の体の右半分を緑の鱗持つトカゲが侵食しているのだ、
その為、尾の部分は半分人肌の物であり、顔は半分トカゲのようになって、指も右半身のみ三本になっている、
「ゴグラァアアアアア!!」
周囲を威圧するほどの大きな雄たけびをあげる、よっし!戦意満々ね!それならっ!右人差し指を思い切りシロドウケに突きつける!!
「ウィルピー!さぁ、やっちゃって!!」
ゴロン
ウィルピーがいきなりそこで横に寝転んだ!
「・・・へ・・・」
「ふぁ~あ・・・」
おい、あくびなんてかますな、一体どうなってるの!?
私の気合いを込めた指示に、ウィルピーはまったく応えようとしない
「ちょっと、私のために戦ってくれるんじゃないの!?」
「めんどくせぇ」
は・・・?
「何が楽しくて人間のメスガキのために戦わなきゃならねぇんだ成熟した女のダブモン連れてこい」
メスガ・・・
「あ~、腹減った、飯ねぇのか飯」
・・・
「お!道化師じゃん、芸しろよ、芸!!」
・・・頭痛い・・・
すると、シロドウケがどこかから光のボールを取り出し、それを上に投げて時計回りに輪を描くようにもう一方の手に、今度は跳ね返すように反時計回りにもう一方の手に、
それを数を増やし、交差する弧円を描くようにジャグリングを行って行く・・・
「おぉ~いいぞ~」
周りから拍手が沸き起こって行く・・・数えきれないほどのボールを投げた後、それを両手に回収し、
一つお辞儀をする、
と、今度は右手を外側に出して何かを持ってくるようにひょいひょいと招きよせる、
ワタボックリが持ってきたのは、描かれた赤い四角で三分割された青い縦長の箱・・・?
そして、ウィルピーを指さして、
「俺か?」
ウィルピーが自身に指を向けて確認する中で両手の平を上にして指を上げ立てと指示する様に動かす
「へへっ、何をしてくれるんだ?」
ずいぶんと嬉しそうだ、すぐに立ち上がった
そこで、シロドウケが両手で脇の箱を持ち、
ゆっくりウィルピーに近づいて、一気に箱をおっかぶせた!
ちょっ!?
私が何か言う暇も無く、
パチッ!
シロドウケは右手で人差し指を親指にこすりあわせ手の平に撃ち付け指ぱっちん、
いきなり箱の左、上中央と右、下中央に光の回転ノコギリが出現し、
ギュィイイイン!
猛回転して箱を切り裂いていく
「ウィルピー!」
ガッ!
しかしそれは、何かに引っかかる様に止まった!
「この俺様をはめようなんざいい度胸じゃねぇか・・・」
箱のノコギリのある場所から人とトカゲの指が突き出て、箱を引き裂き、ノコギリを吹き飛ばし、中からウィルピーが出てくる!
そして、蜥蜴目でシロドウケを見据え、長い舌で舌舐めずり
「この落とし前、高くつくぜ!!」
シロドウケに向かって走り出す!
えっと、このまま行っていいんだよね・・・?
ウィルピーが鋭い爪で、蜥蜴手からシロドウケに斬りかかる!
これを間一髪で左手下に体を縮めて避けるシロドウケ、
「これならぁ!!」
そこにウィルピーの蹴りが飛び、シロドウケは蹴っ飛ばされて盛大に転がる、
よし、筋力はウィルピーの方が上だっ!
しかし、シロドウケは即座に立ち上がり、足元に出現させた光のボールを蹴る、
「こんなもの!」
それを人の拳で叩き落とすウィルピー、が光の球は即座にほこりの塊に変わり、
「がっ!?」
ウィルピーの目に張り付いた!?
「見・・・見えねぇ!?」
ちょっと、あれ、無機質パワーエレメンツじゃないの!?板の方でカードが表になってる、ええい、
「私は、シャインエレメンタルパワーの効果を発動!とりあえず相殺!」
そこにシロドウケが走り込み
「がぁああ!!」
そこでウィルピーが目から光線を放って埃を消し飛ばし、シロドウケが慌てて身体を横にしてまで飛び避ける、
シロドウケのいた地面を焦がすもそれは一瞬で止まった
「おい、今の出させたのてめぇか?」
人の目でちらりとこちらを見てくるウィルピー
「ビーム出したのはあんたじゃないわけ?」
「俺は受け取った力をそのまま発現させただけだ、力をこっちに送ったのはおめぇだな」
「そうだけど、まさか目からビーム出すとは思わなかったわ~」
ウィルピーの目が力を入れたように細まる
「こいつを倒すためにお前の力を貸せ」
「人間のメスガキの力なんていらないでしょう?」
「口の減らない」
「そっちこそ」
・・・にらみ合いが一瞬・・・
「まぁ、確かにいらないな、てめぇがどうだろうと俺は」ウィルピーがシロドウケの方に視線を向け「なめた真似したこいつをぶちのめす!それだけだっ!!」
駆け出して行く!
そこでシロドウケ大きく両手を上げて下げると、ウィルピーの上に大量のほこりが降ってきた
当然、ウィルピーの全身はほこりまみれ、それに動きを阻害されたのか少し走る動作が遅くなった気が・・・
だぁああ!しょうがないな!!
「私はシャインプラウオンエレメント!!を発動!」
「うぉおおお!!」
ウィルピーの全身から光が放たれ、その衝撃でほこりが全て吹き飛ぶ、
が、いつの間にかシロドウケの姿が無い、
さらに、それらを洗い流すように大量の水がふっとくる
「来るわよ!」
「頼りにしてるぜ相棒!」
あい・・・
「わ・・・私は、シャインエマージェンシーシールドを発動!!」
突如、ウィルピーの周りに辺の光る細かい三角形が球体を描くような光のシールドが出現、
ウィルピーを守り水を弾く
「どこ行きやがったオラァ!!」
水が流れた後、上の方を見る、ウィルピー、と、いた、シャンデリアの上、
「そこかぁあ!!」
ウィルピーが跳躍するも、シロドウケは反対側のもう一つのシャンデリアに移り、互いに、一気に跳んで行きぶつかって、爆発!
「シャインエレメンタルパワートリプルプラスで相殺!」
爆発を光が守った、と思った次の瞬間には、シロドウケがほこりと消え去った・・・そう思ったら、まわりに浮遊するほこりが集まってたくさんのシロドウケと化す、
あれ、カードだ、大演技目エレメンツ!!・・・
ならばっ!
「私は、元光のそらを発動、全部ぶっ飛ばせ!!」
大地の魔法陣が光を放ち、ウィルピーの両手の爪が反射し、輝き始める
「うらぁあああ!!」
そこで大きく回転し、幾多の光爪の斬撃が、シロドウケ達を斬り裂く!しかし、すべてほこりに変わった!?
「うっだぁあああ!!またいない!そうだ、一か八か・・・」
私はそばで飛んでいた、クワガリンの方を見る、
「クワガリン、シロドウケの気配、追えない?」
クワガリンがクワガタの目を赤く光らせて答え、辺りを見回して・・・
突如向かって行ったのはワタボックリが回収したのか壁際に寄せ立てられた先の手品の箱の残骸!
よく見ると不自然に盛り上がっていたりする
「そこだぁ!!」
ダグラガシャァ!!
クワガリンがそのハサミで破片を弾き飛ばし、シロドウケがあらわになり、クワガリンがそのハサミで摘まもうとするが、
こともなげに右手で払い飛ばした、
「ならこっちはどうだ!?」
ウィルピーがその両手の輝く爪を叩きつけて行く、
おっし、私も、相手にカードは無いはず、今なら!
「私は、ウィルピー・シンの効果を発動、3番に分身を召喚し、一気に決めるわ!!」
が、右手に風船のような光を出現させ、大きく膨らまし、それが爪に触れ、
パァン!
一気に爆発してウィルピーを吹き飛ばす
「なろ!」
着地し、再度走り出すウィルピー
げ、今ので効果相殺されたって画面に、オーグリストビストチャージエレメント、まずいな・・・なんてね、
私は最後の手札を見せるっ!!
「私は、シャインエフェクトチャージの効果を発動!この効果により、もう一度、禁忌の鍛冶屋、ウィルピー・シンの効果を発動させるっ!」
向こうに発動できそうなカードは残っていないっ!!
「さぁ、とどめだっ!!」
ウィルピーの右手に前の姿の時と同じような掴みペンチが出現、それを右手で全体的に掴みを持ちシロドウケに向けると途端に先の方が辺が光るアクリルのように拡大して広がり、シロドウケの左右に、
またも光の風船を出そうとしたシロドウケを両肘から一気に挟み掴んで少し浮かび上がらせる、
「もう逃がさねぇ・・・!」
そこで、今度は左手にハンマーを持ち、こちらも先の方が伸びて辺が光るアクリルの様に巨大化、
「喰らいやがれぇえええ!!」
思い切り上から叩き付け、シロドウケの意識を奪い去った!!
ゴォオオオオオン!!
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