バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

月夜と私の過去と光の城 ダブモン!!4話/11

 

月夜と私の過去と光の城 ダブモン!!4話11
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 現れたのは光る城、揶揄でもなんでもない、
 両開きの鉄補強木製の門を持つ城壁があり、その先に中程の城があるのだ、
 真四角の中心部に城壁四隅含めていくつもの塔が立っている、かなり本格的なもの・・・
 それが、壁から城からすべて発光しているのである、
 その光は幻想的ですらあるが・・・
 怪しい、明らかに怪しすぎる・・・
 「ウィルピー、カンテーラ、心当たりは・・・」
 「え~っとこの辺りには小国があるって聞きましたけど・・・」
 「デトウッズの事だな、その王城がこの辺りにあったはずだ、首都は少し離れた場所にある、もっとも、今じゃ廃墟だけどな、ウッドリアに吸収された後、城は放棄され、街も徐々に衰退していったと聞く」
 「じゃあ、この城は・・・?誰か住んでるのか」
 「それにしちゃ、光ってるってのはおかしかねぇか?」
 「何かのパワースポットとかかな?」
 「いいえそんな感じではないですね・・・」
 「気配がする、これは・・・」
 と、城、壁の上からキラキラの塊から羽が生えたようなものが飛んでくる
 「あれ、何?」
 「キラボッコリですね」
 「そうか、あいつらの巣になってたのか・・・」
 「巣って・・・ダブモン達の?」
 「じゃあ、泊まるのは無理だな・・・」
 「だね、食べられちゃうかも・・・」
 「俺たちダブモンは基本、人間は喰わねぇよ、余程怒らせたり腹減らして理性無くした場合は別だがな・・・」
 「ですね、交渉すれば泊めてもらえるかも・・・」
 え?思わず順序に顔を向け声を上げる
 「ちょっと、ウィルピー、カンテーラ、それって大丈夫なの?」
 等と話している間にも、キラボッコリが私達に嬉しそうにまとわりつき、背中まで押してき始める
 「ちょっと!?これって本当に大丈夫なの!?」
 「どうやら、泊まって行けって言っているみたいですね」
 「いいんじゃないか、一晩ぐらい、食料はまだあるし、いざって時はそれで餌付けでもすればいいだろ」
 「そういう」
 「問題かよ」
 「っていうか押さないで!!」
 そう、私達は、キラボッコリのキラわたで構成された大きな羽により、まとめられて城の方に押されていっていたのであった・・・
 「安心してください、いざって時は、私達が守りますですから!!」
 「だな」
 「本当でしょうね・・・」
 そうやって、私達はキラボッコリが回り込んで開けた城門より城に入って行く・・・
 ・・・
 門をくぐり、城の本丸に正面から入った私達が見たのは広い広い大広間で、
 ・・・そこは意外なほどに豪著かつ清潔な空間で、とても巣だとは思えない場所だった・・・
 何人もダンスできそうな広さの大広間は、床壁天井がクリスタルのような石材で出来ていて壁に扉がところどころに垣間見え、
 床は赤いじゅうたんが敷きつけられ、正面奥の階段には最初に左右に石材を見せる様に金縁の赤いじゅうたんがあり、そこから直角に分岐し左右に行く階段にも敷き詰められている、
 天井には金と火のついた蝋燭で構成された豪華なシャンデリアが前後に二つ飾られ、
 先には先述した上に上がって踊り場から左右に上がる階段があり、その先には囲む様に中二階のような通路がある、
 中二階前後には月夜を大きく写す窓が存在し、階段の方は少し左右に分かれ、出入り口の方はバルコニーにでも繋がっているのか大きな窓となっていて、
 中二階の通路四隅左右にぽっかりと空いた穴に階段があるような構造、これを見る限り、玉座の間などは上の方にあるに違いない・・・
 「なんだこれ・・・」「本物のお城みたいだ・・・」「本物より綺麗なんじゃない・・・?」
 バカ三人が感嘆の声を上げるが、実は私も同意だ・・・
 「なんか、嫌な予感がする」
 「ですね・・・」
 「何よその嫌な予感って・・・」
 カンテーラとウィルピーの発言に私も嫌な予感がしつつも思わず呆れ・・・
 すると、キラボッコリが律儀に後ろの扉を閉め、左手の扉まで飛んで行ってそれを開ける
 「こっちに来いって事かしら?」
 「行ってみようか?」「様子見るくらいならいいだろ?」「面白そうだしね!!」
 そうやって、私達が見に行くと、扉の向こう、そこは、大食堂だった、
 縦に向いた清潔感ある白いテーブルクロスの敷かれたテーブル、それが二列、加え、それら左右に並ぶ木枠の赤い背もたれ付きの椅子、
 その手前側奥の方にキラボッコリが飛んで行き、止まってこちらに振り返る
 「座れって事かしら・・・?」
 「だろ?」「だろうな」「だろうね」
 「・・・」
 「行ってみるですよ」
 カンテーラが何か考え込んでるが・・・ま、いいや
 キラボッコリのいるところまで歩き、一直線に椅子に座る私達、
 その間にもキラボッコリがさらに先にある逆U字型の扉の形をした穴に飛んで行き・・・
 すると、黒と灰色のキラボッコリと共に飛んで戻ってきた、上に色々な料理を乗せて!
 私達が驚いている間にも、並べられていく料理、
 飴色に焼かれた鶏肉、ふわふわの三頭山形パン、コーンクリームスープにトマトとレタスのサラダ等々・・・
 「こんなに・・・いいの!?」
 「ええっとどうなんでしょうねぇ・・・」
 キラボッコリ達がどうぞどうぞと右の翼を前に出してくる
 「毒は入って無いぞ」
 「それじゃ・・・」「そんじゃ・・・」「それじゃあ・・・」
 「それじゃ」
 「「いただきま~す!!」」
 と、お腹が空いていた私達は、遠慮なくそれらを腹に入れて行くのである、
 「ちょっと、その鳥よこしなさい!!」
 「デカいんだからみんなで分けりゃいいじゃんか!!」
 「俺はパンとサラダとスープで十分さ、でもちょっとちょうだい」
 「ああっ!僕も!!」
 「こいつら・・・」
 「私達の分も分けてくださいですよ」
 まぁ、こんな感じで、
 なんやかんやで食べ終えた私達は、二階右端出入り口側出入りの方に扉の向くある部屋に通された、
 幸い、男女別部屋、一応、私にはウィルピーが付いてるけど・・・
 部屋の中は石材は他と同じながら、扉に棒の付いた円型の鍵穴、左向きの二つのベットに壁にハンガーの付いた衣装掛け、ベットの間に上にガラス製ランプの乗った引き出し付きの小台タンス型の台があったりと、
 普通の宿屋よりも少しいい感じの部屋ですらある、
 「これでシャワーかお風呂があれば完璧なんだけどなぁ・・・」
 「後で言えば貸してくれるんじゃないですかね?少なくとも、この規模の城に洗い場が無いなんてことはないでしょうし・・・」
 「それもそうか・・・じゃあ、後で訊いて・・・」
 コンコンコン!
 ん・・・?後ろの扉を叩く音・・・?
 「助けてください、ここから・・・出してほしいんです!!」
 
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