バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

月夜と私の過去と光の城 ダブモン!!4話/01

 

月夜と私の過去と光の城 ダブモン!!4話01
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

f:id:OirenW:20190313172212p:plain 
 
 「四葉さん、調子は?」
 「もち!行けるに決まってんじゃない!!」
 目の前のウィルピー、白い光の火の玉に黒い両目の付いて両手が生え、背中にハンマーと分厚い鍛冶用のペンチを背負った存在が私に問いかけてくる、
 広い、舞踏会でもできそうなきらびやかな城の中の大舞台の大広間で、私は目の前の、
 灰色の布をかぶってWカードをプレイする黒い影のような謎の存在である相手に、自身の金色のツインテールと黒いスカートを揺らしながら右人差し指を突き出し宣言する
 「さぁ、ここから出してもらうわよ!!まずはリチャージ!!」
※「さぁ、みんなの幽閉を解きなさい!!ここから出しなさい!!まずはリチャージ!!」
※あいつを倒して・・・ここから出なきゃ!
 「・・・」
 向こうも光の板右手側のチャージゾーンにその手をかざす、
 なんか言ってほしいけど、無口を売りにしてるのかしら、ま、いいわ。
 山札の上一枚を手札に!
 「ドロー!!」
 「・・・」
 向こうも引いてきた、よしよし、このまま行くわよ・・・
 「セット、」「・・・」互いに1番に裏で置いたカードを「オープン!!」「・・・・・・」表に!
 「ダブモンNo.33、贖罪の鍛冶屋 ウィルビー!!」
 むやみやたらにゴツイ声がデッキケースから聞こえ、ウィルピーが前に出て行き、両手に背中の鍛冶道具を持ってハンマーを前に振り降ろし構え、格好つける
 「さぁ、僕の番ですか!」
 「ダブモンNo121、綿埃の埃掃除屋 ワタボッコリ!」
 と、布かぶりの男の後ろから、綿埃にまみれた小さい物体が飛び出してくる、
 埃のような本体には両の瞳が付き、その瞳は外黄内青の輝きを放ち、埃にまみれた眉を持っていて、
 両翼と思しき部分も埃にまみれ、中は見えない、
 「ワッター!」
 と、それが楽しそうに笑顔を作り、相手の布をかぶった奴の前に降り立った
 「なるほど、綿埃の埃掃除屋、ワタボッコリ、ね・・・コストよ・・・互いにコスト1、私はこれを表に!!」
 「・・・」
 チャージゾーンから互いに表にしたカード、まずは向こう!!
 無機質パワーエレメンツ・・・
 おっし、戦闘前タイミングのカード!私が表にしたのは・・・!
 「私が表にしたのはウィルピーキラメント!光属性のモンスターのコストとなった時、裏にする!!さらに・・・」
 私は思い切り右手を前に出し、宣言!
 「1番戦闘よ、ウィルピー」
 「了解です!!」
 ウィルピーが両手を体から前に出して、ペンチとハンマーを、まずはその槌を相手に叩きつけて行く、
 ワタボッコリは慌てて跳んで避けるも、続けてのペンチ振り回しをかすり受け、吹き飛ぶ、
 「ワター!!ワタワタ!!」
 が、ここでやる気でも出したのか、一気に両翼を外側から前に羽ばたかせて出したほこりで球体を形成、
 それが弾け、ほこりの壁となりウィルピーに向かう、
 「ぶわふっ!」
 もろに受けるウィルピー、そこから壁が床に当たって弾けた残骸を私は右手で払い飛ばす、
 「よ・・・四葉さん、見えません!!」
 見ると、ウィルピーの顔にほこりが張り付いたまま・・・
 「何やってんのよ、そんなのすぐに払えるでしょ・・・」
 「そ、それが・・・なんか、くっついちゃてて・・・」
 ウィルピーが両手で横からこそげ落とそうとするも、まったく取れる様子はない・・・
 「ワタタタ・・・」
 それを宙を降りながらワタボッコリが笑っている・・・しかし、
 「そこかぁあああ!!」
 その笑い声を頼りにウィルピーがワタボッコリに近づきハンマーを振り降ろす!!
 「ワタァアアア!!」
 慌てて悲鳴を上げて逃げるワタボッコリ、
 ズドン!
 ハンマーは空を切って床に叩き付けられるも、今度はワタボッコリの上げた悲鳴を頼りにワタボッコリを追いかけハンマーを振り上げ叩き降ろしていくウィルピー、
 「ワッタァアアア!!」
 ズドン!!
 が、しかし、両目が埃でふさがれているためなのか、そのハンマーはまたも当たらず、
 その後も声を頼りに追いながら続けて幾度も叩き落としていくが一向に当たらない、
 ズドン!!ズドン!!ズドン!!
 「ワタ、ワッタ、ワタァアアア!!」
 まったく、しょうがないなぁ・・・このまま戦闘後に行かれても困るし・・・
 「ワタボッコリ、あなたの能力はわかってる、戦闘後にどういうわけか生き残る能力、でも、それは戦闘前に効果が発動していれば回避できる!!」
 右手を前に出し、可憐に、宣言!
 「ウィルピー!効果発動!!ウィルピーキラメントをコストにして、2番に分身を召喚!!」
 「はぁあああ!!」
 ウィルピーの体が輝きに満ちて行く・・・
 「はぁっ!!」
 そして右手の方に一体の分身が現れた!!
 無論、そちらの方はほこりで目がふさがれてなどいない
 そのまま分身の方がハンマーを連続で叩きつけて行く、右に左に逃げ惑うワタボッコリ
 ドカン、ドカン、ドカン、ドカン、ドカン、ドカン、ドカン、ドカン、
 「ワタ、ワタ、ワタ、ワタ、ワタ、ワタ、ワタ、ワタァアアア!!」
 が、一発も当たらない、コントロール上手くいってないわありゃ、それとも、あっちには感覚なんてないのかしら、いずれにしても、気配とか声はわかるだろうから・・・
 「たぁあああ!!」
 突如、ほこりで目を潰されたまま、本体のウィルピーが、ワタボッコリが逃げた先で、ハンマーを振るい
 「ワッター!!!」
 ワタボッコリを叩き潰し、ワタボッコリがまとうほこりを四散させた!
 が、ハンマーの下に、小さなワタボッコリが残ってる・・・
 そのワタボッコリが、ハンマーから逃げ、両翼使って旋回飛行、辺りのほこりを自身の体に集めようとする
 「無駄よ」
 そこで二体のウィルピーが光を放ちながら槌とペンチを持って思い切り回転!何度も何度も回転し、ぐるぐるぐるぐる回り、その勢いと風でほこりをすべて吹き飛ばした、そして、
 哀れ・・・じゃないけど、ワタボッコリは目に涙を浮かべながら向こうに飛び去って行った、
 それを見届けた私は、改めてローブをかぶった対戦相手を真正面から見据え、少し強く、告げる、
 「さ、次はあなたの番よ、この一撃、受けてもらいましょう」
 そこで、いつの間にか横から近づいていた分身のウィルピーが向こうの立ち布のその頭にハンマーを叩き込んだ!
 ボスッ!!
 しかし、のれんに腕押し、布を叩いた音がしただけで、ウィルピーの感情か分身ウィルピーが驚いたようにハンマーを引くとすぐに元に戻ってしまった、
 やはり・・・人間ではないか・・・
 そこで、分身のウィルピーが消え去った
 「さて、絶好調で始まったわけだし、このまま行かせてもらいましょう」
 「・・・」
 奴の布のフードの口元が、ニタリとねちっこく、笑みを浮かべた気がした・・・
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――