バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ダブモン!ダブルカードモンスター!!04 妖魔版

 

ダブモン!ダブルカードモンスター!!04 妖魔版
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 「カンテーラ・・・?」
 「ダブモン・・・?」
 「案内屋、さん・・・?」
 俺、兎白、鼓動、それぞれが感想を漏らす
 「ま、色々聞きたいことあるんだろうけど、それはおいおい説明していくとして・・・」
 あ・・・
 「なぁ、案内屋だったら、ここの出口とか知ってんのか?」
 「ああ!」
 「それ僕も訊こうと思ってた!!」
 二人からも思わず声を張り上げる、
 「知ってることは知ってるが・・・」
 「知ってるなら教えてくれよ!」
 「そうだぜ!」
 「教えてよ!」
 「しょうがねぇなー」
 案内屋、カンテーラが両手を外側に上げやれやれと首を左右に振り
 「本当は料金の一つでももらいたいところだがしゃあ無い、特別に教えてやろう、お前らが入ってきた扉があるだろ?」
 三人一斉に首を縦に振り
 「うんうん」
 「うんうん」
 「うんうん」
 「それだ」
 ・・・
 「ふざけてんのか?」
 「おいこら」
 「散々色々やったのに開かなかったんだけど!」
 「まぁまて、こっからだこっから」
 カンテーラが右手を俺達に向けて制し、すぐにその手を降ろして、
 「入り口が開かないんだろ?それだったら、この城の一番上、謁見の間まで行けばいい」
 「謁見の間?」
 「謁見の間、つったって、扉を開く仕掛けがあるわけで無し・・・」
 「なんで、そこにわざわざ行かなきゃならないのさ」
 「ま、それは行ってみてのお楽しみだな、俺は案内するだけなんでね、そこに何があるのかを教える義理は無い、さ、どうする、俺の言葉を信用するか?」
 ううむ・・・
 俺達三人立ち上がり、円陣を組んで顔を見あわせる
 「どうすんだよ?」
 言い出したのは兎白だ、
 「どうするって言われてもさ・・・」
 と鼓動、
 「だが、他になんか思いつくか?」
 今度は俺だ
 「いいや、全然、」
 「僕も」
 「俺もだ、他に手が無いんなら、一旦あいつの提案に乗ってみるのもいいんじゃね?」
 「だが、信用できるのか?」
 「でも、気になること言ってたよね、ダブモンとか・・・」
 「確かにな」
 「うん、それは俺も気になってた、」
 「それじゃあ、付いてく?」
 「とりあえず、あいつの提案に乗って・・・」
 「道中、訊けるだけ訊いて情報集めて・・・」
 「信用できそうにないってなったら逃げる・・・」
 「よし、とりあえずそれで決まりだ、時間はまだありそうだし、ダメなら駄目でまた入り口に戻ればいいだろ・・・」
 「決まったかーい?」
 カンテーラの声に、俺達は振り返り
 「いいぜ、その話、乗った」
 「そこまでの案内も、きっちりしてくれるんだろうな?」
 「そうじゃなきゃ、きっと僕達、辿り着けないよ」
 「俺がいなくても、辿り着くことはできると思うけどな、大きい廊下をたどって上に行けば、自然とつける構造になってるし、もっとも・・・」
 もっとも・・・?
 「途中にある仕掛けを乗り越えられたらの話だけどな、クックックッ・・・」
 その含み笑いに、俺達は思わず背筋に旋律が走ったのだった・・・
 ・・・
 ややあって、入口にまで戻りつつ
 「こっちだ」
 案内役のカンテーラに従い、入り口から見て左側の階段を上って行く・・・
 「本当はどっちでもいいんだけどな・・・通じてる場所は一緒だから・・・」
 まぁ、そうなんだろうけどな・・・
 そんなことを考えつつ、階段を上り、中二階の中奥にあった額縁の下の扉型出入り口の先の階段を上ると、左右に広がる大きな通路に出た、
 赤じゅうたんが中央にしかれた通路、その中央には、大きな木材鉄枠の両開きの扉があり、
 「ここだ」
 カンテーラが両手で押し開けて行く・・・

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 その部屋は、一本の通路の先に、上の階へと続く階段があった、
 ただし、その通路が極限にまで細く、左右に轟々と燃え盛る炎の溜まり場があり、上の方で火炎球の振り子が三つ、距離を取って連なり存在し、
 明らかに先に進むものを殺しにかかっている・・・
 「おい、もしかして、俺達にあの階段までたどり着けっていうんじゃないだろうな?」
 「その通り」
 「おい、マジかよ!?」
 「辿り着けるわけないだろ!!」
 「どうすんだよぉ!」
 「おやおや、お客さんかな?」
 声がしたのは、長い長い通路の前、向こうに少し先のとがった半円状の踊り場からだった、
 その体は腹白で全体は炎に近い色をしており、少し小さめの、尾っぽ付きのカエルを少し伸ばしたかのような体に、横長円状ののっぺりとした顔とつぶらな瞳を持ち、
 首にスカーフの様に炎を巻き、顔の左右にはまるで洗面器のような炎袋を持っている、
 その両生類のようなやつが、角の丸いコの字状の木製カウンターの先にいるのだ、
 「やあやあ、ウーフレイムの旦那、ちょっとここを通してくれねぇか?」
 
名・炎風呂の番台 ウーフレイム ダブモンNo.52
概・M モンスター コスト3 パワー1800 両生・火属性
発・戦闘前・自任意・このターンの間・条文の頭に指定:
条・主対象:自分の“場所にいる、
      このモンスターもしくはこのモンスターと同名以外の
      カテゴリ:火属性か水属性を持つモンスター”
  二・このモンスター 三・相手の壱 略・壱・“”
効・第一効果:主対象のパワーを1200上げる
  ・三のパワーを600上げる
  ・二のパワーを((主対象+三)×500)上げる
文・つぶらな瞳にのっぺりとした顔を持つ癒し系ダブモン
  自身の縄張りを自種族以外の他のダブモンに貸し出すことで、
  縄張りを守る習性を持つ
 
 「そりゃかまわんが、お前達が来たせいですっかり客がおびえちまって、隠れちまってなぁ・・・」
 客って・・・?こいつ以外部屋には・・・・
 「客なんて、あんた以外誰もいないじゃないか」
 兎白の指摘が飛び
 「そうだそうだ」
 鼓動が賛同する
 「おびえて隠れとるだけじゃよ、ほら、よく見てみぃ」
 言われて見回してみるううん・・・
 「あれ!狼の頭が見える!」
 鼓動の声が響くと同時に鼓動が右手の人差し指を左の炎のたまり場、少し奥角の方を指す、
 すると、確かに赤い狼の頭が見えた
 へぇ、なるほど・・・って、
 「っていうか、あんた、ウーフレイムだっけ、こんなとこで何してんだよ?」
 「番台じゃよ?」
 「番台ぃ?」
 番台って何だろ?
 「ここで炎の風呂屋をやっとるんじゃよ、どうじゃ、体が温まるぞぉ~」
 「入れんのか!?」
 兎白が勇んで右足を左の方に・・・
 「うわっ!ちゃちゃっちゃぁ~!!」
 しかし、すぐに後ろに飛び退る!
 「駄目だこれ、ただの炎じゃないか!!」
 「当然じゃ、砂風呂は砂じゃろう?」
 ほっほっほっと笑うウーフレイム、
 それをカンテーラが見据え、
 「まぁ、とにかくだな、俺達は先に進みたいんだ、そこ退いてくれねぇか?」
 「いいじゃろう、とっとと行ってくれるとわしも助かる」
 ウーフレイムが左側を向くとそちらの方に飛びこみ、こちらの方を見る、
 うへぇ、俺じゃ飛び込む気なんてしないぜ
 っと、
 前の方を向き直る、
 細い通路の上には三つの炎の振り子、一定のテンポだが大きく揺れており、突破は出来る、はず!
 「じゃ、俺は先行ってるからな」
 カンテーラがそう言って、左手端の方から振り子を避ける様にふよふよと飛んで行った
 「あっ!ずりぃ!!俺達も連れてってくれよ!!」
 「俺の仕事は案内だけだ~」
 そう言いつつもカンテーラはここを鏡あわせにしたような向こうの足場に到達する
 うう・・・薄情者~!!
 なんて、文句言ってる場合じゃねぇや、
 「まずは俺が行く!」
 「だな」
 「良星君、一番すばしっこいもんね」
 その言葉に、思わず振り返り
 「少しは止めてくれよぉ!!」
 「やだ」
 「良星君が行ったら僕達も行くからさぁ」
 「うう・・・約束だかんな!!」
 きっちりと振り返り直り前へと進む、
 足場は細いことは細いが、平均台よりかはましである、少しぐらいならジャンプも出来そう、する気ないが・・・
 そうこうしているうちに炎の振り子一つ目、左右に振れる振り子をタイミングを合わせ、1、2、3・・・ここだ!
 一気に早足で前に駆け、二つ目の振り子の前で急停止、1、2、3・・・ここ!
 そして三つ目も1、2、3とタイミングを合わせ、駆け抜け、向こう側に到達!
 「よぉ、よくやったじゃねぇじゃか」
 「へへ、まぁな!!」
 カンテーラの出迎えに、思わずいい気になって胸を張る俺
 「じゃあ、次は俺だな!」
 そう言って、一歩前に出たのは、兎白、
 「だいじょうぶかぁ~」
 「だいじょぶだって!」
 俺の呼びかけに気軽に答える兎白、
 あいつ、おっちょこちょいなところあるけど大丈夫かな・・・?
 そう考えている間にも、まず、一つ目の振り子に到達し
 「1・・・2・・・3・・・ここっ!」
 一気に抜けた!そのまま二つ目の振り子の前で止まって・・・右足を前に踏み外した!?
 「わわわ・・・」
 そのまま立て直そうとするも、左手の方から火炎振り子が迫ってくる
 「う、うわぁあああ!!」
 「兎白~!!」
 「兎白~!!」
 
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