森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話/03
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深緑の森の中、住処とした木の洞の中で、呆然と今後の事を考える、
「え~あ~」
「どしたいよ?プランバニツ?」
洞の中に上の方から入り込むように青い鳥が飛んでくる、と言っても、幸運の象徴などではなく単なるうわさ好きなわけだが・・・
名前もウワサツキだし・・・
木を掘るための尖った鋭く黒いくちばしに、黄色い足、前が白後ろが青の羽毛を持つ、小型のキツツキのような・・・
こいつ、勝手に俺の木の上の方に穴を掘って住処にしやがっているのだ・・・
それが上の方で翼をせわしなく動かし浮遊しながら止まる
パタパタパタパタパタパタ・・・
俺はそれをおっくうに見上げ、
「いやさ、いくらやりたいことが無いからってうだうだしてたら結局こんなことに・・・」
「親父さんのことか、そりゃ災難だったな」
そう、若いころに母親を亡くし、とうとう親父も病気で逝っちまった、もうかなりの年だったことは事実だが・・・
問題はその時の遺言だ
薬草畑を頼んだぞ・・・
と、これである、
「でもさ、もう今日分の世話は終わったんだろ?薬草畑、」
「そりゃあ・・・」
これも問題なのだ、習慣なのか本能なのか知らんが、親父の死んだ翌日には朝早くに寝ぼけまなこで水の足りて無さそうに水をやって肥料もそろそろあげなきゃいけないからどこから調達すっかなーとか、ぼんやりと考えている始末なのである、
そして気が付くと薬草畑の側の食糧畑から適当に根菜抜いてガジガジかじってる始末・・・
ああ、俺のやりたいことは見つかんないんだろうか・・・って、今まで旅に出てまで探したもんがそう簡単に見つかるわきゃないんだけどな・・・
「それよりも、お前の問題は子供をどうするかっていう事だろ、当てはあるのか、当ては・・・」
そうだ、親父が死ぬ間際、
せめて、孫の顔が見たかった・・・
とかもぼやいてやがったなこんちくしょう・・・
「だからさ、相手が見つからないなら、その・・・」
なぜかすこしウワサツキが頬を染め目をそらす、しかしだな・・・・
「鳥と兎で子供ができるわけないだろ」
「う・・・わ、わかんないじゃないか!!私達は鳥でも兎でも無くダブモンなんだから!!」
まったく、口の減らない・・・
にしても、同族とか、俺以外じゃ死んだ親父とおふくろ以外見たことないからな・・・
そういや、親父は先祖代々薬草畑守ってたって言ってたけど、おふくろの故郷は見たことないな、
ちょっと訊きに行ってみるか・・・
「あ、おい、待てこら~ぁ!!」
起き上がりとある場所に向かって四つ足で駆けだす俺を、ウワサツキが追っかけて来た・・・
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