バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話23

 
森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話/23
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 

f:id:OirenW:20190204115656p:plain

 
 吹き飛んでいたカンテーラがふわりと降り立ち、その剣をゴリアゲルに突きつける、
 「さぁ、まだやるか?」
 「おっと、」
 そこにヤキカニクイヌが割り込み、ゴリアゲルを右腕で肩から上に抱え込み、後ろに跳躍、僕達から離れる
 「何をする・・・」
 「みんな傷ついてやすぜ、向こうが甘ちゃんだったからよかったものの、そうでなきゃ、死者の一人出てても不思議じゃねぇ、あんたもその調子じゃ、このまま戦っても勝ち目はねぇです」
 「ぐぬぬ・・・」
 ゴリアゲルが悔しそうに歯を食いしばる、
 「引き際を見極めるのも名将の条件、このまま奴らに総攻撃されるか、教会に通報されて牢獄行きか、今なら野生のダブモン同士の小競り合いに子供が巻き込まれたって体で済むと思いますがね、どうしやす?」
 「・・・仕方があるまい、引けっ!!」
 「なっ!」
 ゴリアゲルの配下が皆引いていく、思わずそれを追おうとするカンテーラ
 「おっと、いっちょ前に煙幕張らせてもらいまさぁ、はっ!」
 が、ヤキカニクイヌが口から噴き出した黒い煙により、辺り一面が黒くなり、それは阻まれたのだった・・・
 「ぐっ・・・!」
 煙幕が晴れた時、そこには、誰もいなかった・・・
 カンテーラが呆然と少し力の抜けた表情を浮かべる
 「どーすんだこれ・・・この形態もいつまで維持できるかわからないし、わざわざ延々奴らを追っかけるわけにも・・・」
 「・・・とりあえず、教会に相談しに行くってのはどうですかね・・・と言ってますです・・・」
 ウィルピーが訳したプランバニツの言葉に、
 プランバニツが訳に納得するように両腕を組み首を縦に振る中で、僕達は納得せざるを得ないのだった・・・
 ・・・
 「・・・とまぁ、そういう経緯でさ、と言っておりますです」
 「それはそれは大変だったねぇ・・・」
 とこういう具合に、クロスロードタウンの教会に戻り、教会の前にいたおばあさんに話をした後、
 もう一度、今度は警戒しつつ薬草畑に行って薬草を取って教会に戻り、
 それでもう、夕方近くになっていたので、経緯説明がてらにプランバニツ以外全員で教会に一泊、
 翌朝、プランバニツが戻って教会内で再度の説明と・・・きついことをやり通し、
 ようやく、解放される段になったのだった・・・
 教会前の道で、僕、良星、兎白を始めとした僕達と、教会を背にしたプランバニツやおばあさんが向かい合う、
 「もう行くのか?と言っておりますですよ?」
 「ううん・・・いつまでもこの街にいるわけにも・・・」
 「それよりか、そっちは大丈夫なのか?」
 「そうだぜ、またゴリアゲルの奴がせめて来たら・・・」
 僕らの言葉に、プランバニツが少しの仕方なさ交じりに
 「これからは教会と協力してどうにかして見せる、って言っておりますですよ」
 「そいつらの捜査や話し合いも教会側がやっておくよ、なに、いろいろ目星はついてる、大切な薬草の供給源だからね、こいつの土地を渡すようなマネはさせないさ、長い付き合いだし、プランバニツより、薬草を育てるのがうまいとも思えないしね」
 「必要な分を必要なだけ、金のためにやってるわけじゃないし、供給しすぎると、再生産の効率が落ちちまうのさって、言っておりますです」
 そ・・・そういうもんなのかな・・・?
 「それじゃ、僕達はこれで・・・」
 「そうだよな、いつまでもいたら」
 「名残惜しくなっちゃうしな、」
 「で?」
 しか~し、この雰囲気をぶち壊す蜜羽さんの一言っ!!
 「で、これからどうするの?基本的には東西北、三つの道のいずれかを進むことになるけど・・・あ、西側はパス、一回行ったけど、宗教施設が並んでるだけですぐに戻ってきちゃった」
 「安全策取るなら、それがいいと思いますですけどね・・・」
 蜜羽さんに追従しウィルピーが話す
 「僕は意見ないな・・・良星と兎白は・・・」僕は良星と兎白の方を見る、
 「俺も意見ないぜ、良星、お前は・・・」次いで、周りの視線が良星に集中し、良星が目伏しがちに・・・あれ・・・?
 「・・・」
 良星がめずらしく何か考え込んでいる・・・
 そして、力強く顔を上げ、僕達に真剣な目つきをして
 「俺は・・・魔というものが何なのかを知りたい、善行とかとは関係ないかもしれないけど、多分、女神の奴となにか関係があるかもしれないと思うんだ、だから・・・」
 「魔導都市、マジカラ、東側・・・ね・・・」
 蜜羽さんの声に、良星はそちらの方を見据え
 「ああ!」
 返事を返した
 「なら、俺が案内してやろう、神と魔が交わる道を、いざゆかん!!」
 カンテーラの掛け声とカンテラで示した行き筋ののもとに、僕達は東へと進む道を歩き出したのだった・・・
 
ダブモン三話 森で相対せし地上げ屋炎獣一家 終わり
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――