バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話16

 
森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話/16
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 「拙者が出て行きやしょう・・・」
 出てきたのは、灰色の毛皮に袴着物をまとった二足歩行の犬・・・?
 言い方によっては犬頭の獣人といったところだろう、それが灰色袴付きの黒灰の着物を羽織っていて、
 そこに白いギザギザが書かれた縁の、濃い水色の上着をはおり、首に赤いマフラーを巻いてなびかせ、こちらを見る
 「拙者、区別は哺乳、属性は火、故あってゴリアゲル一家の用心棒兼若頭などやらせてもらっている、名をヤキガニクイヌと申しやす、以後、お見知りおきを・・・」
 そう言って目をつむりつつほんの少し頭を下げる
 と、向こうのカミキリガニがたじりたじりと後ろに下がるのが見えた、
 蟹・・・喰うんだろうか・・・?
 等と考えている間にも、ヤキガニクイヌが目を開いてこちらに向かい注意深く目を細める
 「さ、そちらの準備はいかがで?手が止まっておりやすよ、あいにくと、気は短い方なんで、私が動く前に準備を整えてもらえるとありがたい」
 力強く開いた右手の爪が不気味にきらめき光る
 あ、そうだ、慌てて宣言しつつ手を動かす、
 「リチャージ、ドロー、」
 そして、1番とチャージゾーンに裏側で置いて・・・
 「セット、」
 1番の方を表に!
 「オープン!!」
 「ダブモンNo.127、焼き蟹喰いのかまぼこ屋 ヤキカニクイヌ」
 え・・・あれ、かまぼこ屋だったの!?
 とと、それも興味深いけどまずこっちのカード!
 「エレメンタルパワード・マルチ!!カンテーラ、頼んだよ!!」
 「おうよ!相棒!!」
 山札が僕の前で展開し、一枚一枚右から左に移動していく中で、一枚のカードを見つけ、それを右人差し指で選択!
 と、突如、カンテーラの体の内からしみ出すように、カンテーラが燃え盛る黒い炎に包まれていく・・・
 そしてそれは、宙に浮いて黒い炎球となして轟々と燃え続け、
 不意に内部から斜め上に突き出された剣の刃が球体を切り裂き、球体を爆発させ、辺りに炎をまき散らす!!
 「ダブモンNo.22イィィィイイエェェェックス!勝利への案内屋ァ カンテーラァアアア・ビクトリーィィィィイイ!!」
 その中から現れたのは、大人の体型となったカンテーラ、袖が無く右肩の方に開きが寄っているマントを着け左手に黄色いカンテラを持っており、内側に黒いもやのような人型の見える黒いフードの内部に黒の両瞳を垣間見せ、左額に光球が思い切り移動している様を一つの円と幾多の線で表現した濃い紫の頭飾りをつけている、
 それが右手を翻し、
 「さぁ、勝利へと案内しよう」
 宣言!!
 これが、カンテーラ・ビクトリー・・・というか、
 「出現演出が違ってる!?」
 「出現演出が違ってるぞ!?」
 「出現演出が違ってるっ!?」
 「出現演出が違ってるわ!?」
 「うっだぁああ!!」と、カンテーラがこちらを見つつ「毎回同じだとお前ら飽きるだろうが!!」
 怒鳴る、
 まだ飽きたことないんだけど、っていうか、前回の召喚良星君見てないはずだけど、その時も違ったのかな・・・?
 すると画面にカードが三枚写る、恐らく、ヤキカニクイヌのコストだ、
 ファイアニスエレメンタルパワーにホットエレメンタルパワー、それに炭焼きエレメンタルパワー・・・
 「おやおや、敵さんの大将、という感じですかい?それならあっしも、本気を出さねばなりますまい!!」
 一気にヤキカニクイヌが走り、その右爪を外側から振るう!
 「やれるものならやって見ろ、シャドウブレイド!」
 そこで一気に剣で受け止め弾き返しつつ、
 「カンテラブレイズ」
 カンテラからの炎!
 「おっと、あっしは炎も得意ですぜい?」
 が、炎もものともせずにその両腕を交差させ炎を切り裂くように手爪を勢いよく振るう!
 「あ、ヤキカニクイヌの効果!?」でもパワーはまだ・・・!
 「ちぃい、炎効かないとは厄介だな!」
 カンテーラがその両爪を剣を振るって弾きつつ距離を取り、
 「なら剣で行くしかないという事か・・・」
 一気に飛びかかり大上段から剣を振るう、
 「こっちはこれもありますぜ?」
 それを回し蹴りと足爪で弾きつつ後ろ回転からもう片一方の足爪を振るう
 「これは・・・ソウレツサウンドエレメンタルパワー!?ええい、フレイマーエレメンタルパワーで相殺!」
 「おっと、カンテラが炎を撃ち出すだけとでも?」
 それをカンテラで弾き返し
 「効かなくても」
 さらに、そこからカンテラごと一回転して炎の竜巻を生み
 「はっ!」
 カンテラを前に出して炎によって竜巻を前に移動させ相手を巻き込む
 「火属性の火の攻撃とは、何もわかっていらっしゃらないようで」
 対してヤキカニクイヌは両腕を同じ左腕の方に振りかぶって力を溜め、
 「はぁっ!」
 一気に振り回し、炎の竜巻を斬り消し去る!
 「その程度の火、火属性には効きやせん」
 が、そこにカンテーラはいない、
 「ありどこに言ったんでしょ、なんて・・・」
 一気に爪を振り上げ、上空からのカンテーラの剣攻撃を爪で挟み受け止めた!
 「っちぃ!」
 「ははは、戦闘経験はある方なんでね?」
 「あれは、火の粉延焼大やけどエレメンタルパワー!?えっと、火と大地と水の土器パワーで相殺!」
 「だが、こっちはあいにくと絶賛大成長中だ」
 カンテーラが両足で上から宙を蹴りつつカンテラで一気に剣を押し込んだ!
 「なっ!?」
 あえなく手を切り裂かれる前に素早く後ろに引くヤキカニクイヌ、
 「なら・・・」
 が、更に一気にカンテーラに走り込み、上に跳躍、その足を爪から蹴り降ろす!
 「何の!」
 そこに先に剣を当てる様に剣を横から上げるカンテーラ、
 しかし、もう一方の足で器用にその刃を掴み止め、
 「これなら?」
 「この!」
 ヤキカニクイヌの身体の角度を上に変えながらの踏みつけ爪をあえなく頭をのけぞらせ、時間を稼ぎつつ横から左手のカンテラで剣を挟んだ足で弾く、が、胴に爪がかすった!
 仕方無く剣腹を右手で急いで掴み上に跳び後ろに退避するヤキカニクイヌ
 「残念でやした・・・」
 対峙するカンテーラとヤキカニクイヌ・・・
 唐突に駆け出し、互いの右手の得物を振るい上げ、降ろす!
 ガキリと音を立てぶつかり、カンテーラがスライディングそれをヤキカニクイヌが跳び避け
 「これなら」
 「いやいや」
 下からのカンテラの炎を瞬時にその足を大きく後ろ上に動かし切り裂くヤキカニクイヌ、
 そこカンテーラが立ち上がり振り返りざまに斬り裂き、不安定ながらもその右手の爪で受け、
 「まだだ!」
 無理矢理なカンテーラの剣押しについにバランスが崩れる!
 「しまっ・・・」
 「そこっ!」
 カンテーラの右足蹴りがヤキカニクイヌの腹に決まりヤキカニクイヌが吹き飛ぶ、
 「逃さない!」
 カンテーラのカンテラから炎が地をなめるように走る!
 「だから、炎は効かないと・・・」
 「炎は効かなくても上昇する風はどうかな?」
 「何?うお!?」
 ダメージを受けていたヤキカニクイヌが炎の上昇気流により更にバランスを崩して着地に失敗、しりもちを
 「今だ!」
 そこに通りすがるようなカンテーラの剣が決まった!!
 「がはっ!」
 明らかに前に力なくくずおれれようとするヤキカニクイヌ!
 続けて、ニドウィトガがゴリアゲルに向かって跳躍、その針を伸ばす
 「致し方ないが・・・、そうはいきやせん」
 がっ!!
 ヤキガニクイヌの目から鋭い眼光がほとばしり、
 力付くでゴリアゲルに跳ぶヤキカニクイヌ、その背にニドウィトガの針が刺さり、今度こそ前に倒れ
 「あいにくと、勘は鋭いもんでしてね、少し急所を外させていただきやした・・・」
 しかし、右足をとっさに前に出し、ニドウィトガの棘を受けても尚も立っていたヤキカニクイヌ!!
 な・・・!カードが二枚・・・火炎大慌てエレメンタルパワーに火事顎炎エレメンタルパワー
 そのままその足の後ろ回し蹴りでニドウィトガを弾くヤキカニクイヌ
 「でも・・・カンテーラ!」
 「あいよ」
 そのままゴリアゲルの上の方を大跳躍で上から剣を当てるように通り過ぎようとするカンテーラ
 「ちぃい!」
 これにはヤキカニクイヌも驚き、何とか剣がかすったところで体当たりで剣ごと吹き飛ばす!
 そして急いでゴリアゲルの方を向いて膝まずき、頭を下げる
 「すみません親分、これは失態です」
 「いや、いい、少し風に当たっただけだ」
 「ですが、それではあっしの気が済みません、なので・・・」
 と、ヤキカニクイヌが立ち上がりこちらに振り返り、
 「けじめ、つけさせてまいりやす」
 走り出す、
 「もう一戦、やるってかぁ!!」
 そこで飛び出してくるカンテーラ、
 「シャドウブレイド!」
 剣を上から一閃すると同時にヤキカニクイヌが右手の爪を上に振り上げ弾く
 ガキン!
 「容赦はいたしやせん」
 ヤキカニクイヌは返しとばかりに右手の爪を振り降ろすが、カンテーラはカンテラで横から当て弾き、
 ガキン!
 続けて体を回転させながらの剣の一閃を、すると今度はこれをヤキカニクイヌは左手の爪で返す
 ガキン!
 「らちが明かないな、これなら?」
 そこでカンテーラが左手のカンテラから炎を噴出させる
 「だから火は効きやせんぜ?」
 思い切り右手で炎を切り裂くヤキカニクイヌ、
 そこに炎の間を縫ってカンテーラが跳ぶ!
 「カンテラブレイドコンボ!」
 「はっきり言ってそれも読めてやした」
 が、そこで振り降ろされた剣をヤキカニクイヌは左手の爪で挟み受け止め
 「そこです」
 右手の爪を再度突き出す!
 「ちぃい!」
 慌てて下がるも、カンテーラの布端をかすった、
 「だが、体力は衰えているようだ」
 見ると、ヤキカニクイヌの左手のひらに一筋の血線が・・・
 それをじっと見るヤキカニクイヌ・・・
 すると、視線をカンテーラに移し、
 「・・・致し方ない・・・もっと攻めたいですが・・・とりあえず、これくらいにしときやすか、深追い厳禁でやすしね・・・」
 そう言って、ヤキカニクイヌが後ろに振り向き、下がっていく、が、顔を右肩の方に出し、不敵にこちらに視線を向ける
 「それに、そろそろ、こちらもいなくなってきたのでね、見せ場は残しておかないと・・・」
 一体何の事・・・?
 ま・・・まさか・・・!?
 
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