バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話01

 
森で相対せし地上げ屋炎獣一家 ダブモン!!3話/01

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 大きな森の奥深く、薬草がたくさんある崖際のお花畑を望む、木々が周りを囲う森の中で、僕達は火の力持つ獣達、そいつらと対峙していた、
 「お前ら・・・」
 そう言って、目の前にいる、対峙する軍団の一番でかい、燃えるような毛皮持つゴリラが四肢を地に着けたまま威嚇するようにこちらを目を細めてにらむ
 「本当に引く気はないんだな・・・?」
 それは、体に赤ネクタイに黒紺のスーツをまとい、背中から炎が噴き出ているような姿見で、
 頭につば上に赤く細長い平布が巻かれた台形の鍔広丸帽子をかぶり、口に葉巻のようなものを加えている、
 「まずは俺に行かせてくださいっ!!」
 いきなり威勢のいい声が聞こえた瞬間、軍団の中から一体の細長い胴と尾を持つイタチ・・・のような奴が威勢よく飛び出てくる、
 四肢と体を包む青いつなぎを着て同色のつば付き半球帽子をかぶった不敵な白いイタチだが、その尾は赤く燃え盛っている、
 「鼓動、やれるか!?」
 「任せてよ!!」
 後ろで良星兎白四葉さん三人とウィルピー含む二体が不安そうに見る中で僕は鷹揚しく答え、置いたカードを表にする、
 「オープン!!尾火の皮剥ぎ バッフレイム!!」
 「ダブモンNo.87、尾火の皮剥ぎ バッフレイム!!」
 力強い男の声がデッキケースから響き渡る
 と同時に、僕の前に唐突に後ろの方が燃え上がる焦げ茶の猛牛が現れていた、
 筋骨隆々の四足の体には、前半身に牛皮をなめしたような物がかけられ、顔の横から生える前向く両角は刃の様になっていて、先が燃えている尾を鞭のようにしならせている、
 いきなり背後から声が聞こえてきて
 「お前ら、火属性ばっかり出して森を火事にする気か?と、そう言っている」
 僕の前にいるカンテーラがそれを訳した、
 元の声が聞こえた後ろの方を見ると、そこから細めたじっとり目でこちらを見ている兎がいた、兎白君ではない、プランバニツという、
 白い毛皮に長い耳、赤い瞳とほとんど普通の兎と変わらないのだが、尾は大きく縦に膨らんでいる、
 「へっ、そこの暴れ牛と一緒にするなよ」
 今度は反対側の、先程現れたイタチの声、思わずそちらの方に振り返る
 「ダブモンNo.96、炎尾の道路掃除人 フレムイタチ」
 ・・・そのフレムイタチが小馬鹿にするように前半身と顔を上げて自慢げ両前足を組んだりしながらこちらを見ている・・・
 「俺の炎は燃やしたい奴だけ燃やす炎だ、きちんと制御しているからな」
 「へぇ・・・面白い・・・」
 その言葉に触発されてか、カンテーラが前に出る
 濃紺のフードと袖付きのマントを全身を隠すようにはおり、左手には黄色い燭台カンテラを持っていて、中は黒いもやのようになっており、
 フードの中に黒の両瞳のみが除いていて、フード左上には放射線状にいくつもの金属の線が伸びた円状の、太陽とも流れ星ともつかない薄紫の飾りをつけていた、
 そのカンテーラがフレムイタチをしっかりと見据え、
 「なら、俺もそれを間近で見せてもらうか・・・憑依!」
 大きくバッフレイムの方に跳躍したと思ったらバッフレイムに憑りつき、バッフレイムの首元に、カンテラの留め具付きの濃紺のフードが付く、
 「さぁ・・・走るぞぉっ!!3・・・2・・・1・・・スタート!!」
 カンテーラが憑依したバッフレイムがフレムイタチに向かって駆けだす!
 それは、走ったところに一対の炎の帯が焼けついている猛ダッシュ!!
 「フレイムロケットダッシュ!!」
 「おっと!」
 フレムイタチがこれをひらりと避ける、が、憑依バッフレイムは一気にUターン、
 「こいつならどうだ?鼓動、宣言を」
 召喚コストでマルチエレメンタルパワーを表にしながら向こうの召喚コストでホットエレメンタルパワーが表になるのを画面から確認しつつ宣言!
 「僕はバッフレイムの効果を発動!パワーを200上げる!」
 憑依バッフレイムが避けたフレムイタチにもう一度体当たりを仕掛けて行き、
 今度はその勢いを利用して後ろ足を横に蹴り上げ一気に回転、その勢いで後半身の炎を叩きつける!
 「フレイム・ドラム・スピン!!」
 「それなら僕も使えるよ、フレイム・ドラム・スピン!!」
 すると、フレムイタチもくるりと回って尾の炎を叩きつけ、これを打ち消し、弾けさせる!!
 「おい!!森が燃える!!って言ってるですよ」
 え・・・?
 ウィスプの声を聞き、後ろを見てみると、周りに飛び散って行く火を見てプランバニツが顔を左右に振って火を見てあたふたしているのが見える
 「っち、しょーがねぇな・・・」
 「ま、炎のコントロールはうまいって言った手前・・・ね・・・」
 と、憑依バッフレイムとフレムイタチが目を閉じると、そこらにあった炎や火の粉が根こそぎ消えていく・・・
 すごい・・・本当に出した炎はコントロールできるんだ・・・これならプランバニツも安心・・・
 が、プランバニツは自身の左足の先の一点を見つめていた・・・何が・・・?
 そう思って見ると、なんと、茂みの一つに火が燃え移っているではないか!
 「あわわわ・・・」
 「ああああ・・・」
 慌てて牛とイタチが炎に向かって行って両前足を叩きつけて炎を消す、
 そして、炎を消した後、取り繕ったようにそれぞれ外側の前足で額をぬぐい
 「ま・・・まぁ、こういうこともあるわな!!」
 「コーボーも筆の誤りってやつですよ、うん、」
 弘法の意味わかってるんだろうか?
 「さて、やり直しだ」
 「おぅよ」
 元の場所に戻り、再び対峙する憑依バッフレイムとフレムイタチ・・・
 「今度は物理で!」
 炎牛が駆け出しつつ両前足を振り上げ叩き下ろす
 「おっと、」
 火イタチは左足側に走りこれを避ける
 「そんな簡単に当たるかよ」
 「ならこれは!?」
 憑依牛が大きく後足を横から直接フレムイタチに叩きつけていく
 「甘いわ!」
 イタチが宙に大きく跳んだ、そしてそのまま上に尾を振り上げ
 「もらった!」
 角度を変えて憑依バッフレイムの頭頂部に叩きつけた
 「っつ・・・だがっ!」
 一瞬ひるんだ後に、思い切り躍り跳び体を叩きつけて行く!
 ダァン!!
 結果、フレムイタチがぶつかって地面に落ちて仰向けに倒れ、勢いが良すぎたのかバッフレイムも少し宙を跳び、憑依バッフレイムの右角がフレムイタチの右側頭部外側の地面に突き刺さる状態に
 「ひぃぃいいいい!!」
 目を見開き悲鳴を上げる火イタチ、大して憑依牛が冷静に四肢を地に着け角を抜きつつ今度は左の刃の角でフレムイタチの右頬を優しく叩く
 ペシペシ・・・
 「どうした、このまま顔を斬り裂いてもいいんだぞ、バッフレイムの角は外敵から身を守る他にも硬い同族の皮を剥いだりにも使うからなぁ・・・お前の薄ペラな皮なんぞ、顔の骨と筋肉ごと・・・」
 「こ、」
 目に涙を溜めながらの
 「降参、降参しますぅううううう!!」
 大きい声の申し出は聞き届けられたのか、角が上げられると、フレムイタチが身体を横に転がし四肢を使い、ゴリアゲルの方に走って行く・・・
 「お前、あんな無様な負けを晒してのこのこと戻ってきたのか・・・」
 ゴリアゲルが不機嫌そうに眼を細めてフレムイタチを見降ろす
 対し、フレムイタチは必死に体を上げて両腕を広げ、目に涙を溜めたまま
 「だって、無理ですってあんな奴、一介のイタチが勝てる相手じゃありませんぜ!!」
 の、フレムイタチの必死の弁明にゴリアゲルはあきれたように顔を振る
 「もういい、下がっていろ、次、誰かいいのはいないか・・・?」
 「それなら俺が・・・!」
 ゴリアゲルの声に応え、次の奴が前に出る、
 はてさて、どうしてこんなことになったのやら・・・
 
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