バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

騎士とリザードと案内屋の相棒・・・ ダブモン!!22話/25

騎士とリザードと案内屋の相棒・・・ ダブモン!!22話25
 
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25
 
 「リチャージ!」
 「リチャージ!」
 手札に残った二枚、よし、この二枚で一気に!!
 「セット!」
 「セット!」
 「オープン!!」
 「オープン!!」
 「チクサンオ!!さらにフレイムファイアップエレンメンタルを呼び出しその効果で召喚!!」
 「カリトール!!さらにウッドグロウズドエレンメンタルを呼び出しその効果で召喚!!」
 「こっちから行くぜ!!」
 ワナリュー?!
 ワナリューが目前に出た山札が巻物のように右から左に移動し、
 これだ!
 右人差し指でカードを指定する?!
 と、ワナリューがいきなり厩舎に走り出し、先程の牛を連れてきた!
 そして、その下にバケツを置き
 「はっ!」
 ドゴン!!
 爆発を起こす!!
 なんだ突然!?
 爆発による煙が晴れた時、そこにいたのはワナリューでは無かった・・・
 赤い鱗の竜に麦わら帽子、水色のシャツに三又の農具、腰にはいまだに銃を携え、
 まるで畜産業でもやってる格好にその後ろには大きなトラクターがある
 ・・・大きなトラクターが・・・?何故・・・?一応、その後ろに牛もいるし、バケツもそのままだけど・・・
 「さぁ、行くぜ!!」
 威勢よく銃を向けてくるワナリュー、じゃない、えっと・・・
 「チクサンオです」
 あ、そうなの?ソダマモ・・・
 ソダマモがワナリュー、じゃなかった、チクサンオを見ながら教えてくれた
 「兄ちゃん!!」
 ん、背後から聞きなれぬ声?誰?
 振り返ると背後から駆けてきていたのは、背中に緑の布で包んだ何かを紐で斜め十字にくくり付けた緑色で猫と犬の中間の様な獣
 「ウメイル!!」
 ソダマモが叫ぶ、
 え?ソダマモの弟か妹なの?さっき兄ちゃんって言ってたよね?
 「どうしてここに!?」
 ソダマモが慌ててそう言う間にも、ウメイルはソダマモの前で止まってソダマモを急ぎ見上げ
 「手紙でこの辺りに来るって・・・」
 「それはそうだが・・・何故ここに・・・?」
 「ほらこれ!!背中の!!」
 「背中・・・?」
 ソダマモが紐をほどいて背中の包みを取り、開ける
 「これは・・・?」
 そこにあったのは、茶色の鉢植えとその中の土から真上に伸びるちいさな木の芽と、そこに付いた赤い実・・・
 それを見たソダマモが驚いたように目を見開く・・・
 「まさか、私の苗か・・・?」しかし、申し訳無さそうにウメイルの方に視線を移す「だがいいのか?後半はほとんどお前に任せきりだったのに・・・」
 対し、ウメイルは自信に満ち溢れたように
 「いいんだよ!これは、兄ちゃんの苗なんだから!!」
 笑顔すら浮かべる、
 兄の事、信じてるんだな・・・
 ソダマモも、そんなウメイルの様子を見て決意にみなぎるように
 「弟よ・・・そうだな、今がその時だな!!」
 首を大きく縦に振る!
 俺の前で山札が目の前に浮いて左手側から右手側に移動していく・・・
 「これだ!」
 右人差し指でカードを選択!
 その瞬間、ソダマモがその右手で植木鉢の赤い実を取り、体が輝き変化していく、
 剣は大鎌に、鎧はマント付きのローブに、盾は小手に、
 もはや足は幽霊のようなものとなり、兜は黒のV字の目の部分以外なくなる、
 そして、チクサンオに向かって振り返りながら鎌を振るい
 「推参!カリトール!!」
 チクサンオもそんなカリトールを眼に力込め睨む
 「とうとうその姿になりやがったなカリトール!!」カリトールもチクサンオの言葉に感化されたのか勢いよく
 「そうだ、今こそ決着を着ける時!!」
 「行くぜ!!」
 「いざ!!」
 ソダマモとワナリュー、いや、
 カリトールとチクサンオが対峙し、向かっていく!!
 「家族を捨てたものが、家族と共にある者に勝てるはずがない!!」
 「他人に甘えた者がっ!自立したやつに勝てるわけねぇだろうっ!!」
 カリトールの大鎌と、チクサンオの左手の三又がぶつかる
 「おっと、」
 チクサンオがそこから銃撃!
 しかし、それを下がり跳び避けるカリトール
 「うぉおお!!」
 そこで思い切り炎を吐くチクサンオだが、鎌で斬り裂くカリトール!
 「それだけか、」
 カリトールが地に降りつつ右手を地面につけると、周辺の植物がいきなり成長して森となる!?
 「な、なに?!」
 目を見開き驚き見回すチクサンオ!
 「だが、燃やす!!」
 カリトールが姿をくらます中で、むやみに炎を吐こうとするチクサンオ、
 だが、その目に橙の果物が投げ込まれぶつけられる!
 「ぐおっ!」
 果物が破裂して果汁がばらまかれ、カリトールの目を潰す!
 腕で拭おうとするチクサンオ、
 その後ろに回り大鎌で首を刈るように回すカリトール、
 「これで終わりだ」
 「まだだ、トラクター!」
 トラクターが木々を突き破り走り込んでくる!?
 慌てて右に飛び避けるカリトール、
 そこでいきなり跳躍するチクサンオ!?
 「オーバー!」
 トラクターが斜め前後左右に分割し、後部がチクサンオの両足と付き、
 前部が両腕に付き、チクサンオ自身が竜が持つような大きな翼を広げ、巨大な四肢と翼を持つチクサンオと化す!
 「ダブモンNo.6イィィィエェェェェックス!、竜牧場の畜産者、チクサンオ・オーバーァアアア!!」
 「こんな森、吹き飛ばす!!」
 四肢のトラクターが右腕に集まり、チクサンオが下に、地面に、一気に飛び叩きつけた!!
 振動と巻き起こる炎に砕け燃える森!!
 「それならば私も容赦はしない!」
 カリトールがそう宣言した瞬間、
 涼やかで白い風が全ての火を吹き飛ばし、草原と青空を見せていく・・・
 そこでカリトールがマントを自身を隠すように翻す、と、マントが翻された先、そこにはカリトールが天使をイメージしたかのように白い存在となっていた、
 背中に一対の白い翼、鎌も白くなり角を上下にした六角形の銀の装甲が刃の後ろと手元に付いている・・・
 「ダブモンNo.3イィィィエェェェェックス!、天の生と死の農民、カリトール・オーバーァアアア!!」
 四肢にトラクターを戻したチクサンオと翼羽ばたかせるカリトールが宙に飛び空中で激突していく!!
 大鎌と右拳の機械拳がぶつかり、火花を散らす!
 そして、互いに弾き、
 チクサンオが両拳を合わせ
 「うおりゃあ!!」
 いきなりその先に巨大な火球を形成し、カリトールに向けて解き放つ!
 「はっ!」
 一発目を避けるも、二発目が来て避け、続けてきた三発目は鎌で斬り裂く!
 「そこだ!」
 更に来る四発目!
 「ぐはっ!」
 が、それにはぶつかり、鎌を取り落としてしまう!
 「ならば拳で!!」
 右拳を握り、殴り込むカリトール!
 「甘いわぁ!!」
 しかし、ぶつかった機械右拳にはかなわず吹き飛ばされる
 「ぐわぁああ!!」
 「とどめだぁ!!」
 さらに、ワンツーの要領で機械左拳が来る!
 が、突然、下から生えてきた蔓に左腕ごと体が巻き付かれ動きの止まるチクサンオ!?
 「なんだと!?」
 下を見ると、カリトールが落とした鎌から伸びた蔓が、チクサンオに巻き付いていたのだ
 その恨みがましく目尻上げた目をカリトールに向けるチクサンオ!
 「てめぇ、わざと落としやがったな!!」
 「気が付いてももう遅い」
 別の蔦が鎌をカリトールに届け、構えるカリトール
 「これで終わりだ」
 周囲から光を集め、鎌が次第に光り輝いていく・・・!!
 「こいつで勝負を・・・決める!!」
 「なめるなぁあああ!!」
 チクサンオが力を込めても、体から発火しても、蔓は巻き付いたまま・・・
 「その蔓は火にある程度の耐性がある、もう遅いぞ・・・」
 「なめるなと言っている!!」
 と、チクサンオの四肢のトラクターが外側に一気に外れ、その勢いで蔓が破れ去る!
 火と物理的な勢いとの合わせ技で無理矢理取り去ったか!?
 そして、四肢のトラクターを右腕に集め、思い切り発火させながらカリトールに殴り掛かる!
 「はぁあああ!!」
 対し、カリトールも向かいながら大鎌を振るう!!
 「はぁあああ!!」
 鎌とトラクターがぶつかり、エネルギーが大きな光と熱と振動を生み出し・・・
 「今です!カンテーラ殿、良星殿!!」
 「『ウッドリーフエレメンタルでパワーを600上げる!これで逆転!!』」
 「『フレイムファイアエレメンタルで相殺!!』」
 「『ウッドリーフフォースエレメンタルで1200』」
 「『フレイムファイアバァニングエレメンタルで相殺!!』」
 「『ウッドフレイスエレメンタル!!」』」
 「『ファイアフレイムバーンドエレメンタル、相殺!!』」
 「『ウッドリーフビッグツリーエレメンタルで2400パワーをアップ!』」
 「『フレイムファイアコンフュギュレ―ジョンエレメンタルでこっちも2400アップだ!!』」
 「『コストにウッドリーフエレメンタル、ウッドリーフフォースエレメンタル、ウッドフレイスエレメンタルを指定!!』」
 「『コストにフレイムファイアエレメンタル、フレイムファイアバァニングエレメンタル、ファイアフレイムバーンドエレメンタルを指定!!』」
 「『さらにこっちはウッドアブソーブエレメンタルを発動し、カリトールのパワーを400、チクサンオのパワーも400,それぞれ上げて下げ、コストにウッドブランチトラストエレメンタルを指定しつつ、ウッドマニューアエレメンタルを発動し追加攻撃!!コストにウッドブランジングエレメンタルとウッドアブソーブエレメンタルを指定しつつこれでとどめ!!』」
 あっけなく、チクサンオが斜めに地面に飛んでいき、叩きつけられた!!
 「がはっ!なにぃ!?」
 「でやぁあああああ!」
 カリトールが鎌を横に構えながらチクサンオに向かって一気に飛んで、
 通り過ぎざまにその光の鎌で斬り裂いたのだった・・・
 
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