バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

御前教会の真実 ダブモン!!2話22

 

御前教会の真実 ダブモン!!2話/22
 
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  ・・・良星がパンを食べた途端にいきなりとんでもない勢いで咳き込みだした・・・
 全員が食事の手を止め見守る、
 「ちょっと、水を」
 蜜羽さんの声に
 「ああ、はいはい」
 おばさんが棚から木の取っ手付きコップを取って水がめから水を汲んで入れると、急いでこちらに持って来た、
 蜜羽さんが近づいて飲ませようとするも、良星はそれを苦しそうな咳で吐き出してしまう
 「ガハッ!」
 ・・・これは、明らかな異常事態だ・・・
 蜜羽さんが右手を良星の額に当てる・・・
 「すごい熱・・・」
 「おいおい、どうしたい」
 おっさんが俺達の来た通路から出てくる
 「急に咳き込みだしたんだよ、喉を詰まらせたと思ったけど、熱もあるらしいし、これは風邪かなにかかねぇ・・・?」
 「風邪・・・病気・・・まさか・・・」
 おばさんの言葉に、蜜羽さんの目が見開かれる
 「全員、食事に手を付けないで!!」
 蜜羽さんの大声に全員の体が固まる
 「おいおい、それじゃまるで妻の作った食事に毒でも入ってるみたいじゃねぇか!!」
 おじさんの一喝、しかし、蜜羽さんはひるまずにそのまま
 「うっさいわ!!女神様、居るんでしょ?」
 「はいはい、いますよ」
 叫ぶ蜜羽さんの肩側の宙に女神様が現れる、二頭身の小さい方だ、蜜羽さんがそれを見て急ぎ
 「こいつの症状、わかる?」
 「ふむ・・・」
 女神様が良星の顔に近づいてじっくりと見る
 「・・・毒ね・・・これは・・・」
 「ど、」
 「毒ぅっ!?」
 女神がつぶやいた言葉に、俺と鼓動は驚く
 「やっぱり・・・」
 「おいおいおい、この料理に毒だって?女神様に誓ってそんなもんは入って無い!」
 こっちはその女神様のお墨付きをもらってんだけど・・・
 「風邪か何かに偽装する毒、でいい?」
 「それであってる、このままだと体を動かすことも言葉を話すことも出来ずに死ぬわ」
 「死・・・」
 「死ぬって・・・」
 「解毒は?」
 「時間がかかるけど・・・」
 「お願い、」
 「何ひとりごと言ってるんだ」
 おじさんが大声を上げ、蜜羽さんに近づいてその顔を威圧するように下げる
 「うちの妻も私も毒なんて」
 「ねぇおばさん」
 が、そんな状況もいざ知らず、蜜羽さんがおばさんに話しかける
 「料理作ってる時、何か変な事なかった?」
 「そういえば・・・」
 おばさんが何かを思い出すように蜜羽さんを見つめる
 「たしか、料理が出来上がって机に並べたころ、窓に小石がぶつけられたんだよ、幸い、窓は割れなかったんだけどね、向こうに小さな影が見えて、懲らしめてやろうと外に出て、しばらく追っかけた後に見失って、結局ここに戻ってきて・・・」
 「その時、他に誰かいた?」
 「いいや、誰も・・・」
 「うっだぁあああ、誘い出されてその隙に毒盛られてんじゃないの!!」
 蜜羽さんの大声と勢いに、おじさんが思い切りたじろぐ、
 「とにかく、私達はこいつをベットで寝かせるわ、二人とも、足の方お願い、ウィルピーは私と一緒に頭の方を、カンテーラは先の方で道案内と扉を開ける係りを」
 「わ・・・わかった」
 「わ・・・わかったよ」
 「了解したです」
 「仕方無いな・・・」
 俺達全員、指示した通りの配置に付き、
 「あまり動かさないでね、毒の回りが早くなるわ」
 んな無茶な・・・
 内心そう思いつつも、ゆっくり慎重に俺達は進む
 「おい!食事は・・・」
 「いらないわ」
 怒鳴るおじさんの声に、蜜羽さんがチラリとそちらを見る
 「誰にも言わないし代金を請求したりはしないから、そっちで処理しておいて、食べて死んでも責任持てないから、処理方法は・・・」
 「この辺りだとどうにもならないわね・・・現実的な方法だと、厳重に封印して教会に届け出るしか、教会の総本山や国家なら、毒物処理専門の人間や処理できるダブモンがいるから、時間がかかるけど、そっちに任せるしかないわね・・・」
 「いい、厳重に封印して教会に申し出て処理してもらって、大きい教会なら毒物処理できる人間がいるってさ、食べたり、他の奴にだそうだなんて考えるなよ?」
 蜜羽さんのあたりを畏怖させる台詞と目つきにおじさんとおばさんが一歩引く、
 そして、そのまま良星を運ぶ作業に戻る
 「ねぇ、女神様、いい具合に即効性ではたから見たら風邪にしか見えない無味無臭の毒、人間が調合できると思う?」
 「不可能、とは言わないけど現実的には無理でしょうね、出来たとしても、何度も飲ませる必要がある物になると思う、かなりの遅行性の、ね、これみたく一発で、とは・・・」
 「ということは、ダブモン?ウィルピー、カンテーラ」
 「毒を扱うダブモンはいると思いますよ」
 「だろうな、ただ、簡単に人に使うとは思えない、それこそ明確に人間と敵対する意思を持つか、大きく信頼しているものの指示があった場合は別だが・・・」
 「女神様は・・・」
 「そこまで行ってたら、私が意見する必要も無いでしょう、さ、解毒解毒」
 女神様が両手を良星にかざすと、その手から暖かい光があふれてきたのだった・・・
 ・・・そして、良星を運びきり、翌朝・・・
 「良星の様子は?」
 「もう少しかかるわ・・・」
 窓際右手のベットの上で、良星を術的な何かで解毒しながら答える女神、
 仕方無く俺は切り出す
 「で、これからどうしようか?良星の回復まで待つかな?」
 「そういえばウィルピー、この辺りに貼られてる結界どう思う?」
 「は?」
 「え?」
 「へ?」
 結界?唐突に、カンテーラがウィルピーに話しかけた、俺、鼓動、蜜羽さんが驚く、って、ちょっと待て、
 「どうって、ちょっと不安定で、なんか、結界の不慣れなダブモンが無理やり結界作ってるって感じが、みなさんは気付いてなかったですか?」
 「いや、」
 「まったく、」
 「ここに来た時もわかんなかったし・・・」
 「なんだ?山の中腹から、女神の神殿を覆うように結界があっただろう、」
 「結界があったらなんですんなり村の方まで来れたんだよ」
 「そうだよね」
 「まぁ、大体返答の予想はつくけど・・・」
 「そういう結界だっただけ、って話だろ、そういう複雑な結界の貼り方してるおかげで、余計に不安定になってる節がある、」
 「というか、よく結界なんて感知できたな?」
 「僕達にはわからなかった、というか、違和感も何も感じなかったし・・・」
 「いくら、人間とダブモンじゃ、感覚が違うって言っても、私、そういう第六感的なもの持ってないんだから、感じろって言われても無理よ、っていうか、あんたたち、結界見えるの?」
 「俺は幽霊族だから、普通の人間にも見えない物が見えるって言ったろ?」
 「そうそう、私達、幽霊族ですからねぇ、普通のダブモンより、力の流れとか敏感らしいんですよ、だから、四葉さんにもどうせ降りてくるんだから待とうって言ったでしょ?」
 「だから、普通結界なんて気づかないっての」
 そういえばカンテーラ、城の中でもダブモンが追って来るか来ないかで気配を探ったりしてたな・・・
 「で、結界の様子がおかしいと?」
 「言うほどおかしいの?」
 「私もここ来るの二度目だけど、よくわかんないんだけど・・・」
 「俺は初見だからな、おかしいっぽいとしか言えない、結界に詳しいわけでもないし・・・」
 「いやいや、実は、私も、前に見た時と一緒だったから対して気にはしてなかったんですけど、今考えるとおかしいなーって」
 「そうだ、女神様の意見は?」
 「そうだよね、女神様にも意見訊かないと・・・」
 「私達よりもよっぽど詳しんだろうから当然よね」
 「ん?かなり長い間結界貼ってるから、揺らぎとかあるのかしら?ここ最近はなかったと思うけど、代替わりもしてるし・・・神殿からサポートやってばっかだからよくわかんないし、確かに様子おかしったっぽいかな?結界管理者の老いかしら?教会の管轄だからあんまりでしゃばりたくないんだけど・・・いずれにしても、様子見た方がいいと思うわ」
 解毒しながらやる気あるのかないのかわからない感じで答えてくる女神様、
 大方、解毒に集中したいのだろう・・・
 「なるほど・・・それじゃ、次の目的は決まりだな、」
 「目的はわかったけどさ、具体的にどこに行って何をすればいいのさ・・・?」
 「結界を直接見る・・・とかじゃないわよね?教会とかが結界の発生地点かしら?そこに行って、何をすればいいわけ?」
 「力の流れから推察するに、結界の発生地点は森の奥の方だろう」
 「そうですね」
 「さすがに鋭いわね~、そこに結界を張ってるダブモンの住む洞窟があるのよ、結構深い・・・」
 「わかった」
 「じゃそこで」
 「案内は?」
 「俺達で出来ると思う」
 「私達で大丈夫ですよ」
 「よし、きまりだ」
 「それじゃさっそく、」
 「行ってみましょう、っていうか・・・怪しい結界とか、早い目に話しときなさい!!」
 「いや、こっちに来たばかりで」
 「私達、勝手はよくわからないんですよね~」
 その言葉に、俺達三人はタイミングよくため息をついたのだった・・・いや、
 「でもさ、良星が寝込んでるんだけど・・・」
 「あ!」
 「そういえばそうね、誰か残る?」
 「問題無いわ、いざって時は私が逃がす、急がせれば少しの間全力疾走ぐらいできるでしょ、多分」
 女神様の言葉には、一抹の不安を覚えるが、とりあえず任しておけば
 グキュルルル~
 がそこでタイミングよく、女神様以外の全員の腹が鳴る、
 そういえば、昨日から何も食べていない・・・
 「お腹・・・」
 「空いた・・・」
 「うわぁ、あ、あ、あ、あ、どうしましょう・・・」
 そういえば・・・昨日の今日だし、また食べもの買って毒でも入っていたら・・・
 「そうだわ!」
 突然、蜜羽さんが何かに気付いたように女神様の方に向く、
 「女神様、毒があるかどうかわかるんだよね?そいつが毒に侵されてたかどうか見分けたあたり!」
 「え、ええ、まぁ、一応・・・」
 戸惑う様に女神様がうなずき
 「なら、なけなしのお金でパンを買ってきて、水をもらってきて、毒があるかどうか女神に判別してもらう、ってのはどう?」
 蜜羽さんの提案に女神様はこともなげに
 「それで構わないわ」
 と、返したのだった・・・
 ・・・そうして、少量の食事を摂った後、村中程の分岐路から森の奥、にまで行き、森を進む中・・・
 「それじゃ、カードバトルについては理解できたな、後、今話しあった通り、何か見つけたらカードバトルで、護衛用の結界貼るぞ、前線には一組のみ立ち、残りはいざとなった時の予備戦力、だ、担当者は・・・」
 カンテーラの言葉に、俺達は三人一斉に答える、
 「ジャンケンだな」
 「ジャンケンだね」
 「ジャンケン・・・行くわよ・・・」
 そして三人、立ち止まり、円陣を組んで向かい合う!
 「ジャン」
 「ケン」
 「ポン!」
 同時にその右手を前に出す!俺は手でハサミを模したチョキを出し、鼓動もチョキ、蜜羽さんが手を開いたパー
 「ぐ・・・ぐうぅううう~しまった~」
 「じゃあ、もう一回、ジャン、ケン、ポン!」
 「ジャン、ケン、ポン!」
 こっちは握り拳のグー、鼓動は・・・チョキ!
 「おし!じゃあ、俺が担当な!」
 そして、森をしばらく歩き・・・
 「あった!」
 見つけたのは一つの洞窟だった
 「よし、それじゃあ」
 「そら」
 いきなりカンテーラから放り投げられた物を思わず受け取る、濃紫の宝玉が中央についた長方形ぎみの箱状の物体・・・
 「相棒のズボンから抜いておいた、中のカードも一応枚数だけ調整してある、へまはするなよ?」
 「わかってるって!」
 俺は二人より前に出つつ、渡された物体、デッキケースを前に突き出す、
 するとそこに濃い紫の板が出現する、左手先には小さな画面もある・・・
 その中央にデッキケースを置くと、それが左手側に移動、デッキが外れてシャッフルされて山札になりながら、デッキケースがさらに上下反転しながら外側に移動し、
 俺は画面の指示に従って手前に山札からカードを裏で五枚並べてライフカードにし、同様に五枚、今度は右手で引いて左手に移し、手札とする、
 「カードバトルスタートだな、さぁ、行くぞ、鼓動、蜜羽さん」
 
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