バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

御前教会の真実 ダブモン!!2話18

 

御前教会の真実 ダブモン!!2話/18
 
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 皆が一直線に続く暗い洞窟内を駆けて行く、と、先の方から光があふれているのが見えた、
 「出口か?」
 「とにかく行ってみよう」
 「もう、どうなってんのよ・・・」
 先行するカンテーラとウィルピーが光の中に飛び込み、俺達もその後を追い、眩しい光に右腕を日傘にして思わず立ち止まり、
 少し経つとすぐに光に目が慣れてきた・・・
 そこは洞窟内で広い空間になっていた、
 所々にコケが蒸し生え、左手には池のような湖のような水たまりがある、
 その真上に細かい亀裂が無数に走り、どうやら、そこから太陽の光が差してきているようだ・・・
 「おや、皆さんは一体・・・?」
 正面から友好的に話しかけてきたのは、右手に柄の長い木の看板を持った丸耳で犬顔の獣人だった、
 どこか汚げな灰色の毛並みに上に重厚なの服を着こんでいる、
 前掛けの付き足の膨らんだ薄抹茶色で端線付きの袖なし軍服のような服に上に薄茶のマントを羽織っており、革のブーツのような黒い靴を履いている
 そのどれもが薄汚れ、ここで長くいたのだろうというのがわかる、しかし、神職にしては少し衣類の整い方が優しげというよりか厳しめという言葉の合う物のような・・・
 「どうしましたか、こんなところまで?」
 次いで言葉をかけてきた獣人に対し、カンテーラが俺達の前に移動する、どうしようか、ここはカンテーラに任せてみてもいいか・・・
 そう考えている間にも、カンテーラが獣人の方を見上げ、見据える
 「あんたは?」
 「私はここで女神の神殿の結界を管理しているマニフションと申します」
 「結界が不安定なのだが、何かあったか?」
 「結界が不安定?こちらでは何も起きておりませんよ、気のせいではないですか・・・」
 と、カンテーラの目が鋭く狭まる
 「あんた、属性は?」
 「無論、風属性でございますが?」
 「そうだろうな、あの結界は風属性の結界だ、あんたから感じる力も、だが、まるで他の属性が無理に結界を作っているかのように不安定なのはどういうわけだ?」
 「これは異なことを、ダブモンNo.133、聖隷の公示人、マニフションとは風属性のダブモンですよ」
 「よし、言質は取ったな・・・おい、カードバトルを進めろ」
 え・・・?
 「わ、わかった、リチャージ」
 「ぬ、それはまさか・・・」
 マニフションと名乗ったそいつの目が疑わしげに狭まる
 「ドロー」
 出てきたのは・・・よし、こいつと手札のこの二枚なら・・・
 「セット」
 「そこに乗っているのはデッキケース!?つまりそれは地域巻き込み型のカードバトル!?」
 マニフションの目が驚愕で見開かれる
 「オープン」
 「さて、画面に写ったカードは何だ?」
 「ダブモンNo.134、軍靴の公示人、ダェクリシン・・・」
 「ダブモンNo.134、軍靴の公示人、ダェクリシン」
 カードに描かれた姿は目の前のそいつと同じ・・・だが、名前と属性が、決定的に違う!!
 「ついでに言っておくと、風属性じゃない、地属性だ」
 「さて、あんたは何で自身を風属性だと偽装してたんだ?代替わりなら、素直に周りに言えば済む話だよな?結界の属性だって、そんなもの、ここでは何のこだわりも必要ないはずだ、」
 「デ、デッキケースが間違っているということも・・・」
 「おいおい、俺達のデッキケースが間違えるとでも?仮に間違えたとしても、風属性を地属性と出すと思うか?あんたからはこれ以上ない位に風属性だーという感じでエネルギーが放出されているのに、なんだったら・・・」
 カンテーラがついと、右手先を外側に指す
 「向こうの方にいる弱ったダブモンに話でも聞いてみようか・・・?」
 「ふ・・・ふふふ・・・」
 いきなりマニフション、いや、ダェクリシンが顔を上げ、笑い出す
 「あはははは・・・まさか、出てきて即正体が見破られるとは、デッキケースを見落とした私の負けですね」
 「デッキケースがあんたを敵判定で出してる以上、あんたは俺達と戦うつもりだった、違うかい?」
 「ですが・・・不意打ちで何人か落としてからにしたかったですねぇ!!」
 ダェクリシンがこちらに向かって走り出す
 そこにカミキリスが跳び込んでいく
 「おっと、示せ、岩の壁、公示、ロックウォール」
 ダェクリシンが看板を突き立てると、槍のような岩が左右から、壁の様に無数に付き出され、カミキリスがハサミを突き立て刃ではさむも・・・斬り裂けない、
 「はっ!」
 そこで岩の壁が素早く少し前進、カミキリスを弾き飛ばす、
 「さて、それじゃ、俺は・・・これなら?」
 ダェクリシンが看板に額を当て、目を閉じ、集中し始める・・・
 ゴゴゴ・・・
 すると、辺りに振動が走り始めた・・・
 「まずい・・・」
 「ちょっとまって、また生き埋めパターン!?」
 「もう戻れるかわかんないわよ!?」
 「大技か・・・兎白、いや、相棒、」
 「へ・・・?」
 突然、カンテーラが相棒と呼んで、こちらをチラリと見る
 「期待してるぜ、この状況をひっくり返すカードを選んでくれたことを」
 「いいや、これから選ぶんだよ」
 「なるほど、Oのコードを持つカードか・・・」
 「それにしても、今相棒って・・・」
 「今はお前が相棒だ、そうだろ?」
 「・・・そうかもしれないな・・・」
 と、山札が浮いて、俺の方に、巻物でも見せるかのようにカードを見せて行く・・・
 あった、これだ、
 右手でそのカードを引いて、1番に置く!
 「ダブモンNo.22イィィィイイエェェェックス!勝利への案内屋ァ カンテーラァアアア・ビクトリーィィィィイイ!!」
 嵐の海を、小さな木船に乗って、カンテーラが行く、
 ドザパーン
 波尾と共に大きな波にあおられながら櫂を使って船をこぎ、とうとう、嵐の中心に到達、そこで、右手のカンテラを、大きく掲げた、
 カンテラから光があふれ、同時に嵐の海がカンテーラ含むすべてを巻き込み収縮、一つの暗い水塊となり、
 内側から光があふれ、はじけ飛び、中から亡霊がその姿を現した、
 それは、大人の体型で、袖の無い右肩の方に開きが寄ったマントを着け、左手には黄色いカンテラを持ち、内側には人型の黒いもやのような中身に暗いフードの中には黒の両瞳を垣間見せ、左額の方に円とそこから放射線状に拡散する線が組み合わさった太陽か流星のような形の装飾を持つ、
 「さぁ、勝利へと案内しよう」
 カンテーラに似ているが成長し、大人の姿になっている、これが、カンテーラ・ビクトリー・・・
 と、向こうのコストが画面に写る、これは・・・?
 空洞のその場所で、ケイブエレメンタルパワー、犬払いの小熊 ガベアック、それにもう一枚・・・?
 コスト3なのに四枚のカード?それに、新しく出たエレメンタル・パワー・アース・スタチュアって、このカードはモンスターを・・・?
 出たカードに疑問を持つ間にも、カンテーラがダェクリシンに向かって駆け、右手に刃を出現させ振りかぶり、岩の槍壁を一気に薙ぎ斬り飛ばす、
 「ちっ、それなら・・・」
 ダェクリシンが集中を解きながら看板を振り回し、カンテーラが剣で受け止め
 「吹き飛べ、アースサラウンド、ワウッ!」
 ダェクリシンの土埃舞う咆哮を受けて、カンテーラが吹き飛ぶ、が、すぐに着地して
 「カンテラブレイズ!」
 カンテラを向け、炎を放つ
 「そんなもの、公示、ロックウォール」
 看板を地面に突き刺すと同時にせり上がった再度の岩壁に炎が防がれ
 「甘いな、出現させたのさ!!」
 カンテーラが一気に近づいて岩壁の下を薙ぎきり、岩壁を右足で蹴り込み、ダェクリシンまで吹き飛ばす!
 「なんだとっ!?だが・・・」
 ダェクリシンが大きく息を吸い込む
 「アースサラウンド、ワウッ!」
 岩壁を逆に吹き飛ばし返すが、すでにその先にカンテーラの姿は無し
 「どこに・・・?」
 ダェクリシンが左右を見回し、探すも見つからず・・・突如湧いた影に気が付き、上を見上げる、
 そう、カンテーラは岩でダェクリシンの視界がふさがれた瞬間に、上空に跳躍し、ダェクリシンの上の方から降ってきていたのだ、
 「しまった!」
 気が付くも時すでに遅し、カンテーラがその右手の刃をダェクリシンを押し倒す形で頭に突きつけていっていたのだった・・・
 ように見えたのだが・・・
 実際にはダェクリシン頭を後ろに引いて避けた結果、両刃を仰向けるダェクリシンの顔の外側の地面に突き刺したような格好になっていた
 「手加減か?」
 「まさか、あんたにはこれで十分だってこったよ」
 がそこにカンテーラに向かって背後から小熊の像が石棍棒を振りかざしながら跳びかかり、横薙いで頭にぶち当てる!
 「カンテーラ!」
 「カンテーラ!」
 「カンテーラ!」
 くそっ、さっきのダェクリシンのコストでガベアックを召喚、そのコストでエレメンタル・パワー・アース・スタチュアを発動してガベアックをチャージゾーンに戻しつつ、3番に戦闘を行える石像を召喚していたんだ、呼び出したのはあの地響きがあった時か・・・失敗したと思ったが、ちゃっかりあんなのも呼び出してたんだな・・・あれを呼び出した後に大技の集中に入ったのだろうか・・・?でも石像の石棍棒なんて、そんなものに殴られたカンテーラの頭は・・・頭は・・・
 そこにカンテーラの頭は・・・あった、無傷っぽいし、少しかすった感じに布が傷ついてるけど、何の事はない、ちゃっちゃと頭を下げただけで避けきったのだ、布の傷はその時に付いたのだろう
 しかし、石像は棍棒を振り上げて第二打を繰り出そうと・・・した次の瞬間には、カミキリスのハサミが後ろから石像のふちを幾度もチョキチョキチョキチョキと切り、
 石像はトゲトゲ熊の前衛芸術と化し、熊が自分の姿を両腕からまじまじと見つめ、
 カンテーラのことなどほったらかして水たまりまで行って自分の姿を改めて見つめ直し、おそらく感動のあまり目を見開き大きく吠え粉々になって砕け散った・・・
 それをこちらも目を見開き驚き見ていたダェクリシン
 「一体どうなっているんだ・・・?」
 「さあな」
 無慈悲にも、そこにカンテーラの剣を閉まった右パンチが仰向けるダェクリシンの腹に突き刺さる
 「がはっ・・・」
 ダェクリシンは、そううめいて気絶した・・・
 「さてと、それじゃ」
 「あらあら、いけない子達だこと・・・」
 
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