バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

御前教会の真実 ダブモン!!2話15

 

御前教会の真実 ダブモン!!2話/15
 
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 ザリドールが一歩ごとに地面に剣を差して何かないか慎重に調べながら先へと進む、
 それを俺達はついて行っているのだが・・・
 「壁とかは大丈夫かな?」
 「て、天井もどうだろう・・・」
 「ビクビクしてたらきりないけどね・・・」
 とまぁ、こんな調子で・・・
 「おかしな気配は感じられない、ザリドールの調べでも問題ないなら問題ないだろ」
 「ですよね」
 カンテーラとウィルピーの意見の中で、ザリドールが目視も含め全方位を調べながら黙々と進む、
 そうだ、今のうちに・・・
 「リチャージ」
 「ドロー」
 引いたカードは・・・2番に裏で置いておいて、手札からチャージゾーンに置いて・・・
 「セット」
 「見て!」
 蜜羽さんの声に、俺達は正面を向く、
 「待ってたぜ?」
 そこで立ち尽くしていたのは、銃を担ぎ持った赤トカゲ、
 「ここなら、分身も意味ねぇよなぁ・・・?」
 現れたのは、通路より左右に少し広めの場所、
 例えていうなら、罠を掘りやすくそれでいて余計なスペースの無い程度の幅、といったところか、
 壁が多少うねっていることもあり幅は一定ではないが、いずれにしても、罠をかけやすい場所だろう、
 そして、俺達の方に銃を向ける
 でも、この状況は俺達にとっても好都合、
 「オープン!」
 「おっと、ガキどもを守り切れると思ってるな?」
 いきなり上の方に大きな何かの影が?球状二つの黒い複眼に長い岩色の胴、透明な楕円の羽四つ・・・あれは・・・トンボか!?
 「ダブモンNo.95、洞窟保全のヤンマヤン ケイブヤン」
 羽の端々には防御用だろうか、岩石が並び、六つの足は左右に尖ったツルハシ、幅の広いショベル、岩をすくうバケットに変化しており、あれで洞窟が崩れた部分を掘ったり、岩をくみ上げたり叩いて押し着けたりするのではないか、
 それがこっちに飛んでくる!
 「ウィルピー!」
 「こっちはまかせてください!」
 カンテーラが上に飛び、ケイブヤンの前に立ちふさがる、ウィルピーはカンテーラと僕らの間にいる格好だ
 「おっと、プレシバット」
 ピピピ・・・どこかから聞こえた声が洞窟に反響し
 「身体が」
 「震えるです」
 一瞬、カンテーラとウィルピーの動きを止めた、
 しまった、プレシバットの音波か!反響を利用して二体に集中して音波を浴びせたんだな、
 その二体を体の角度を変えてケイブヤンが避け行き過ぎ、こっちに、くるっ!
 が、そこに鋼のハサミを持ったリスがハサミを振り回し、ケイブヤンの甲殻の一部を削りながら弾き飛ばし、
 そして、そのリスが俺達の前に降り立った
 「ダブモンNo.102、髪切りの理容リス、カミキリス」
 可愛げな雰囲気に全身が滑らかな薄茶色の毛で覆われ、丸耳の付いて少し前に出た顔にはクルリとした黒瞳がかわいく光り、
 丸くで突っ立った胴体には短めの手足に三本茶色の線の付いた柔らかな尾が付いており、頭の下部から腹、尾の裏にかけては毛皮が白になっていて、
 その身体には清潔感あふれる横留め式白衣をまとい、右手に鋭利な鋼のハサミを持つ
 ふぅ、先に召喚しておいてよかったぜ・・・
 思わず、額の冷や汗を右腕で思わず拭う
 と、コストだコスト、
 俺がチャージゾーンのカードを表にすると同時に画面にもカードが写った、
 まずは、俺がカミキリスのコストとして表にしたカード、アクアエレメンタルパワーフローにウィンドエレメンタルパワーウィングっと、
 そして向こう、ケイブヤンのコストは・・・ケイブエレメンタルパワーに犬払いの小熊 ガベアック、超音波の無線従事士 プレシバットか、
 あ、向こうの暗闇からヘッドフォンしたコウモリ、プレシバットが飛んで来た、
 画面にも改めてプレシバットのカードが写り、さらに空洞のその場所でのカードも出てくる、
 なるほど、一気にたたみかけようというわけか・・・
 でもそんな安易な考えは通用しない・・・!
 「ザリドール、援護するぜ・・・」
 「僕もいるですよ・・・」
 ザリドールがカンテーラとウィルピーの言葉を受け、前に跳ぶ、
 「飛んで火にいる夏のザリガニってかぁ!!」
 ワナリューが銃を向け、そこにケイブヤンも突っ込んでくる、前上二方向からの同時攻撃か!?
 二つの効果、でも、ケイブヤンの方は・・・
 「俺は、マルチエレメンタルパワーの効果を発動、ケイブヤンの効果を相殺する」
 「上は任せろ」
 カンテーラが今までより勢い良くケイブヤンに向かって飛び
 「シャドウブレイド!」
 思い切り左手の剣を叩き付ける!
 対して、ワナリューは銃の引き金を引き、
 ん、ワナリューの銃の引き金にかけた指が細かく動いた・・・?
 ザリドールが銃弾をマントで弾き
 「俺は、アクアエレメンタルピックブレイドで!ワナリューの銃弾を相殺!!」
 チュイン!!
 突如、ザリドールの右足が水の膜で守られ、何かがかするような音が響く、
 「っち、やっぱり二連発は安定しないな・・・変なとこに当たっちまった・・・」
 どうやら、ワナリューが無理やり弾を二連射したようだ、ただ、命中精度が悪かったらしい、
 その間にもカンテーラがケイブヤンを弾き飛ばし、
 いつの間にか、プレシバットの効果も発動して、ザリドールの方がパワーが下になっちゃったけど、向こうに使えるカードは無くなったな、よし、一気にたたみかけるぞ、
 「俺は、ザリドール自身の効果を発動させて、ケイブヤンのパワーを300下げ、3番に分身を召喚する、さらに、カミキリスの効果も付けてウィンドエレメンタルパワーウィングを指定し、パワーを500上げる!!」
 ザリドールの後ろから一気に水が噴出し、
 「おっと」
 ワナリューがザリドールの足元を銃撃する、すると、そこから真上に一気に指向性の爆発が、
 「天井に叩きつけられちまいな!」
 ザリドールが真上に飛ぶ
 「ならクッションでもどうだ?」
 その間に、カンテーラが一気にケイブヤンに接近して、天井まで弾き、
 ザリドールが上下反転、その足をケイブヤンに叩き付けつつ天井にはさみ、上からワナリューに跳ぶ
 「クッションにしては固すぎたかな?」
 と吹き出した下の水より分身が出現、分身と共にザリドールがワナリューに跳ぶ、今度はこちらが二方向からの同時攻撃、
 「また分身か、プレシバット!」
 ワナリューの指示により、プレシバットの超音波が飛ぶ!
 ピピピ・・・
 それによりザリドールと分身の動きが鈍る、
 ん?上から気流が・・・
 げ、ケイブヤンが一気に俺たちの方に向かってくる!
 この気流は叩きつけられたせいか、それよりも速くなったせいか・・・、
 「この・・・」
 「行きますです」
 カンテーラとウィルピーが飛び、ケイブヤンが一気に急降下
 「しまっ・・・」
 「たです」
 カンテーラとウィルピーの下を潜り抜け、一気に上昇、上から勢いをつけて襲い掛かり、
 ガッ!
 横からカミキリスの拳を受け吹き飛んだ、が、壁に叩きつけられる前に何とかバランスを整え上昇、
 そこにカミキリスが一旦着地しつつ左右の壁を交互に跳ねて上にいるケイブヤン向かっていき、
 対し、カミキリスに狙いを定め弾丸のように一直線に向かい体当たりを敢行するケイブヤン、
 「っと、忘れてた!ここで俺はカミキリスの効果で、ウィンドエレメンタルパワーウィングを裏側表示に!」
 カミキリスがはさみを携え、ケイブヤンが速度を上げ、互いに交差、
 ケイブヤンの装甲が斬り裂かれ・・・以前よりもスマートな姿となっていた!
 「へ?」
 「え?」
 「えぇ・・・」
 俺達があきれる中、ケイブヤンのが少し飛んで何かに気付いたらしく、ザリドールの呼びだした水流に近づきそこに浮かんだ自分のまじまじと見つめると、
 どこか嬉しそうに片前足を振り上げ、一直線に洞窟の入り口の方に向かって飛んで行った、
 カミキリスが得意げに右拳を横に出し親指相当の指を上げる
 何なんだ一体・・・
 その間にもワナリューの元にザリドールと分身が飛び、剣が突き出され、
 ワナリューが後ろに下がりつつ銃でさばき避ける
 「とっ、たっ、そこっ!」
 分身の足元を撃ちぬく、すると、その場所が崩れた!
 が、その前に分身が後ろに跳んで避けていた、さらにその勢いをバネに壁から上に跳んだザリドールと共に一気にワナリューに迫る、二度も三度も同じ手を喰らうほど甘い手合いじゃない!
 「ちぃ、しかたねぇ、大技、行くか、相手しろプレシバット」
 無理矢理左手でプレシバットを掴んで放りこんでくる
 「竜、いや、竜騎兵の炎を見せてやろう」
 ワナリューが炎を吐きそれが銃に吸い込まれていって、銃から、暗い洞窟全てが朱に染まるほどの炎が溜めこまれていく
 「あれ、喰らったらまずくない?」
 「まずい」
 「死ぬわね」
 その間にも、プレシバットがザリトールと分身の前に立ちはだかり、
 ピピピ・・・
 超音波で抵抗してくる、ええい!
 「ザリトール、カード使うから分身と一緒に突っ込んで、あれ止めて」
 ザリトールが首をかすかに縦に振る
 「俺達も上から」
 「了解です!」
 カンテーラとウィルピーが上に飛ぶ、よし、
 「俺はウインドエレメンタルインボルブの効果を発動、マルチエレメンタルパワーとカミキリスの効果で裏にしておいたウィンドエレメンタルパワーウィングをコストとし、プレシバットをトラッシュに送る」
 不意に後ろの入口から吹いた突風がプレシバットを遠くまで吹っ飛ばす、
 「今だ!」
 「今です!」
 カンテーラとウィルピーの同時号令によりザリトールと分身も突っ込んでいく
 「ちぃ、役に立たないか、だが・・・」
 しかし、ワナリューが間断なく銃身前に巨大な球となった火を溜めこまれた銃を構え
 「もうすでに火力は溜まってるんだよ、ファイア」
 銃の引き金が引かれた
 巨大な火球か発射され、ザリドールと分身を吹き飛ばす
 が、僕達に来たのは強烈な衝撃と水蒸気のみ、おそらく、ザリドールと分身が身を呈して守ってくれたのだろう、
 ゴゴゴ・・・
 しかし、辺りの壁床天井が振動している・・・
 ズシャシャシャ・・・
 細かい石や土が上から降り注できた・・・
 「これ、俺達生き埋めになるんじゃ?」
 「そんな感じだね」
 「ちょっと!誰かどうにかしなさいよ!!」
 これは・・・迷ってる時間は・・・
 「あばよ!」
 あ、ワナリューが逃げる
 「俺達も逃げるぞ」
 「賛成」
 「ウィルピー、カンテーラ、とっとと来なさい!」
 が、振動が大きくなり、上から岩が・・・
 間に合わない!
 ガショガショガショガショ・・・
 次の瞬間、入口の方から鎧の足音が響き渡ると共に、何かが俺達の上に跳躍、岩を真っ二つに斬り飛ばしつつ、着地
 「はっ!」
 右手を壁に叩き付けると同時に、振動が収まる
 一体何が・・・
 「あまり時間がありません、すぐに退避を」
 「てめぇ、ソダマモ!!」
 「ひさしぶりだなワナリュー!!」
 ソダマモと呼ばれたそれは一言で言えば鎧騎士だ、少し腹のあたりが大きいなれど全身を包む鋼の鎧、左手の鉄の上短六角盾に右手の両刃の剣、頭の兜の上には勇壮な赤いとさかなぞも付いている
 「俺を追ってきやがったか」
 が、以前からの知り合いであろうソダマモにも、ワナリューは遠慮なく銃を向け、引き金を引く
 「その通りだ、とっとと親父さんのところに帰れ!」
 それでもソダマモは盾で銃弾を防ぎつつ、その剣をワナリューに振り降ろす、
 その剣を銃で受けるワナリュー
 「アミマイも心配していたぞ、それに、怪我もしているではないか」
 「心配いらないさ、この傷を付けた奴も吹っ飛ばしてやった」
 「なんてことを・・・」
 いや、勘違いしてるみたいだけど、単なる水の分身だから・・・」
 「へっ、てめぇこそ自分の苗はどうした、あぁ!」
 「弟たちが世話を見ている」
 「へっ、だったら俺んところも妹に任せてもいいんだよな!」
 「だが、親父さんと絶交したままがいいはずないだろう、あんな怪しげな輩から依頼を受けてまで・・・」
 「けっ、そんなに聞き分けの聞く親父なら俺も苦労してねぇよっ!!」
 互いに一歩も譲らず、だが、ソダマモがワナリューを通路の横端に押し込む
 「何をしているのです、早く行ってください」
 「じゃあ」
 「お言葉に」
 「甘えて・・・」
 急ぎ、割れた岩の間を通り、
 「え、こっち?」
 驚くソダマモの裏を駆け
 「先いくぞ~」
 「です~」
 カンテーラとウィルピーとカミキリスと共に先に駆けて行くのだった・・・
 
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