バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

岩で鳴く音 ダブモン!!17話/15

岩で鳴く音 ダブモン!!17話15
 
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 「すまんな、ここを通すなと言われていてのう・・・」
 あのヤモリのダブモンの爺さんか・・・
 霧から通り道の中央に現れたのは、あの家であったあの老ダブモン・・・
 「こんなとこで何してんだよ!」
 「あやつから足止めしておいてほしいと言われてのう・・・」
 言いながら俺の言葉にとぼけるように少し上を見る老ダブモン、その様子に俺は言葉を続ける
 「あいつの考えてること、知ってるのかよ!」
 老ダブモンがこちらを細めて鋭い目で正面より見据える
 「知っておるわ、ここの里の人達のことを見たか?」
 いきなり怒ったようなを浴びせてくる・・・
 ここの里って、確か人間と魔族とダブモンが仲良くして・・・
 「今まで、この里は平和にやって来た、だがそれは女神と魔王が存在していたおかげでダブモンがこの里の味方をしておったおかげじゃ」
 それは・・・
 「じゃが、女神か魔王、どちらかが倒れ、意思が統一されれば他のダブモン達がどう転ぶかもわからぬ」
 「またあんたの力で守ればいいじゃないか」
 「わしにだって寿命はある、それに・・・」
 「それに?」
 なんだ?いきなりカンテーラの方を見る・・・?
 「そこのカンテーラのように、わしの力が及ばぬダブモンというのが実際には少なからずおるのじゃ、そこのカンテーラをはじめ伝説のダブモン達、それに、広範囲攻撃能力を持ったダブモン達にも歯が立たん、ここら一帯を一気に攻撃されたらおしまいなのじゃよ・・・」
 ・・・それは・・・
 俺が言葉に詰まる間にも老ダブモンはその目線を俺達全体を見るように戻し向け
 「それに、その時がもうそこに迫ってきているという・・・わしらはその均衡を取り戻さねばならんのじゃ!」
 一気に爺さんが手に持った杖を少し上げ地を突く!
 コォン・・・
 杖の木の音が響き渡ると同時に俺達の体を霧がまとわりつく
 「っつ!まずい!!」
 カンテーラが慌てた声を出してその手で俺の手を取った!?
 
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