バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

我はダブモン!我こそがダブモン!! ダブモン!!16話/14

我はダブモン!我こそがダブモン!! ダブモン!!16話14
 
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 緑のベレーと短いケープで下に緑の服と薄黄色のズボンをはいた茶の口ひげ生やす太った詩人と見紛うばかりの商人の衣装・・・
 「しゃーねーなー」
 カンテーラがしょうがなしに剣を突き出し
 「俺の名はカンテーラ、案内人とも呼ばれるダブモンだ、カードも見せてもいいぞ、この先に案内しろ」
 と、おっさんの顔が全体的にひきつってる、剣を突きつけられたからってわけでもないよな、突きつけられる前からこんな顔だ・・・
 「な・・・な・・・ぜ、案内人なら自分で・・・」
 「後顧の憂いってやつだ、誰か呼ばれても面倒なんでな」
 「う・・・ぐぐ・・・わ・・・わかった・・・」
 呻きながら商人を先にして、さらに奥に進む・・・
 先にあった岩の割れ目をくぐると・・・
 唐突に広がったのは先半分が地面に埋まった円柱状の遺跡・・・
 ここからは十本五組の柱が端から放射状に均等に配置され、中ほど二本を含む外側の七本は壁に埋まっており、俺達の正面の柱はものの見事に折れている
 「なんだよ、これ・・・?」
 が、俺はそんなことよりも中央に突き立っている青いクリスタルを見て目を見張った、
 心臓部に雷宿す、四肢の光の獣を封じた青いクリスタル・・・
 その光の獣は四肢と頭と尾を丸め、ただただ眠っていた・・
 ここまでくれば俺でもわかる、強烈な力が・・・!
 砂色のレンガで作られたその空間は上から日の光が差しているが、
 ここ以外の出入り口も一切なく、さっきの割れ目も偶然にできたもののようだし、出入りなど一切考慮されていないよう、
 おそらく、中央部に突き立っている青いクリスタルをいや、その中の獣を封印するための物だろう・・・
 「これは一体・・・あの欠片はあのクリスタルから・・・?」
 「そ・・・そうだ!あのクリスタルから削り取った破片を売っていたんだ!!」
 俺の不意に出た疑問に左手前のおっさんがこっちを向いて律儀に答える
 「やはり、あれだったのですね・・・」
 と、右脇にいきなり出現したのは女神様!?
 女神様が青いクリスタル、いや、その内部にいる獣を見上げ、
 眉をひそめた神妙な表情をしている・・・
 「何を知ってるんだよ」
 女神が億劫そうにゆっくりとこちらを見てくる
 「それは・・・」
 ピシッ!!
 青いクリスタルの方からの方から何かが割れるような大きな音が響き渡り、
 俺達がそちらを見ると、青いクリスタルの中央上から大きなひびが入っている!?
 ピシピシピシピシ・・・・
 そして、そのひびから細かいひびが広がっていく・・・
 「まずい・・・」
 女神の右手が焦りからか強く握られていた・・・
 
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