バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

煉瓦の聖都 ダブモン!!14話/09

煉瓦の聖都 ダブモン!!14話09
 
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 俺達も追うように階段に走る!
 「待って!!待ってください!!」
 レファンの叫び声が響くが、この先にあるものを知りたく足が止まらない、
 中は一本道だ、罠などもなさそう、
 埃っぽい薄灰色の地下通路、左右に着いた等間隔のカンテラの照らす先、
 そこにあったのはレンガで出来た奥に行くほど丸い半々球の丸い小さな礼拝堂、左右に計六つの長椅子がある、だが、女神像は無い、
 代わりに女神像があるはずの場所にあったのは横長の台の上に横倒しで置かれた飾り気のない一本の金属の剣・・・
 「見つけたぜ」
 「ええ、間違いないです」
 裁定の剣
 前方で剣見るカンテーラとウィルピーが同時に出した言葉に、俺達は戦慄した・・・
 そう、あれこそ、俺達が探し求めていたもの・・・
 「ふふふ・・・あははは・・・」
 ・・・アクリス・・・?
 そう、裁定の剣の右前にいるアクリスが、突如、右手で顔を抑え、狂気をはらむ笑い声を発し始めたのだ・・・
 「まさか、まさか、こんなところにあったとは!人間の手に渡っていないと考えていたが、こんなところに隠されていたとはっ!!」
 「アクリス・・・?」「アクリス?」「アクリス?」
 「気安くその名を呼ぶなっ!!」
 俺達三人の声を掻き消すように右手を振るったアクリスの体が紫の炎に包まれ、まるで外装を燃やすようにその姿が変わっていく・・・
 長い銀髪、黒い鎧、頭の左右から上に伸びた長い角・・・
 「・・・お前・・・アグニス!!」
 そう、そこにいたのは・・・魔族、アグニス!!
 「裁定の剣を狙って・・・!」
 「その通り!!だが!!」
 マントを右手で大きく翻す!そして、こっちに向かって歩き出した!?
 そして、俺達の横を通り過ぎていく・・・
 思わず俺達は振り返る
 「どういうつもりだ!!」
 アグニスが、どこか焦燥気味に振り返り返す、
 その顔は闘志の裏にどこか何か後悔しているようにも見えた
 「貴様らに見せてやるというのだよ、我ら魔族こそ、この地上を支配するにふさわしい存在だとな!!」
 「なに!?」
 「明朝!その剣を頂きに参る!せいぜい集められるだけ戦力を集め、全戦力で来るがいい!!そして、その剣はそこに置いておけよ?そうでなければこの街が崩壊すると知るがいい!!」
 そして、出入り口に向かって振り返り直し、歩いてここより去っていく・・・
 が、途中にいたレファンが、互いにすれ違った後で救いを求めるように、去るアグニスにその右手を伸ばす
 「アクリス・・・」
 レファンの痛恨の極みのような痛々しい声が聞こえる・・・
 が、アグニスは何も答えずにそのまま去っていく・・・
 その行動に、
 レファンは涙目のまま、黙ってその膝を地に落とした・・・
 
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