煉瓦の聖都 ダブモン!!14話06
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「これですよ!!」
レファンが開いた両手で指し示した先、店の左端壁際入り口側の本棚、そこにあったのは
「これ、全部マジックブック!?」
アクリスが目を輝かせる
「坊ちゃんがた、うちはレンタルですぜ・・・料金は・・・」
「これで二時間十人分ですね」
店主の気取った声にいつの間にかレファンが行ってカウンターに置いてしまう
店主はそれを見て、再び俺達の方を見る
「・・・毎度、二階使ってくれ・・・」
レファンが振り返り
「ほら、好きな本を持って、上に行きましょう!」
せかすように言った
ええっと・・・
皆が皆、適当に本を抜き出し右端の階段より上に行く・・・
上に行ったところ、窓から光差す中で広い、と言ってもこの店程だが、石床の広場にいくつもの机と椅子が間隔を空け置かれていた・・・
こちらも思い思いに・・・と言ってもパートナーと一緒だが・・・
座っていく・・・
ええっと俺は・・・
・・・すごろくか・・・
本を開いてカンテーラと遊んでみるも、ルーレットになっているだけでただのすごろくと何ら変わらなかった、
確かに面白かったが・・・
周りを見るとそれぞれ似たようなものだ、
だが、たった一つだけ違う席があった、アクリスとレファンの席だ
二人とも、純真無垢に楽しそうな声を上げ、笑顔で遊んでいる・・・
そうして、時間が過ぎていき・・・
「坊ちゃん方ー」
「あ!そろそろ時間ですね!」
レファンが店主の声に応えて階段に向かい降りていくのを機に、俺達も店に降りて本を本棚に返す
「毎度~」
そうして外に出る
と、店から右側の道を行き始めた時、アクリスが目の前のレファンに申し訳なさそうに
「あの、料金は・・・」
すると、レファンが振り返りもせずに
「いいですよ、僕が勝手に支払ったんですから・・・あ!それなら代わりに・・・」
「代わりに?」
レファンが振り返って笑顔を見せる
「この街を案内させてください!それから、お昼ご飯は皆さんのおごりってことで!」
「まぁ、それくらいなら・・・」
「決まりですね!」
レファンが楽しそうに笑う、アクリスがぎこちなくほほ笑む
しかし、なぜだろうか、二人から不穏な音が聞こえたのは・・・
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