バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

煉瓦の聖都 ダブモン!!14話/29

煉瓦の聖都 ダブモン!!14話29
 
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 っつ・・・体が・・・動かねぇ・・・
 「ふふふ・・・これで私の勝ちだ・・・」
 吹き飛ばされ倒れる俺達から離れるように、アグニスが刀をネクロスに預けながら背後に振り返り歩いて裁定の剣に近づいていく・・・
 「待ってください!」
 そこでフレェトがまっすぐの決意の目を持ちアグニスの前に出てきて遮る、アグニスが思わずその足を止めフレェトを見開いた驚き目で見る、
 「アグニス、本当にこれでいいんですか!?」
 アグニスが悔しそうに歯を食いしばる・・・
 「っつ、だまれ!!」
 言いながら迷いを振り払うように右手を大きく振るうが、逡巡するかのようにその足は止まったまま・・・
 そのまま、互いにまるで時が止まったかのように動きが止まる・・・
 と、黒い手が、フレェトを右の方に吹き飛ばす、その主は・・・ネクロス!?
 ネクロスは顔だけ右から後ろに向けアグニスをじっと見る
 「・・・」
 アグニスが悔しさとも吹っ切れと迷いの入り混じった表情を見せ
 「っつ、わかっている!」
 表情のままの声を上げ、
 そして、ネクロスが避ける中でアグニスが前進して剣の前で足を止め・・・その右手で剣を取る・・・
 剣を掲げつつ胸元にまで持ってきて両手で水平に支え、剣を両口角を震わせ上げながら見下ろす
 「ふふふ・・・これで・・・」
 「アグニス・・・」
 「・・・」
 フレェトの声にも一瞥すらせず振り返り、アグニスは歩いてこの部屋を出ていく・・・
 そこで、俺の意識は完全に途切れたのだった・・・
 
ダブモン!!十四話 煉瓦の聖都 おわり
 
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