煉瓦の聖都 ダブモン!!14話13
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「リチャージ!」
「リチャージ!」
「ドロー!」
「ドロー!」
ライフカードは残り2枚、これ以上、攻撃させるわけにはいかない、何とかこのターン、モンスターを増やして残し、3番への足掛かりにする・・・!
「セット!」
「セット!」
「オープン!」
「オープン!」
「来い!デヴァルチャ!!」
「ダブモンNo.163、砂嵐の遊砂民、デヴァルチャ!!」
巻き起こった砂嵐に乗り、上に飛ぶ一体の茶鷲
顔の後方に左右を覆う布の追加薄汚れた川の帽子をかぶり、複雑にうねった先の黒い黄色いくちばし、
濃いピンク色の肌を見せながらも茶色い羽毛に覆われ、両翼の端が白くなり、足は黄色く、目つきは悪い・・・
それが羽ばたきながらセグロミユを見て、狙いを定める・・・
「こちらはこれだ!!エビグルマ!!」
「ダブモンNo.169、人馬海老の海鮮飛脚、エビグルマ」
唐突に降った滝をX字に斬り裂き一体の馬と一体化したような基礎の騎士が現れた!
全身を覆う鉄の鎧の様な甲殻、頭は尖ったエビで、針のような四本の足と刃槍と化した4つの腕を持つ、
それが標的を見つけようと顔を左右に素早く動かしてる・・・
バルダナムの力を思い知るのはこれからだ・・・!
「デヴァルチャのコストにマルチパニシュシカルエレメントとダークスゥインドエレメントを指定!!」
「こちらはエビグルマのコストにブラックトラストトラストエレメンタル、スキップスナイプエレメンタル、ダークライトニングエレメンタル!だ!そして1番戦闘!!」
いきなりエビグルマの一本の足先から火花が散る!?
エビグルマがその足を上げると、そこからバルダナムが飛び出してくる!?
バルダナム、突然エビグルマの足の下から飛び出そうとしたせいでバルダナムのドリル先とエビグルマの足先が当たって火花が散ったのか!?
バルダナムが大きく旋回して地上に潜る・・・
さらに、続けてエビグルマの腹下より飛び出すも、
エビグルマの鎧が厚いせいか弾かれる!?
っち、やっぱり、単独じゃダメか・・・
「マルチプルエレメンタルパワー!」「おっと、エビグルマの効果で相殺!」
「バルダナムの『効果でエビグルマのパワーを900下げ』さらにマルチエレメンタルパワー!!」「ダークエレメンタルパワーで相殺だ!」
「デヴァルチャ!」「ダーククラシドエレメンタルパワー!」
「マルチグラドブラスエレメント!」
・・・
よし!
「『相手のモンスター、オーバー全てのパワーを100下げ、さらにカテゴリに属性という言葉を持つ自分のモンスターかオーバーがいるためパワーをさらに300下げ、さらにさらにコストにカテゴリに属性という言葉を持つリサイクルを指定できたため300下げ、計700パワーを下げる!!』!」
アグニスの目が驚きで見開かれる!
「何!?全体効果だと!?」
「その通り、行け、バルダナム!デヴァルチャ!!」
デヴァルチャが飛び、それを見たセグロミユが構えるも、
互いに突き出したくちばしで火花散らす一瞬の交錯の後すれ違い合う、そのままデヴァルチャは大きく旋回、
その先を狙いセグロミユが大きく翼を上下させ飛ぶ!
しかし、そこでデヴァルチャが羽ばたいて砂風が巻き起こり、セグロミユがその砂によってデヴァルチャを見失う!
羽ばたき続けるデヴァルチャによってこの辺り一帯を包み込むように巻き起こされる砂嵐、目をくらまし思わず右手右羽で目を覆うエビグルマとセグロミユ、
そこでエビグルマの背中を何かが通りすがりかすって砂嵐の中に突っ込む!
背後を見返すエビグルマ、そこにまた砂嵐の別方向から何かが弾丸のように出てきて
エビグルマの頭部をかすり砂嵐の中に入っていった、
それはエビグルマのみならずセグロミユの体に見事に命中し、セグロミユを落とし爆発させ、消滅させる!
それはバルダナムだ!
幾度も迫りくるバルダナム!
それを防ぐ術も無く体をかすらせられていくエビグルマ、
しかし、エビグルマもそれで終わりはしなかった!
唐突に後ろを向くと腕4本を交差させバルダナムの突進を真正面から受け止めた!?
あいつ、この短時間でパターンを読み切ったのか?!
しかし、時すでに遅し!
バルダナムの突進は幾多の攻撃で脆くなっていたエビグルマの四本の腕に次第にひびを入れ、
とうとう突破!
そのまま胸部に突き刺さり、これも攻撃で脆くなっていたせいか一気にひびを入れ突破、貫通し、エビグルマを爆発、消滅させた・・・
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