バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

観客のリローデット ダブモン!!13話/05

観客のリローデット ダブモン!!13話05
 
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 「違うっ!僕の弾きたい音楽はこんなんじゃない!!」
 劇場の小部屋で憤る少年・・・よく見ると、ピアノの楽譜を置く場所にずいぶんと空白の多い五線譜のノートが置かれ、そこに羽ペンで音符を書き記していた・・・
 へー・・・
 思わず近寄り見て見ると、ふむ・・・
 「うわっ!」
 と、いきなり俺の方を少年が目と口を見開かせ驚き向く
 「何なんだ君は!?」
 俺はすかさず少年を見て提案する
 「なぁなぁ、こういうのどうだ?」
 言って、俺の視線は楽譜に戻る、
 楽譜にかかれていたのは、明るい海、といった感じの曲だが、そういった物が見たことないのか表現しきれていない、
 いや、見たことはあるのだろう、しかし、それは砂浜どまりで大海までは表現できていないのだ、
 大海なら見てきたばかりだし・・・こんな感じで・・・
 俺はピアノに手を伸ばし・・・
 最初は楽譜通りに引きつつそこから流れるように大海へと移り、その先にある孤島、火山島、氷海、そう言ったところをめぐりまわるようにピアノを弾いていく、
 そして、大陸と大海と大空を混ぜ合わせたように、そこを命の鳴動と高鳴りを示すように・・・締め!
 ・・・
 ・・・
 ・・・
 辺りが静まり返ってしまった・・・
 って、誰か感想言ってくれい!
 周りを見ると、四葉と少年は驚きに口と目を大きく開き、
 カンテーラとウィルピーは理解できないといった風に目をしばたたかせていた
 「・・・す・・・すごい・・・」
 そんな中で声を上げたのは少年だ
 「あ・・・あなた、いったい何者なんです!?」
 思わず声の方に振り返り多少戸惑いながら
 「ん?まぁ、向こうで色々・・・」
 「あ・・・あの、今の曲、書いてもいいですか?」
 少年、声が震えてるが・・・
 「ああ、いいぜ」
 許可を出すと、少年は急いで五線譜にペンを走らせる・・・
 「・・・驚いたわ、あなた、ピアノ出来たのねぇ・・・」
 と、今度は四葉
 見てみると驚いた表情のまま口だけ動かし何とか声を紡いでいる
 「今の曲は?どこでピアノ習ったの?」
 「今は習ってない、色々あって辞めちまってな、こっちの方が楽しいから、こっちに専念してるんだ」
 「こっちって?まさか、今の曲、即興で作った・・・の?」
 何かを理解したように目を見開く四葉
 「ああ、そうだぜ、懐かしいな、師匠にピアノ習ってて、全然うまくならねぇの、それでさ、楽譜に落書きばっかして、それを師匠が引いてくれるんだ、勝手に書き足した音符を入れて引いてくれてさ、それでいつしか師匠に白紙の五線譜のノートを渡されて、それで書いたものを師匠が引いてくれたっけ・・・」
 「・・・ねぇ、もしかして・・・ハンドルネームとか持ってる?」
 「ああ、持ってるけど、それが?」
 「訊かせてもらっても、いい?」
 「バハ魔ン枢機卿っていうんだが、それが?」
 「っつ!?」
 いきなり四葉は言葉を詰まらせると、衝撃を受けたかのように急いで振り返って走り出し、部屋から出て行ってしまった、
 「四葉さん!?」
 慌てて追いかけるウィルピー、
 ったく、何だってんだよ・・・
 
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