観客のリローデット ダブモン!!13話26
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「うぬぅううう・・・」
ユードリットが倒れる
「少しやりすぎたか?」
カンテーラが見ながら言う
「まさか、ここまでとは・・・」
「おい・・・」
と俺は思わず呆れと不安が混じる声を上げ・・
る中でいきなりユードリットが立ち上がり、顔を大きく上げ
「はっはっはっ!同族よ!それでこそでなければな!!」
笑い言う
「・・・懲りてないな・・・」
と、まぁ、カンテーラが愚痴る中、向こうの師匠が俺の方に向かって来て、俺の目の前で立ち止まり、見下ろす
「いやいや、まさか、ここまでとはね、感じさせてもらったよ、君の信頼を」
「はぁ・・・そりゃどうも・・・」
実感湧かねぇなぁ・・・
「リコッド!」
リコッド?
「あ、はい!」
後ろの方から少年が駆けてくる
あ、一緒に曲作ってたあいつの名前か・・・
「早速、今夜の公演に君達の曲を組み入れよう、」そこでなぜか向こうの師匠が俺達に視線を合わせる「君達も聴いていくといい」
「それ!私達も聴いていい!?」
観客席から劇場に響いたのは、意外にも、四葉の声!?
声がした方を見ると、確かに四葉がそこにいた、そばにウィルピーも!
「いたのかよ!?」
「ずっといたわよ!」
「おお、これはこれはかわいい恋人さんだ」
向こうの師匠のおだてに四葉が顔を少し赤らめて向こうの師匠の方を見て
「ち・・・違うわよ!」
大声で否定する
・・・どう思ってるんだろ、本当は・・・?
なんて・・・
「とにかく、他にも旅の仲間が六人ぐらいいるの!」
「はっはっはっ!かまわないよ、席を取っておこう」
向こうの師匠が笑いながらそう言ってくれた、にしてもな四葉・・・
「そんなに見たいのかよ?」
四葉が戸惑うように俺の方に視線を戻し
「そ・・・そりゃぁ、まぁ、あんたの劇場デビュー作だしね」
そう言つつ視線を逸らす・・・
ふーん・・・
・・・
その日、用意されたのは二階部分左の壁端の集団席だった、
曲が使われたのは、決闘部分のほんの一部分、
舞台にいるのは城の緑ある広場のような書割にレイピアを向けあう貴族のような豪華な服を着た二人、
「なんか、いつもより大人しめだな?」
「良星君にしてはね~」
「共作なんだから向こうのエッセンスが入ってて当然だろ」
と、劇を見ながら兎白と鼓動と話す中で、右の視界の端に四葉が映った、
口をかみ合わせて震わせ、その目は逸らしたそうなそうでないようなような一身にこちらを見ている、
入りたそうなそうでないような気恥ずかしいようなどうしていいかわからなそうなそんな複雑を行き過ぎた表情をしている、
・・・そんなこんなあり・・・
「さぁ、行きましょう!」
翌日には俺たちは街を出て、レファンの先導で教皇庁の首都を目指すのだった・・・
ダブモン!!十三話 観客のリローデット おわり
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