観客のリローデット ダブモン!!13話14
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「あ!あの絵の具!」
俺は街角で見つけた絵筆屋に上げられた絵を見る、
下には筆や絵の具やパレットが並んでいる、どうやら、これを使って書きましたということらしい、
「ねぇ、行かせて良かったの?」
「何が?」
横に飛ぶフリィジアが絵を見たまま不安そうに声をかけてきた、
「なんていうかさ、相棒の正体に感づいてるみたいじゃない、四葉ちゃんの反応からするとそういうの隠してるみたいだし・・・」
「ああ、隠してるつもりではあるけど、トラブルを避けるためだし、四葉さんなら大丈夫だよ、みだりに人に話すとも思えないし・・・」
「ううん・・・そうじゃなくて」
フリィジア?
目を伏せた不安そうな横顔が僕の瞳に写る
「嫉妬しちゃうな・・・」
「嫉妬?」
どういうことだろ?
「だってさ、あの子は私の知らない相棒を知ってるってことでしょ?」
「そりゃまぁ、元の世界のことだからねぇ・・・」
「どうして教えてくれなかったの?」
「話すタイミングが無かったからね・・・」
「時々メモ取ってたよね、なんか、絵のアイデアのように見えたけど、でも、メモ以外に絵を描いたとこ見たことなかったのって・・・」
「向こうに帰ってから絵に仕立てようと思ってね、あんまり絵筆とか扱ったことないんだ、向こうに絵を描く全く別の道具があるからそれを使ってって感じ」
「そう・・・あの二人も知ってるのよね?カンテーラとかウィルピーは?」
「あの二人はもちろん知ってるよ、確かもうかれこれ二年以上の付き合いだし、カンテーラとかウィルピーは知らないと思う、あの二人が教えていなければだけど、でも、あの二人に関しては気にしてないの?」
「そりゃあ、あの二人は仕方ないわよ、私より付き合いずっと長そうだし、でも、あの四葉ちゃんとはあんまり違いそうにないのに・・・」
「ああ・・・」
だから嫉妬・・・か・・・
「あなたが絵を描いてるのもメモを見たことないのに知ってたし、その作品も見たことあるって感じだし・・・」
「だろうね・・・あの二人が何か出すときには僕も大抵協力してるから・・・」
「私!」
「ん?」
フリィジアが僕を見据える・・・
「絶対、あなたの世界に行って、あなたの描いた作品を見るから!!」
「え・・・あ・・・うん」
何気無く放った返事だが、僕は・・・何も決めてはいなかった・・・
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