バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

観客のリローデット ダブモン!!13話/11

観客のリローデット ダブモン!!13話11
 
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 また街の想定が変わっていく、文房具を売る店が減り、代わりに本屋と共に四角く窓の少ない、平たい台形を基礎とした切られていない薄灰色のレンガを積んで出来た大きな建物が増えてくる・・・
 と、後ろでウィルピーがそれらを眺め・・・
 「図書館みたいですね、あの大きな建物・・・」
 「図書館か・・・」
 そうこうしているうちに
 「あれ?四葉さん?」
 「こんなところで何してるんです?」
 と、前方より見知った声・・・
 レファンとアクリスだ・・・
 左手の本屋を見ていたような方向からこちらに気づいたようで前の方から歩いてきて立ち止まる・・・
 「ちょっと通りがかっただけよ、あなたたちこそ何してるの?」
 「この辺りにある図書館や本屋を見て回ってるんです」
 「そうです」
 「図書館?」
 「この辺りの図書館は教皇庁が管理しているもので実質一つの図書館の別館みたいなものですから、本館は教皇庁の首都にあります」
 「とまぁ、アクリスが意外に詳しくてですね・・・」
 「そうじゃなくて、本屋に行くんじゃなかったの?そんな口ぶりだったから・・・」
 「ああ、図書館にもマジックブックの関連書籍があったりするんですよ、魔術の研究書籍とか、こっそり書評が書かれていたりとか」
 「そういうの教皇庁じゃ御法度じゃないの?」
 「そりゃ、危険度が高い本は封印指定ですけどね、首都じゃないですからそこまで厳しくはしてないですよ、そもそも、それ目的で作った街でもありますし」
 なるほど・・・
 「そういえば、良星君と一緒じゃなかったの?」
 「一緒に行ったと思いましたけど」
 「ああ、うん、ちょっと考え事したくってね・・・」
 そう言いつつ私の頭に不意に二人に訊きたいことができ、二人、アクリスとレファンを正面から見る
 「ねぇ?」
 二人は状況を飲み込めていないような少し瞳孔を小さくした目で私を見る
 「ん?」
 「はい?」
 「二人は・・・もしも、相手に対して意外な事実がわかったりしたらどうする?」
 「・・・どうですかね・・・」
 「・・・その時はその時・・・といった感じでしょうか?」
 なぜか見えない少し苦い感情が混じってるような・・・
 「そ、ありがと、じゃあね、楽しんでね、ちゃんと後で集合しましょうね、その時はダブモンの誰かが飛ぶと思うから」
 「わかってるよ」
 「ええ、それでは・・・」
 「じゃ!」
 右手を挙げて離れる合図をし、私は振り返り少し街の中心部から離れるように走る、少し訊きたいことができたのだ、あの女に・・・
 「あの、レファン?」
 「何でしょう?」
 「・・・本当に看過できない隠し事が僕にあったら・・・君はどうする?」
 「・・・やめましょう、そんな話は・・・」
 「そう・・・だね・・・」
 「ええ・・・」
 そんな少し暗い声を後ろに聞きながら・・・
 
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