ダブモン!ダブルカードモンスター!!12
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ボシュ!
何かが弾ける音がしたと思ったら、ケルベンドの両肩の顔が砂のケーブル付きで射出された!
「ちょっ!」
そしてそれは俺が驚く中で俺の左右にいた兎白、鼓動に向かって飛ぶ!
「でぇぇえええ!?」
「僕達ぃいいい!?」
驚きつつ後ろに走り・・・砂達がさらに内側から先回りしていく
「このっ!」
「わわわわわ・・・」
仕方無く外側に走る二人、だが、俺は気配を感じて正面に振り返り直し
「俺はこいつかよ・・・」
いつの間にかケルベンド本体が俺の前に立っている姿を見た
思い切り大口を開け、振り降ろしてくる
「とっ!」
後ろに少し跳び避ける俺、目の前で地面の上を噛むケルベンド・・だが待てよ、別にこいつをどうこうする必要は無い、隙を見て向こうの階段に飛び込んでしまえばいいんだ、
幸い、後ろの出入り口はこいつが腹を引きずるぐらいまで姿勢を下げてようやく通れそうな位、前はさらに狭いが、どうにかしてこの部屋に入ったのか隠し通路でもあるのか、
いずれにせよ、そんな姿勢で階段がある場所を動くのは無理があるはずだ、あの砂の頭も俺たちの行く方には入れそうにないしな・・・
「じゃ、俺は見守ってるから~」
カンテーラが上、天井スレスレまで飛んで行く、
ちくしょう、やっぱり飛べる奴は・・・
が、突如として、ケルベンドがカンテーラにその口を伸ばし、噛みついていく!
「なっ!?」
ガチン!
カンテーラは少し後ろに飛んで避けていた、ううむ・・・
「っち、俺の亡霊特性が仇となったか・・・そういや、奴らは生息域上、亡霊も喰らうからな・・・仕方無い」
すると、カンテーラが俺の方に降りてきて
「力を貸してやる」
「いいのかよ?」
「力を貸すなとは言われていない、喰われるよりかはよっぽどましだ」
そこにケルベンドが一気に噛みついてくる、思わず左右に分かれ跳ぶ俺達、
「カンテラブレイズ」
と、カンテーラのカンテラから盛大に炎が吹き出し、ケルベンドを焼き焦がす!
あいつ、あんな攻撃技使えるのか!?
が、ケルベンドは意に介さずにカンテーラに噛みついて行く、カンテーラは何とか上に避け
「パワー差がありすぎる!」
一人ごちた
ううむ・・・どうすれば・・・、俺以外の奴らは逃げ回ったり対峙したりで深く考えられるような状況にないし・・・
ん?足元に砂が・・・あいつの二つの頭のケーブルから零れ落ちたやつか、なら、一か八か・・・
両手で砂を固め持ち・・・
「こっちだ!」
ケルベンドの顔がこちらを向く、そこに、両手の砂を吹っかけた!
ケルベンドの両目に命中し、一瞬全体の動きが止まり、そこにカンテーラがカンテラを叩きつけて行く、
が、寸でで後ろにそれを避けた!
「気配を察知されたか!?」
カンテーラが言い放ちつつ、ケルベンドが砂を首を振って取り去ろうと
「こいつも、」
「持ってけぇええ!!」
左右から兎白と鼓動の声、すると、いつの間にかそいつらが追いかけられていた砂で出来た犬顔を大きく上に持ち上げていて、それを放り投げた!
それらは放物線を描き、ケルベンドの顔に叩きつけられた!
「クワォオオ!!」
「今だ、カンテーラ!」
「オーケー相棒、カンテラハンマーァアアア!!」
上空から加速を着けて振り降ろされたカンテラは、ケルベンドを気絶させるには十分な威力を持っていた
「今だ、走れ!!」
「おー!」
「おー!」
「おー!」
そんな中で俺達は、急いで奥の階段を駆け上って行くのだった・・・
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