海の街と鮫 ダブモン!!11話26
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「どうだっ!これで引き上げるだろ!!」
が、海賊は頭を上げて体勢を立て直しつつなおも得意げに両腕を組む
「ふはははっ!そんな簡単に引き上げると思うか!?こっちにはこの大艦隊がいるんだぞ!!」
フリィジアが海賊を見据えたまま
「相棒、今の私なら全部「おやおや、物騒なことになっているが?どうやらお困りのようだな・・・」
そう声が聞こえたとたん、海賊の前を青い影が横切り、海賊のカード二枚を口で奪取し、
それはカードを口で上に放り投げヒレに持ち直しつつこちら側まで泳いできた、それは、潜水艦を引き連れた鮫・・・
「ま・・・まさか・・・ダイブシーク!?」
そう名前を言い放った途端、海面よりそれは鮫顔を上げる
「そ、あんな奴にこのカードを」言いつつカードを持つヒレを上げて振り「渡したつもりはなかったんだが・・・」
その言い様に、海賊が一瞬言いよどみ「ぐ・・・」つつ目じりを怒りでか上げ
「なんでもいい、今はわしのもんだ!」
が、すかさずダイブシークは海賊の方に振り返り
「おっと、そうはいかん、俺たちのカードを使うんだ、俺たちの正式な許可か、その力量が無ければならんよ、ま、返してほしいなら、俺を追ってくるんだな、」と、ダイブシークの目が横より俺の方を向いていく「それで・・・だ」そしてそのままダイブシーク自身が俺達の方を向く、俺は思わず応える
「なに?」
「簡単な話だ、俺のカードに勝ったお前さんの願いをかなえてやろうと思ってな、無論、俺の力の範囲内でだが・・・」
やっぱり・・・
「それじゃあ・・・」と僕は海賊達を見ながら右手人差し指で指し「あいつらを追っ払って!」
「お安い御用だ、そおれ!!」
あ・・・
言うが早いか・・・ダイブシークが振り返りつつもの後ろの潜水艦たちが魚雷を発射、それが奴らの下で爆発し、船が木っ端みじんに、
「そらよっ!」
さらにダイブシークの目前で起こった津波が、それらすべてを飲み込んでいく・・・
「ダイブシーク様、ありがとうございます」
い、いきなり下から声が!?
俺達が驚きそちらを向く中で、
ダイブシークは悠然と声が聞こえた島下の方を向いて見る
「よぉ久しぶりだな、ミナトヘッド、どうだ、人間たちとの生活は?」
「すこぶる快適でございますよ、私に食料を届けてくれたりもするので・・・」
食料・・・そうか!あの大量の魚、よその港の分だけじゃなく、この町を頭に持つミナトヘッドが食べる分もあるのか!?
「積もる話もあるがそれはまた今度だ、先に海賊たちをどうにかしないとな、」と、ダイブシークの顔と視線が俺たち全員の方を向く「んじゃ、あいつらはどっかの町に届けておく、なぁに、心配いらんよ、あの津波も町に迷惑はかけないように撃ったし、海賊たちもちゃんと生きたまま牢屋にぶち込んでやるって、じゃあな!!」
「あ・・・」
こうして、ダイブシークは津波を追うように去っていき、途中で合流してサーフィンのように下胴から上に乗って水平線の向こうに消えていく・・・
そうやって翌日、俺たちはとうとう、教皇庁があるという島に到着する・・・
岩だらけの殺風景な原風景に簡素に石を削って積んで作られた長い通路の突き出ただけの簡素な港、荷下ろしなどされていないところを見ると、単に教皇庁に行きたい人を降ろすだけの場所であるようだ、
海岸沿いの遠くに煉瓦製の崩れたボロ屋が三つほど見えることから、昔はこの辺りにも人がいたんだろうか・・・?
「っつ・・・」
「どうしたのウィルピー?」
後ろの方、鼓動とイグリードの向こう側でウィルピーと四葉さんの声がする、
見ると、なぜかウィルピーが頭を押さえていたが、すぐに離して四葉さんの方を見た
「いえ、なぜか違和感が・・・気のせいでしょうかね?」
「んじゃこれからどうする?」
今度は前の方、先に降りていた良星の声、そばにはカンテーラ、レファン、アクリスもいて、円陣を組むように向かい合っていた
「そうだなーとりあえず、教皇庁の中心地まで行ってみたいな・・・」
「それなら、皇庁教会ですね、ええっと、」レファンがアクリスの方に顔を向ける「アクリスは・・・」
対し、アクリスもレファンの方を向き「僕もそれでいいよ」
アクリスがほほ笑む
「よかった、ここでお別れだと寂しい気がしたので、ではいきましょう」
レファンもどこか安心したような顔だ・・・
と、そこで、良星が俺達の方を見て、
「お前たちもそれでいいか!?」大声を上げた
「いいよ!」「相棒がそれでいいなら私も!」
「僕も!」「俺もだ!」
「私もそれでいいわ!」「私もそれでいいです!」
カンテーラ、レファン、アクリスが横目で見る中でやはり大きな声で答え
「なら決まりだな!!」
良星が了承を取った安心感を感じる声を出し、
こうして、僕たちは新たな地へと進んでいくのだった・・・
ダブモン!!十一話 海の街と鮫 終わり
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