バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

海の街と鮫 ダブモン!!11話/17

海の街と鮫 ダブモン!!11話17
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 先の壁下にあった穴に飛び込む!
 ズドン!!
 横になった円柱のような、さっき追いかけてきていたものが、穴の外壁に引っ掛かり、止まる、
 ふぅ、助かった・・・
 で、ここは・・・?
 周りを見渡すと、ただだだっ広い部屋に見え・・・あ!
 向こうの方、半円状に作られたスペース、いかにもって感じで斜め上からさす光の中心、
 円柱状の台座の上に、これまたいかにもって感じで金縁の木箱が置いてある!
 「宝箱だ!」「宝箱だ!」「宝箱だ!」
 「本物かしら?」
 「やったね!」「やりました!!」
 疑念の声をかき消しつつ俺たちは宝箱に向かい、その蓋を開ける!
 そして、宝箱の中を覗き見る!
 ・・・なんじゃこりゃ・・・?
 よく出来ました!
 ・・・とまぁ、こんな意味の文字が刻まれた木の板が、
 ご丁寧に人数分入っていたのである・・・
 ・・・
 俺達四人が押し黙るも、
 アクリスとレファンは微笑んだまま・・・
 そういえば、ダブモンたちが洞窟に入ってしばらくしたあたりからおかしな動きを・・・
 「カンテーラ!」「フリィジア!」「イグリード!」
 「ウィルピー!」
 四対の目が申し訳なさそうに上へとそれる
 「いやぁ、その・・・」「だって、」「なぁ・・・」
 「気分を壊す気にはなれなかったですからね・・・」
 と、フリィジア達が目線を戻し、こっちに飛んでくる・・・
 「だって、ここ、ミナトヘッドの頭の上だぜ?天然の洞窟なんぞ、出来るわけないじゃん」
 「入ったときからあからさまに整然としすぎてたのよねぇ、洞窟にしては変な分岐とかもなかったし・・・」
 「危険な動物や虫なんかも見かけなかったな・・・」
 「ですです」
 言われてみれば・・・
 ウィルピーが頭を上下に振って締めつつも俺たちは訊き返していく・・・
 「じゃあ、今までのトラップは!?」
 「あんなもん、子供たちの安全を考慮しつつ緊迫感を出すためのもんに決まってるじゃないか」
 だから地面が妙に柔らかかったりしたわけか・・・
 「でも、さっきの円柱は・・・」
 「兎白・・・こっちこっち」
 と、フリィジアがさっき出てきた穴の方で手招きしている・・・
 俺は思わずそこに近づき・・・
 「何?」
 「触ってみて」
 この円柱を・・・?
 思わず触ってみると・・・
 「何だこれ?ものすごく柔らかい上に軽い、押したら向こうに動く・・・じゃあ、さっきの音は・・・?」
 「どっか、べつのところからわざわざ出してたんじゃない?」
 な・・・
 「じゃあ、最初の縄のところは!?」
 「ああ、あれな、暗くて見えづらいけど、すぐ下に透明な網みたいなものがあって、そこに受け止められる仕組みになってるんだよ、そのすぐ下に地面もある」
 ええ・・・
 「もしかして、アクリスとレファン・・・?」
 二人が申し訳なさそうよりも楽しそうな笑顔を浮かべ
 「いやぁ、まぁ・・・」「割とすぐに気づいてまして・・・」
 なるほど、最後の方通りであんなにはしゃいでたわけだ・・・
 「とりあえず・・・」
 そんな中で良星が再度宝箱の中に目をやる
 「どうすんだ、この板・・・」
 「もらっとけもらっとけ、島のやつらがせっかく用意したんだ、もらったって罰当たらんだろ」
 フリィジア達の分は僕たちの鞄に入るんだけど、ま、いっか・・・
 そうして、良星がみんなに配る・・・
 「こういうものを仲間と一緒にもらうのは初めてです!」
 「僕もですよ!良い思い出になりそうです!」
 そういって、アクリスとレファンが笑いあう、
 そういうもんかね?良星と鼓動と付き合い長いせいで、俺はこういうの何回かもらったことあるんだけど、ま、いいか、
 「で、ここから出るにはどうすれば?」
 「ほら、あそこ」
 見てみると、ここから見て入ってきたところの反対側に、下り坂があった・・・
 下り坂を降りていくと先に光が見え、
 さらに歩くとまるで森の中に左手に上り坂があるような場所に出る、
 その先に行くと、さっきの洞窟の入り口に出る・・・
 「なるほど、ここに出るわけか・・・」「そうだね」「ああ」
 洞窟の中を見ると、子供達が走り回ったり、水場で遊んでいたりしていた、そういえば、港にいた子も多い、朝は店や漁の手伝いをしてたのか、どうりでさっき誰もいなかったわけだ・・・
 さらにそれを見守るさっきのトカゲのダブモン・・・
 「あいつ・・・」
 ダブモンがこちらに目をやる
 「よぉ、楽しかったか?」
 「お前・・・」
 「ああ、俺はここの管理者の一人だよ、驚かせて悪かったな、少し悪い癖が出ちまったんだ、旅人は珍しくないが、それだけの人数、子供ばっかりっていうのは珍しくてな、ついつい」
 おいおい・・・
 ズドン!!
 港の方からだ!!
 なんだ!?爆発音!?
 
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