バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

海の街と鮫 ダブモン!!11話01

海の街と鮫 ダブモン!!11話/01
 
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 「がはははっ!とっととどいた方が身のためだぜ!!」
 目の前で笑うのは海賊、黒いひげを蓄え、黒灰色の幅広の海賊帽に四角に配置された四つボタンの重厚なコートの海賊服をまとったいかつい顔をした海賊だ、
 衣類には黄色いふちが付いており、帽子の中央にはしゃれこうべに斜め交差の骨を描いた海賊旗がついている・・・
 それが、海を挟んだ先の、黒い帆を張る横方向の巨大な木の海賊船より見下ろしているのだ・・・
 「そっちこそ、引いたらどう?この島は襲わせないよ?」
 「相棒の言う通り、絶対にここは引かないわ!」
 「はん!いっちょ前に言うじゃねぇか!!リチャージ!!」
 「リチャージ!!」
 「ドロー!」
 「ドロー!」
 一番手は・・・
 「相棒!」
 俺の右肩の上を飛ぶ飛び切りキュートな氷の精霊型ダブモンが向こうを見ながら声を出す、ちょうど手札もある・・・!
 首を微かに縦に振りながら俺は答える!
 「うん!」
 互いに1番とチャージゾーンに裏側で・・・置く!
 「セット!」
 「セット!」
 1番のを・・・表に!!
 「オープン!」
 「オープン!」
 「フリィジア!!」
 「ダブモンNo.199、雪降り染めの氷彫師、フリィジア!!」
 フリィジアが前に出て、その槍を優雅に振るい、
 その槍より振り落とされた氷の粒子が海を欠片と凍らせる
 「ならわしはこいつだ!カマシギョ!!」
 「ダブモンNo.291、かましの追い出し屋、カマシギョ!!」
 少し細長い体躯の銀の魚が海面より飛び出し、海に戻りつつ頭だけ顔を出し横からじっとこちらを見る・・・
 左右のヒレが少々長い・・・
 いや、それよりも今はカードバトルを進めよう!
 「俺はフリィジアのコストにアイスエレメンタルパワーを指定!」
 「わしはウォータースラッシャーエレメントだ!」
 「1番戦闘!!」
 「1番戦闘!!」
 「さぁて・・・」
 カマシギョ見据えるフリィジアが浮遊しながら前に出る・・・
 すると、向こうの海面のカマシギョが頭を引っ込めようと
 「逃がすか!!」
 槍を突き出し冷気を放出するも、カマシギョはその前に海中に引っ込み、そこを冷気が襲い凍り付く、
 しかし、凍ったのはごく表層の一部のみ、カマシギョはその下を海底に向かって行き見えなくなる・・・
 「ぐぬぬぬ・・・」
 潜っていくカマシギョを見て歯を食いしばり悔しそうな表情を見せるフリィジア・・・
 フリィジア・・・どうする気だろう・・・?
 そこにカマシギョがいきなりフリィジアの真下より飛び出す!
 「うどわっ!」
 慌てて避けるフリィジア・・・
 やはりカマシギョは海面に落ちた後に海底へと潜っていき姿を消した・・・
 「この・・・致し方ない・・・」
 しかし、槍の穂先を額に当てるように槍を縦に構え目を閉じ集中する・・・
 何だ・・・何する気だ・・・
 「水よ・・・風よ・・・合わさりて氷にならん・・・」
 辺りを風が巻き、海の水が集まっていく・・・
 「少し疲れるけど・・・」
 そういって、精神を集中し・・・
 「そこっ!!」
 いきなり氷の光を宿した槍を突き出し、その光で海中を凍らせる!
 「手ごたえあり!!」
 槍を上にあげると、槍につながった氷の柱の先に中に、見事にカマシギョがつかまっていたのだった・・・
 「ここで私は潜水後いきなり飛び出しエレメント!を発動!カマシギョで3番戦闘だ!!」
 カマシギョがいきなり大音を出し、氷を砕く!
 「んなっ!?」
 フリィジアが驚く間にも、カマシギョは俺の方に跳んできて、至近距離より口を開けて向け、大音と衝撃波を出した!
 「ぐっ!!」
 思わず両腕を交差して防ぎ
 「このぉ!!」
 その間にも、フリィジアが飛んできて、氷のバットと化した氷の槍を振りかぶり、カマシギョを空の彼方へとかっ飛ばす!
 カマシギョは空中で爆発、消滅した・・・
 「大丈夫!?兎白?」
 いたわるようにフリィジアが俺の方に来て、目じりを少し下げた心配そうな目で見る
 「ああ、これくらい大丈夫」
 「ふはは!!軟弱なガキめ!!」
 海賊が笑う
 「このぉ!!」
 フリィジアが海賊の方に厳しい視線を向けた
 「絶対に成敗してやるわ!ね、相棒!!」
 俺に向けた微笑みさえ浮かべた自信のある顔・・・
 「あ、ああ!」
 俺は戸惑いながらも自信を奮い立たせるように答える・・・
 後ろにいる、いつものメンバー、それに、レファンとそのそばに立つアクリス、それから島の人々にこの島、
 皆を守るために、負けるわけにはいかない!!
 
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