バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

旅の日々と騒動の日々と・・・ ダブモン!!10話/11

旅の日々と騒動の日々と・・・ ダブモン!!10話11
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 「やられた」
 「うぇええ」
 「ううむ・・・」
 胸を張り、私は三体を見据え
 「さ、約束を果たしてもらおうかしら・・・」
 すると三体は微かに後ろを見る
 「出てこい・・・」
 「大丈夫だろ、たぶん・・・」
 「傷けられるようなことはないと思うぜ・・・」
 先ほどのラデグーが塊のような草木の影から出てくる、
 その顔は少し俯き意気なく
 「あ・・・あの・・・僕・・・驚いちゃって・・・」
 「私たちも、不意に追いかけたのは悪かったわよ」
 「ですねぇ・・・」
 「それで・・・僕に何の用?」
 「ちょっと、思いついたことがあって・・・」
 私たちは大きな木が一本生える見晴らしのいい丘まで移動する
 「ここまで来たら大丈夫かしら・・・?」
 「それで?何の用?」
 「ん?こいつの充電頼めないかなって・・・」
 私が取り出したのは、携帯用のバッテリー、スマホと分離しているから、これを充電させれば、万が一があってもスマホの方にまでダメージが行くことはない、
 もっててよかったわー・・・
 「これですか・・・?」
 するとラデグーがそれを見つめる・・・
 「でも、充電って、雷当てりゃあいいんですか?」
 「違うわよ!できる限り弱い電気から初めて、徐々に徐々に強くね・・・」
 「大丈夫ですかねぇ・・・」
 「失敗してもこれが壊れるだけだから問題無し!」
 と、バッテリーを指して言う私
 「取り合えず、このケーブルの先に当ててみて」
 危険だから、みんなは真似しないように!って、誰に行ってるんだ私は・・・
 「じゃあ、とりあえず、目にも見えない弱い奴で・・・」
 ケーブルの先の金属にでその右前足を当てるラデグー
 すると、一発で充電ランプが付いた!
 「やった!そのまま大体30分くらい・・・」
 「えぇぇ・・・これ結構操作大変なんですよ・・・」
 などと文句を言いながらも、なんだかんだ、40分くらいかけてランプは消えた
 「ふぅ・・・疲れた・・・」
 「ありがとね!」
 早速、スマホにつないで、イヤホンで
 しかし、ウィルピーがこちらを少し体を傾けた不思議そうな目で見て
 「でも、それで何するんですか?電波繋がらないとか言ってたじゃないですか」
 「電波繋がらなくてもダウンロードした音楽は聴けるでしょ」
 そうして、私が選んだのは、風鳥歌語理・・・ううん、今気分をへこませたくないわ・・・
 音楽をかける・・・
 背中を木に預け、端々に街が見える雄大な森の景色、実に気分がいい、
 さらにはこの曲は元気が出る、今までの旅の疲れが吹っ飛びそうだ・・・
 「なに聞いてるんです?」
 「聞く?」
 ラデグーが疲れたのか眠りだす中で、ウィルピーにイヤホンの片方を渡す、
 「・・・いい曲ですね、元気が出て・・・」
 「でしょう?バハ魔ン枢機卿って人の曲なの・・・」
 「バハ魔ン枢機卿?」
 目の前に広がるは大きな青空・・・
 「私ね、風鳥歌語理さんに他にいい曲探しなさいって言われてたどり着いたんだけど、元気いっぱい貰ったの・・・風鳥歌語理さんの曲もだけど、こっちはそれよりも純粋なパワーに溢れてて・・・」
 「風鳥歌語理ってあの・・・?」
 「うん、殺されちゃったの、病気に見せかけて」
 「ええっ!?」
 大げさに驚くウィルピー・・・
 「しかも犯人が事務所の社長で、って言ってもわかんないかな?要は私達の雇い主で」
 「だから、女神さまに死人は生き返らせられないって聞いた時、固まってたんですね・・・」
 「そう、で、そんなこんなの時にあなたと出会ったの」
 「風鳥歌語理さんの事情は分かりましたけど、ええっとその、バハ魔ン枢機卿って・・・どういう人なんです?言っちゃ悪いですけど、ずいぶん変な名前・・・」
 「ああ、この名前はハンドルネームよ、よく楽曲を作ってネットにあげてるの、ほかにも三人で組んで動画を上げたりとか」
 「三人・・・?まるで・・・」
 私は微かに首を横に振り、私とウィルピーの頭の中に浮かんだ三人ではないと否定する
 「あいつらとは違うわよ、あいつら、ネットにコンテンツを上げたこともないでしょうよ」そして、首を止め
 「はて・・・まぁ、はぁ・・・確かに、そんなとこは見たことないですけど」
 なぜか煮え切らないウィルピー
 「偶然三人で組んでるからって同じにされちゃたまらないわ」
 「まぁ、確かにそうですね」
 もっとも、私はバハ魔ン枢機卿さん達の素性は何も知らない、
 きっと、今もネットに動画を上げているのだろう、帰ったら、絶対見てやるから!
 
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