ウルフォス 1
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泥満ちる水の抜けた湖の中、たくさんの人が泥にその足を入れ、竿の付いた網で魚を捕獲したりしている・・・
泥に浮かべた水入り桶などに移し替え、それを地上に移送したりしていき、あたり一面それが終わると、俺は遠くにいた先生のもとに走り、報告する、
「先生!こっちのほう、一通り終わりました」
黒いタンクトップに膨らんだズボンを着て、頭に焦げた麦のような幅広の麦わら帽子をかぶった年老い日焼けした少し精悍な初老の顔が振り返る
「ああ、バント君、それじゃあ、向こうの方行ってくれるかな?」
先生が俺の左後ろの方を向く
「はい!」
そして、指示された通り俺は人手の少ない方に泥に足を取られながらも網を肩に置き浮かばせた桶を引いて地道に歩き、移動していく・・・
俺の名前は学狼、伴人(ガクロ バント)あの日焼けして麦わら帽子をかぶった、在来、守(ザイライ マモリ)先生の弟子だ、
まぁ、弟子って言っても、実態は助手みたいなもんで、
こうやって、先生に仕事が来たり、何か調査するときにお手伝いとして付き従っている、
先生の研究は大変なもので、人手がいる時も多いから、
先生と俺の専門は外来種研究、こうして、近頃流行のテレビ番組に呼ばれて、お手伝いすることも多い、
俺はまだまだ未熟だから一人で外来種を取る許可は出ていないけど、いつかきっと、先生みたいに立派に外来種駆除や、そのお手伝いをしたいと思っている!
今回の仕事はもちろん、この池の調査だ、テレビ番組でね、
いや、この池もいっぱい外来種がいて大変なんだよ、でっかい魚とか、でっかいタニシとか、でっかい亀とか・・・
ズドォオオオオン!!
いきなりあたりをとてつもない振動が襲う!!
なんだ!?地震か!?
「キシャオォオオオオン!!」
辺りに響き渡る大きな声、右手の池向こうの上空、聞こえた方を見ると、そこには、岩石をまとったような直立二足歩行の怪獣が立っていた・・・!?
太いしっぽ、短いが凶悪な爪の生えている前足、辺りを威嚇するような眼力と、鋭い牙生えた口・・・
「キシャオォオオオン!!」
大きく体を回し再度放たれる咆哮・・・
「何だあれは・・・怪獣・・・!?」
強烈な咆哮の振動に思わず右腕で俺は自身を守る・・・
ぐ・・・間違いない、さっきの声はあいつの・・・
それが、右前足の方に足を前に出し、そこにある怪獣の身長よりずっと低い山を崩し、重さにより地響きを起こしながら遠くに見える住宅街の方に進んでいく・・・
あ・・・あんな奴が住宅街に入ったら、間違い無く町が壊滅する!?
「や・・・やめろぉおおおお!!」
思わず叫んで走り出す、しかし、距離は遠ざかるばかり・・・くそ!俺には何も・・・
が、あれは・・・戦闘機!?
数十機の灰色の戦闘機が徐々に近づいてきて、旋回しながら機銃とミサイルを幾多も吹きかける!
しかし、効いた様子は無く、うっとおしく思ったのか怪獣が飛行機の方に向き、いきなり口より炎を吐く!
最初は間一髪避けた戦闘機だったが、怪獣はそのまま空を薙ぎ払うように炎を吐き、飛行機達を爆発させ次々と墜落させていく・・・
そこに、上空より大きなミサイルが・・・
やめろ!ここには民間人もいるし、街も近いんだぞ!!
怪獣にぶち当たり巻き起こる轟音と爆炎、思わず右腕で自身を守り目をつぶる俺、そして、様々に両腕で防御姿勢を取り目をつむる周りの皆・・・
・・・光と熱が収まった・・・
・・・目を開いた時、周りを見回すと、何とか街も俺達も被害はなさそうだったが、怪獣は悠然と立っていた・・・
・・・これじゃ・・・本当に何も・・・
「見ていられないな・・・」
聞こえたのは若々しくも重々しい声・・・
いきなり、目の前が真っ白になると、白い空間の中に光の白い球が見えた・・・
「お・・・お前は・・・」
「本当は人類がどうにかできるなら手を出すつもりはなかったのだが・・・今は時間が無い・・・」
さっきと同じ声・・・もしかして、さっきの声の主・・・
「まさか・・・この状況をどうにかできるのか!?」
「選べ!命を賭してこの状況を救うか、それとも、今ここから逃げ出すか!!」
思わず右こぶしを握り倒す!
時間なんて・・・無い!
「俺はみんなを救う、この命、賭けてやる!」
「よく言った!」
すると俺の右手の平に光が収束し・・・狼人の像のついた手持ちの柱が現れる・・・?
なんだこれは・・・?
「あれは、岩石性宇宙外来種、ガンドゴン」
思わず声発した光の方に視線を戻す
「宇宙外来種!?」
さっきの怪獣のことか!?
「哀れなものだ、宇宙人に改造され、もう故郷の星にも戻れない・・・」
「そんな・・・そんなのって・・・」
ゆるせない・・・!
「あれに地球の兵器は効かない、見ていただろう?万が一も考え見守っていたが、これ以上は見ていられない、さぁ、その手の物を掲げろ、人のいないところでな・・・」
気が付くと、元の場所にもどっていた・・・泥の残った池の上に・・・
夢かと思ったが、正面には怪獣、右手に確かに狼人の像が乗った柱が・・・
「伴人く~ん」
背後から聞こえた声は聞きなれたもの
「先生!?」
思わず振り返ると、先生は左手をメガホン代わりにしながら右手を大きく振っていた
「伴人くん、早くここから逃げなさい、私は他の人たちに言ってくるから、じゃあね!」
先生も他の人のところに行く・・・言われてみれば、人が少なくなっているな・・・よし人気のない森に入って・・・
水の抜かれた池から上がり、池のそばから離れた森の中の木の裏で、手のものを掲げる!
すると、巨大化し、その姿を現した、
白銀の毛皮、鉄の爪、頭中央には黄金の毛髪、胸には一房の上に向き上がる硬質の毛が・・・
体長はガンドゴンと同等、そして姿は・・・これは・・・あの柱の狼人・・・
柱や衣類が消えて、この姿に・・・
「ワォオオオオ!!」
ここからは私が代わるぞ・・・
な・・・!?
一気に走り込み、ガンドゴンにこの右手の爪を叩きつける!
やすやすと斬り裂ける、この爪はこいつごときに防げるものではない・・・
「何だあれ・・・」
「怪獣の仲間か・・・?」
「でも・・・戦ってるぞ!?」
下の方から人々の声が聞こえるが、そんなことは知ったことではない・・・
「グギャォオオオオ!!」
ガンドゴンが怒ってこちらを向き炎を吐きかけてくるが、この毛皮はやすやすと燃えはしない・・・
両の腕を交差して力を溜め、解放しつつ大きく吠える
「ワォオオオオオオ!!」
衝撃波で相手がひるむ間に一気に下より蹴りかかる!
足の爪によって相手を斬り裂き、返す刃によってもう一撃、
そこから体全体を回転させ手の爪で二撃叩きつけ相手をひるませ飛ばす・・・ここだ!
口内に空気を吸うようにエネルギーを溜め・・・
「ワォオオオオオオオオオオオ!!」
一直線に解き放つ!!
光がガンドゴンを貫き、爆散させた・・・
・・・
気が付くと、木の裏に戻っていた・・・
今のは・・・夢・・・?
森から池の方に出ると、怪獣はいなくなっていた・・・
右手にはしっかりあの柱が・・・一体、どういうことなんだ・・・?
その日は先生と合流し、警察などからの事情聴取を受け、家に帰った・・・
が、その翌日、先生から受けた言葉に、俺は驚きを隠せなかった
「伴人くん、宇宙外来種駆除隊に一緒に入らないか?」
登場!ウルフォスピラー!
掲げてスイッチで変身!!
「ワォオオオオオ!!」
長押しで必殺技!!
「ワォォォォォオオオオオオ!!!!」
DXウルフォスピラー!
分離して、アクションフィギュアに!
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