バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

スマートフォンサイコパス/1

スマートフォンサイコパス 1
 
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第1話 気付き
 
 お誕生日、おめでとー!!
 「ありがとー!」
 両親に祝福され、私は丸いテーブルに乗った
 ホールショートケーキの上に立つ十七本のろうそくについた火を吹き消す
 ふっ!
 私の一吹きで蝋燭の火は揺らめき消え
 「それじゃ、電気付けるわね!」
 少し母性を感じる母のその一言の一瞬後、あたりは白い光に照らされる、
 中央の丸皿の上のホールケーキは白いクリームでコーティングされ、
 上にはクリームで作られた端の堰の中に所狭しと苺が並び、
 その隙間に煙立つ色とりどりのろうそくが並んでいる、
 ケーキの周りには六つほどの大小の皿の中に
 食べた後の残りの鳥の骨やサラダのトマトのヘタが散乱しており、
 漆の箸も乗っている
 前の二方向に座るのは私の両親、
 左側に座るのは眼鏡にの奥につぶらな瞳持つ私の父だ、
 既にしわが刻まれた顔に緑のセーターで厚着をしており、
 薄くなった黒髪を七三分けにしている
 反対側にいる優し気な女性は母、
 茶のミドルボブに目じりの下がった優しい顔つき、
 その下には白いセーターに青と白のチェックのエプロンを付けている、
 「そうだ、これ、プレゼントだ」
 父が差し出してきたのは
 透明なパッケージに入った・・・緑色の・・・スマートフォン
 思わず両手に取り声を上げる
 「わーっ!ありがとう!!」
 「はっはっはっ!前から欲しがっていただろう?」
 「うん!」
 笑顔を見せて首を縦に振りつつ急いでパッケージを開ける、
 確かテレビで言っていた最新機種のはずだ・・・
 「それじゃ、ケーキ切るわね!」
 私はすかさずに母の方に笑顔を向け
 「ありがとう、お母さん!!」
 ・・・そして、翌月・・・
 鏡に映る校章付きの薄緑色の上着と白シャツと赤リボンと青スカートの
 ブレザー制服を着た、
 私の少し切れ長の目の長まつげと、
 スマートと言われるような顔立ちにかかる
 中央分けの長い黒髪を前にかかっているのを軽く直し、
 学校に出るために自分の部屋の扉を開け、右手の階段を降り、
 そこで左手側から来た濃い灰色のスーツを着た父と鉢合わせる
 「お父さん、おはよう!」
 「ああ、おはよう」
 そこで私は昨夜に決意した言葉を切り出す!
 「ねぇお父さん!スマホ、もう一台買っていい?」
 「どうしたんだ急に?誕生日に買ってあげたものがあるだろう?」
 思わず不満の声を漏らす
 「ええー!?いいじゃない!前のも大事にするからー」
 父が戸惑うように引きながら目を瞬かせ
 「いや、そういう問題じゃなくてだな、ほら、お金とかがかかるだろう、
  本体代以外にも通信費用とか・・・」
 「ふぅん・・・つまり、お金があれば良いわけ?」
 「まぁ、そうだがなぁ・・・」
 「ふぅん・・・あ、学校、行ってきまーす!」
 「え?あ、ああ、行ってらっしゃい・・・」
 言いながら右手を挙げて玄関の方に走り、玄関のかぎを開け外に出る
 「それじゃ、いってくるよー!」
 「行ってらっしゃい!」
 母の声と共に続けて出てきた父が玄関にカギをかけたのを確認しつつ
 お金・・・お金かぁ・・・でも、誰かに指示されてっていうのはなぁ・・・
 
                        オープニングテーマ 水鏡の天秤
 
                        ♪いま、傾きはじめる、天秤は~
                             濁り無き水程水平に~
                            濁りある水となりし時~
                         かぁたぁむぅきぃは~じめる~
                               ♪~♪~♪~♪~
                               ♪~♪~♪~♪~
                         あなたの水は綺麗でしょうか?
                      私の水はけ、が、れてますでしょうか
                      あなたの水と、つりあいます~ぅか?
                        だけどおなじだけのけがれなら、
                          きっと、つ、り、あうはず~
                   ああ・・・ああ・・・ああ・・・ああ・・・
                             あなたの罪と私の罰~
                        あなたが下がり、私が上がってく
                         いずれつりあったその時はぁ~
                         あなたは~世界から壊される~
                         裁きのときは・・・来ぃ~た~
        あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
                               ♪~♪~♪~♪~
                               ♪~♪~♪~♪~
                                   ♪!!~
 
 「ねぇねぇよもぎちゃん!聞いてよ、おねぇちゃんが刑事になったんだって!」
 
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