バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

オリジネイトスター/6

オリジネイト・スター 6
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 初めて走るレース場に俺のバイクのエンジン音がうなる、
 立体交差付きのオフロードコースにただ一人独走する俺のバイク・・・
 最終コーナーを曲がってアクセル全開で最終ストレートのゴールに飛び込んだのだった・・・
 「マコトさん!7位じゃないですか7位!ギリギリですよギリギリ!!」
 「しょうがねぇだろ、初めて走るコースだったんだから!」
 「は、ランクアップにはまだ早かったか?」
 ところ変わって観客席下のピットエリア、俺の走りに整備士二人はいつもの調子、
 ま、初めてのコースで俺の調子も整い切ってなかったのも事実なんだが・・・
 「ともかく、決勝戦には出られますから、そこで挽回してください、よ!」
 右人さし指を思い切り指してくるコウ
 「わーってるよ、絶対挽回してやるからな、見とけよ~」
 対してこっちはじっくりと右人差し指を突きつけてやる
 睨み合いになる俺達に水を差したのはおやっさんだった
 「そういえばコウ、知り合いから機械に強いもん送ってくれって言われたんでな行って来い」思わず口尖らせた素っ頓狂顔でおやっさんの方を向くコウ
 「え?僕がですか?」
 「こいつがかよ、大丈夫か?」
 「少ないが駄賃もでる、そういえば、若いもんも一人欲しいといっとったの、マコト、お前も行って来い」
 ・・・そんなわけで、後日、コウと一緒におやっさんの知り合いの工場にまで、俺達は行ったわけだが・・・
 コウが何かの機械のネジを締めている・・・
 鉄の平たい台の乗った台座に迂回するかのように上に湾曲した鉄のパーツの先に台の方に向くようにドライバーの先が付いている
 いや、ドライバーじゃなくて何かの噴出口のような・・・
 「これで終了っと・・・」
 「お、悪いねぇ・・・これを作った会社が潰れちゃってて、修理できる所どこも無くて困ってたんだ」
 と、コウの後ろ横にいる青色のつなぎに帽子をかぶったガタイのいいおっさんがコウにそう話しかけた、そして、コウがおっさんに嬉しそうな笑顔を向け
 「早速試してみてください」
 おっさんがコウにそう言われ、台についたボタンを押し、機械を動かす、
 きちんと動いているようだ・・・
 「さすがあいつの弟子だな、それに比べてあいつは・・・」
 と、俺の方に視線を向ける、悪かったな、機械に詳しくなくて!おかげで荷物運びでトラックにもろもろ積み込んでるよ!!
 「いいんですよ、あの人はレーサーですから!」
 「レーサー?なるほど、ガタイは良さそうだな」
 「ほら手伝い!とっとと行くぞ!」
 「わかってるよ」
 俺よりも一回り大きい本当にガタイのいい筋骨隆々の兄ちゃんに促され荷物を運んで行く、まったく・・・
 う・・・うわー・・・!
 なんだお前はーっ!?
 ん?なんだ?
 「いったいどうしたってんだ?」
 すると、入口の方から工場の人達がなだれ込んできて、そのまま後ろに逃げて行く・・・
 「コスモスターを持っているのは誰だぁ・・・?」
 その入口の方より現れたのは、鳥のくちばしに後ろに広げる尾を持つ黒い怪人!?
 「あれは・・・」
 「なんだお前は!」
 と、おっさんが怪人に向かって行く、
 「なんだお前は・・・?」
 「私か?私はここの工場長だ、仕事の邪魔をするならとっとと出て行け!!」
 「工場長?それなら知っているな、コスモスターを持つものを・・・」
 「コスモスター?そんな物は知らん!」
 「知らないのなら用はない」
 怪人がその腕を叩き込む
 「がはっ!」
 おっさんの頬が切れ、吹っ飛ぶ!
 「工場長!」
 思わず背打つおっさんにコウと共に駆け寄り引っ張り込む
 「大丈夫か?」
 「大丈夫ですか?!」
 戸惑うように俺達に泳ぐ目を向けるおっさん
 「あ、ああ・・・」
 「ぬ、貴様・・・工場長と言ったか・・・?」
 なんだ?怪人の目が疑問に満ちたものに・・・
 「その反応・・・コスモスターを持っているな!!」
 なに!?工場長が・・・!
 「そのコスモスターを寄越せ!!」
 「コウ!工場長を連れて逃げろ!!」
 言いつつ俺は前に出る!
 「マコトさんは!?」
 「お前らが逃げ切ったら俺も逃げるよ」
 「わかりました、あ、こんな話を知ってますか?」
 「なんだ?」
 「黒い怪人に襲われた時は白いヒーローが助けに来てくれるらしいですよ」
 「ああそうかい、期待せずに逃げるよ」
 「あはは・・・それじゃ、後で!」
 工場長とコウの気配が遠ざかり、無くなった
 「さて・・・白いヒーロー・・・やりますか!!」
 「チェンジ!!ミスリル・スターァアアアア!!聖なる銀の鎧を身に纏いし「行くぜ!」
 「来い!」
 広げた尾から放つ光弾を避けつつ一気に近づき拳を叩き込む!
 「これならどうだ!」
 至近距離からの角度を変えた光弾を一端下がって避けてそのまま蹴りを叩き込む
 「がはぁ!」
 思ったより弱いな、これならどうにか
 「おっと、調子のいいところ悪いが、これを見てくれないか?」
 後ろから聞こえた声に背後を振り返ると、横の大入り口から黒い奴が足に工場長を掴み飛んできた、
 あれは・・・バットナー!?
 「お久しぶりだね、さて、彼の命が惜しければ少しおとなしくしてもらおうか」
 その間にも怪人がバットナーの方に移動する
 「だが、お前らだって工場長の命は奪えないんじゃないのか?」
 「その通り、だからヒーローを倒して絶望してもらおうかとも思ったが、あまり信頼しているようでもないし、この様子だと絶望してもらえそうにないからね、だからこうさせてもらうよ、パボル、辺りを破壊しなさい」
 「了解!」
 と、怪人がその辺りに光弾をばら撒いていく!
 「や・・・やめてくれ!!」
 工場が光弾で壊されていく・・・壁やそこらに立て置かれた木材だけならまだしも、工具類、それも、さっきコウが修理したものまで・・・
 「てめえらぁ!!」
 が、俺の怒声にもかかわらずバットナーはぶら下げた工場長の方を見て
 「おや、ここまでやっても心が闇に染まらない?コスモスターが出ないとは・・・ふむ・・・」
 バットナーが疑問に思いつつも周りを見回し
 「ん?あのダンボール群は何かな?」
 バットナーが見つけたのは工場奥に積まれたトラックに持っていく途中だったダンボールの山!
 途端におっさんの顔色が目を瞬かせた慌てたものに変わってバットラーを見上げる
 「そ・・・それだけは・・・それだけは勘弁してくれ!!」
 「ほほう・・・」ダンボールを見つつ返事を返すバットナー
 「工場と道具はまた作り直したり新しく買えばいいだけだが、従業員とお客様の信頼だけはっどうあっても取り戻せないんだ!!」
 「ならば・・・やれ!!」
 怪人がダンボールに向けて光弾を打つ、次の瞬間には体が動いていた
 「ジェミニストライク!!」
 もう分身が現れ、俺達はダンボールの前に走り込み、全ての光弾を体で受け、ダンボールを守り切る!
 「ジェミニ・ドッペル・ゲンガー!!」
 しかし、分身は消えてしまった・・・
 「ほほう、その身を盾にして守り切りましたか、だが、二回目はなさそうですねぇ・・・やれ」
 怪人の羽に光が満ちて行く・・・くそ・・・これまでかよ!
 だが、守るんだ・・・俺の身を盾にしてでも・・・みんなの願いを!
 立ち上がり、怪人を見据える、分身が無い以上、一か八かこれしかない、すなわち、怪人に突進して、全ての光弾を受けつつ、倒す!!サターンアームに変身する時間も惜しい!!
 「うぉおおお!!」
 走り出したその瞬間、おっさんのコスモスターの光と、俺の二つのコスモスターがさっきコウが修理していた機械に・・・
 「な・・・なんだ!?」
 その機械から飛んできたカードメモリが俺のデジタルウォッチに?!
 周りが戸惑い動きが止まる・・・今だ!!
 「蟹座、魚座水瓶座!!」
 今度は機械の方が飛んできて、受け取る俺の手の中で剣と化していく!?
 「それがどうした!」
 怪人が光弾を放つ、俺を避けてダンボールを攻撃する外角ギリギリのコース、だが、
 俺は、身体が水のアーマーで包まれる中で剣を振り回して剣より伸ばした水刃で全て切り裂いた!
 周りから響く光弾の爆発音!!
 「チェンジ!!マキュリーィイイブレーーーーイド!!」
 「なんだその姿は!?」
 それは、端がいくつも渦巻きか羽のようにくるくると巻いた半透明の水のアーマーを各所に付けた姿、
 鎧を完全に覆う水色に、スーツのいくつかもスーツに着く白いパーツからの水色に覆われ、イメージカラーが完全に水色と化している
 右手の剣は白の基礎に根元から水流れる様に先が細くなっている白と半透明なクリアブルーに彩られた両刃の西洋剣となっている
 「その吹き出す水はただただ薄く、鋭くッ、水刃により灰燼に帰す剣の使い手・・・マキュリーィィィイイイブレーーーーイド!!」
 「ええい人質がぐはっ!」
 人質云々言い出したので、伸ばした水刃でバットナーを一突き
 「逃げろ」
 「あ・・・ありがとう!」
 落とされた工場長が急ぎ逃げて行く・・・
 「だが・・・二体を同時に相手できるかな?貴様を倒し、コスモスターを奪ってくれるわ!」
 怪人の光弾とバットナーの中位のクリスタル弾、だが、俺が前進しつつ振り回した水の刃でことごとく叩き落としていく・・・
 「くそっ!!」
 バットナーが力を溜め始めた、以前の大弾を出す気か!?だがその前に・・・
 デジタルウォッチの画面をPUSH!
 「マキュリーブレイドフィニッシュ!!」
 怪人とバットナーを伸ばした水の刃で一刀両断!怪人が爆発し、水晶化した!?
 だが、バットナーは・・・
 「ちっ、今回は引いてやろう・・・」
 力を溜めていたためか全くの無傷でそのまま飛び去って行ってしまった・・・
 ・・・そして・・・
 レース場で俺は思う存分アクセルをかっ飛ばしていた、
 二度目だからなのか、調子はいい、
 最終コーナーも見事に鋭く曲がり切り、
 ・・・ここだ!
 バイクをまるで流水のようにねじ込みながら、ゴールを駆け抜けたのだった・・・2位で
 「二度目のレースで二位なんてすごいじゃないですか!」
 「は・・・お前さんじゃまだまだという事じゃの」
 「言ってろ!」
 で、その後、やっぱりピットでいつもの調子の会話を繰り広げていた
 「やっぱりマコトさんは頼りになりますね、もっとも、あの怪物からはすぐ逃げたみたいですけど」
 「立ち向かえないもんはどうにもできないだろ、あの場は逃げるのが最適解なんだよ」
 といきなり電話の音が・・・
 「ああ、失礼」
 「おやっさん宛て?」
 おやっさんがくたびれた鞄から少し大きい古めのスマホを取り出し、耳に当てる
 「ああ、ああ、そうかそうか」
 そして、切って、微かに俺たちの方を向き
 「コウ、マコト以前はありがとうと、あの工場長の奴からじゃ」
 「いえいえ」右手を振って謙遜するコウ、しかしな・・・
 「俺なんて、単に荷物と瓦礫運びしただけだって」
 「僕だって、損傷酷くて修理できない機械いっぱいありましたよ」
 俺の方を向き謙遜なのか気遣いなのかよくわからん台詞を吐くコウ、
 まぁ、しゃあない、あのウォーターカッターは元に戻ってたが、それ以外はなぁ・・・
 「すぐに工場は再開できるそうじゃよ、で、また縁があったら頼むとな」
 「もちろん!ですよね!!」
 「ま、必要なら行くさ」
 笑顔でおやっさんに返事をした後すかさず俺に返事を求めるコウをそう言ってあしらいつつ、
 俺はレースのために外していたデジタルウォッチを付け直したのだった・・・
 
 新たなるメモリをその手に・・・
 「チェンジ!!マキュリーィイイブレーーーーイド!!」
 全てを斬り裂く水の剣!!
 「その吹き出す水はただただ薄く、鋭くッ、水刃により灰燼に帰す剣の使い手・・・マキュリーィィィイイイブレーーーーイド!!」
 「マキュリーブレイドフィニッシュ!!」
 DXマキュリーメモリー!!
 
 DXマキュリーブレイドソードもよろしく!!
 
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