オリジネイト・スター 20
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ゴールテープを駆け抜けピットに戻る
「今日は調子いいですね・・・怪我は?」
「何とかな」
「治ったばかりなんだから無理するでないぞ?傷口が開いてはかなわん」
「わーってるよ」
「ああ、そうだ!あのウォッチ!」
なに!?
思わずコウを見る
「何かわかったのか!?」
「本社の人が、もしかしたら、南光粒子研究所に行ったら何かわかるかもしれないって言ってました」
「な・・・南光粒子研究所?」
「はい!噂だと、国立粒子研究所に勤務していた人がいたとかいないとか、その国立粒子研究所の人たちと共同研究した際に、似たような波長のエネルギーを見たような見なかったような、とか言ってました!」
「南光粒子研究所だな?」
「はい!」
「ここが南光粒子研究所・・・」
白い四角いブロックが組み合わさり、ところどころに縦長の窓があるような研究所だ・・・
「その話、本当なんでしょうね?」
「嘘だったら承知しない・・・」
とまぁ、マホとアストも一緒なわけだが・・・
「俺も人から又聞いただけだっつーの、行ってみなきゃ分かれねぇだろ!」
「っていうかあんたら怪我は大丈夫なわけ?」
「ああ、前言った通り何とかな救急車呼んでくれてサンキューな・・・」
「これぐらいの怪我など日常茶飯事だ」
「まぁ、大丈夫ならいいけど・・・」
マホの呆れた声が響く・・・
そんなこんなで受付から、専門職という人のところまで案内される・・・
そこは地下、窓の向こうに巨大なパイプが通っている部屋で、他にも白衣来た人達がいる中で、そいつは安っぽいキャスターと背もたれ付き椅子に座りながら一角を自身のパソコンと資料が雑多に置かれた鉄臭い机で支配していた
「始めまして、要件を聞こうか?」
四角い眼鏡で白衣を着た、ぼさぼさの茶色の天然パーマを後ろでまとめた緑のベストと黄色いネクタイの白衣姿の若い目の男
「あんたは?」
「杉本 可慶(スギモト カケイ)、あまり人には会いたくないのだが、良質なエネルギーがあると言われてね、一応、粒子エネルギーの専門家で通っているものでね・・・」
「こいつだ・・・」
俺は自身のウォッチを外し、その人に渡す
「ふむ・・・失礼」
すると、立ち上がって机のすぐ横にある壁に埋め込まれた電子レンジのような機械の蓋を開けてウォッチを放り込む
「解析機だよ、スキャンするんだ」
俺の疑問を先回りしたかのような台詞と共に、レンジ型機械の内部で一直線の縦緑の光が左から右に走る・・・
「ところで、これをどこで?」
「買った」
「俺はダークマターと戦ってたらいつの間にか持ってたな・・・」
どういうことだよ、俺が金出して買ったもんと色が違うとはいえ同じもんをなんでアストはいつの間にか持ってたんだ・・・
「買ったって・・・一体どこで・・・?」
すると、可慶せんせの目が机の上のパソコンの画面を見て丸くなる・・・
「な・・・なんだこのエネルギー量は!?これだけのエネルギーを持っていてただの腕時計にしか見えないなんて・・・」
いや、一応高い金出して買ったデジタルウォッチなんだけど・・・
「それにこの波長・・・コスモパーティカルのものと似ている・・・」
コスモパーティカル・・・?
「その中に入ってるのはコスモスターっていうものなんだが・・・コスモパーティカルっていうのは一体なんだ?」
「それは僕が国立粒子研究所に・・・ゴホンゴホン!!」
いきなりむせる可慶せんせ
そして、俺たちの方を向いて力のないわざとらしい笑顔を浮かべ
「いや、友人から聞いた話なのだが・・・」
「なぁせんせ、隠し事したいのはわかるが、できる限り腹割って話さないか?俺達も腹割って話すからさ・・・」
「すまないが、それはでき・・・」
ズガン!!
「なんだ・・・爆発・・・?」
せんせが右手の窓前の研究員たちの方を見る
「おい!粒子加速器は・・・」
粒子加速器?もしかして、あの窓の向こうにあるやつが・・・?
白衣の一人がせんせを見返し
「いえ、起動していません、問題もありません」
「よかった・・・」
安堵の声を上げるせんせ
「おい、起動してないなんて見りゃわかるだろ、なんでそんなに粒子加速器のこと気にしてんだ」
俺の言葉に気が付いたように俺達の方を見直すせんせ
「それは・・・」
「がはぁ!!」
なんだ!?入口の方から・・・白衣の研究員が吹っ飛んできた!?
そして、続けて入り口から出てきて俺たちの方を見たのは見慣れた犬顔・・・ビクドグ!!
「ようやく見つけたぜ・・・住家せんせ・・・」
「お前・・・ビクドグ!!」
「あ?なんだお前らもいたのか・・・だが、今回はそっちが先だ」
と、ピクドグの視線がせんせの方に向く、
「だ・・・誰だ!?それに、なぜその名前を!?」
そういや、杉本可慶せんせを住家って・・・
「ああ、国立粒子加速研究所の資料を元に探してたからなぁ・・・」
俺たちの非難の目が一斉にせんせの方に向く
「どういうことだよ、なんでそんな偽名を・・・」
「あーあーこっちが先に話していいか?ブレイザの話によるとな、もしかしたらあんたがマザーブラックホール様の拘束を解く方法を知ってんじゃないかって・・・」
「お前!マザーブラックホールとどういう関係なんだ!?」
せんせの怒号に満ちた疑問の声
「教える気も知る必要もねぇよ、こっちの質問にだけ答えてくれればいいんだ、さ、拘束は解けるのか否か、教えてもらおうか?」
「12の封印は我が師の最後の傑作だ、あれを解く方法は私でも知らない、師もいない以上、あれが解けるのは300年後だ!!さぁ、帰ってくれ!!」
「ああそうかい、残念だな、だが帰るわけにはいかねぇな、なんせ・・・あんたからコスモスターの匂いがするんでな!!」
ビクドグが向かってくる!!
「マホ!せんせを頼む!」
「わかった!!」
「ここは俺たちが!」
「食い止める!!」
俺はレンジを開けせんせに預けてたウォッチを掴み、つけなおす!
「チェンジ!!ミスリル・スターァアアアア!!」行くぜ!」
「チェンジ!!プレーンドアストォオオ!!」行くぞ!!」
俺たちが殴り掛かる間に、マホがせんせを連れて外に出る!
「おい待て!」
「待ちやがれ!!」
「待て!!」
「天秤座、蠍座、乙女座、チェンジ!!ヴィナスミステリアス!!「待ちやがれ!!」
そんなこんなで、逃げるビクドグを追う俺たちはいつの間にか研究所のコンクリートで覆われた中庭のような場所に出てきていた・・・
「ちぃ!しつこいな!!」
そこでビクドグは立ち止まり、俺たちの方を見据える!!
「こうなったらお前らからコスモスターをいただいてやる!!」
「やってみるがいい」
アストがさらにウォッチにカードメモリを入れる!
「牡羊座、山羊座、魚座!チェンジ!ジュピターァアアサンダーァアア!「お前などに負けはしない!!」
「それではこれならどうかな?」
「そのとおりですねぇ・・・」
な!?上からとんできたのはバットラーにブレイザ!?ブレイザが着地し、バットナーは宙空に浮く、だが、あいつらが持ってる中に機械が入っているような顔全てを覆うような黒いマスクは・・・?
「幹部そろい踏みってわけか・・・」
「面白い、いずれやらなきゃいけない相手だ・・・」
「いえいえ、あなたの相手は私達じゃありませんよ、出てきなさい!!」
すると、左手の建物の影からモヒカン付きの鉄兜に立派な鎧なのに腹筋を出したようなダークマターが現れる・・・だが、また体から電撃のようなエネルギーを帯びている・・・?
「またあれが相手か・・・?」
「無視して幹部連中からやるぞ!!」
「おやおや、そうですか?では私がやりましょう・・・」
すると、ブレイザがその髪の毛であいつを刺した!?
体から黒い霧が上に出ていく!?
「っちぃ!!」
「仕方が無い、やるぞ!!」
「お待たせしました~」
「ピピロピポポロポ」
お!ちょうどいいところにS-NN301と白に青ラインのロボットが・・・この研究所の騒動を聞き付けてきたのか!?
が、ダークマターの黒い霧がダークマターに戻っていくと思ったら、ダークマターの各部が金色で強化された状態に!?
「な・・・なんだあれは?!」
「ほっほっほっ!これこそ私の研究成果の結果、さしずめ、マッドダークスターとでも言いましょうか・・・」
が、ピクドグの目が非難するようにブレイザに行く
「おい、俺の鍛錬のおかげであのエネルギーを制御できるようになったんだぞ、名づけるなら、マッスルダークマターだろうが!!」
なに!?ビクドグの鍛錬で・・・!?
「そんなことを言い争っている場合ではないだろう、行け!ペルウス!!」
バットナーの指示にダークマターが俺達に向かって走る!
「しゃーねーな!」
「面白い・・・!来い!!」
「双子座、獅子座、射手座、サァアアアアアン、ジャスティイイイス!!太陽のようにあたりを照らす温かな心とを正義を持つ戦士・・・サァアアアアアン、ジャスティイイイス!!」
「ふたご座、乙女座、射手座、ムゥウウウンエンフェレェス!!白き射手と月の力、精緻の戦士、ムーンエンフェレス!!」
「はぁああああ!!」
その刀を叩きつけるが、全く効いた様子が無い!?
アストが矢を撃ちかけるが、全く動じない!?
「ぬん!」
手のひらから出た闇のレーザーが俺たちを薙ぎ払う!
爆発に吹き飛ばされる俺達!
「くそ!あ、アスト、何やってんだ!?」
「手っ取り早く行く!!」
アストがメモリより、前の戦車を召喚!!
「しゃーねーな!!」
俺も同様に飛行機を召喚する!!
「サンジャスティスフィニッシュ!!」
「ムーンエンフェレスフィニッシュ!!」
空を飛びながら斬撃と弓矢を叩きつけつつ体当たり、戦車からも同様に二つの斬撃と矢、さらに突撃する!
しかし、それをいつの間にか片手ずつで受け止め、はじき返した!
飛行機と戦車が分離しながら転がり、倒れ伏し、ダークマターを悔し目で見る俺達・・・
「ばかな・・・」
「なぜだ・・・あの巨大な奴と同じなら、この攻撃で吹っ飛んでいるはず・・・」
「ほっほっほっ!1tのスポンジと1tの鉄塊では密度も、防御力も、攻撃力も、何もかも違うものですよ!!」
くそ、前のあのでか物が1tのスポンジであいつが1tの鉄塊ってわけか・・・
「さぁ、やってしまいなさい!」
「ぬぅん!!」
あいつの闇のビームが、俺たちを襲う・・・
その瞬間、コスモスターが地下に潜っていった気がした・・・
・・・どこだここは・・・
いつの間にか倒れ仰ぎ目を開けると、一面真っ白な場所・・・
「はは・・・ここが天国ってやつか・・・」
いつの間に変身も解けちまってる・・・
「ようやく意識で接触できました・・・」
誰だ!?
起き上がり見てみると、そこには、大きなトンボの翅を生やしたような肩だしワンピースのウェーブヘヤーの女性の姿・・・
ただし、光に包まれているような感じがしてその姿は見えない・・・
「あんたは一体・・・」
「私ですか?私は・・・マザーホワイトホール・・・」
「マザーホワイトホール!?マザーブラックホールの仲間か!?」
「そうであるしそうでないともいえる・・・」
「どっちなんだよ!?」
「端的に言えば・・・あなた方の味方です・・・」
「味方?!・・・まさか、コスモスターを回収できたり、今までいろいろな奇跡をコスモスターが起こしたのは・・・」
「そう・・・私が介入していたのです・・・」
「介入?!」
「そう・・・ダークマターに苦戦していたあなたにコスモスターでの変身能力を与え、そのシステムを応用してダークマターと戦おうとしていたコスモスター持つ青年にも力を与え・・・」
「じゃ、アストが変身できたのも、あんたの仕業!?」
「そうです」
「そこまでして・・・あんたは一体何者なんだ!?あんたは何がしたいんだ!?」
「私は粒子加速実験の失敗により、マザーブラックホールと共に分離して生まれた・・・」
「じゃあ、マザーブラックホールと同族・・・?」
「考え方によってはそうだと言えます、目的も同じ、しかし、その過程が違う・・・」
「過程・・・?」
どこか上の宙空を見るような視線を走らせるマザーホワイトホール・・・
「私は宇宙の一部に還りたい・・・」
「どういうことだ?!」
「私もマザーブラックホールも同じ、宇宙の一部に還ることが目的です、しかし、私は私達だけが宇宙に還ればいいといいと考えていますが、マザーブラックホールはすべてを宇宙に還そうとしているのです・・・」
「つまり、無に還そうとしていると?」
マザーホワイトホールは俺に視線を戻しつつ首を重々しく縦に振った・・・
「なるほどな・・・あんたはそれでいいのか?無に還るって・・・」
「かまいません、それが私たちの望み・・・」
「・・・ああもう、そうだっていうんなら信じるぜ?で、ここはどこなんだ?」
「あなたと私の意識の内側・・・さぁ、目を覚ましなさい、粒子の域にまで来たあなたに、もう怖いものはないはずです・・・」
目を覚まし立ち上がったとき、そこには先ほどと何も変わらず、ダークマターと三人の幹部がいた・・・
「なんだ?まだ立ち上がってくるのか?」
「寝ていた方がいいと思うがな・・・」
「はっはっはっ、勝てもしないのに立ち上がるのですか?」
「勝てなくても立ち上がる、それが必要な時もあるんだよ・・・」
感じる・・・強い力を・・・俺はウィッチをはめた手首の拳をおもむろに振り上げる
ドゴォオオン!!
と、遠く周りの地中より一繋ぎの巨大な輪っかがうねりながら土を粉塵の如く噴き上げながら轟音上げて飛び出し、それが空中で光って縮小しながらこちらに向かってきてウォッチのスイッチ部に付き、緑色に染まり、緑光を放つ・・・!
そして、俺はそれを押す!!
「ガッシャーン!!パーティカルゾディアックチェーンジ!!」
体が真白きミスリルスターとなった後、緑の鎧の文様が宿り、胸中央に緑の円の文様が、背に六角形を幾多組み合わせたような翼と風になびく三分割された銀のマントが付き、
俺がこの手を大きく外側に振るうと同時に、その翼が大きく羽ばたき、緑の円の文様の上に光を擬形化した四光星を二つ重ねた八光星の真っ銀のパーツが、顔に緑ふちの星型の虹に反射する真銀の仮面が付く!!
「黄道の力を得し、粒子の戦士・・・ゾディアック、パーティカァアアアル!!」
「見掛け倒しだ、やってしまいなさい!!」
ブレイザの言葉にダークマターが向かってくる・・・だが・・・
拳を叩き込まれる瞬間、俺は粒子を残し瞬時に後ろに移動していた!
「速い!?」
「はったりだ!」
「いいや、違うね」
俺は粒子を込めた右拳で、あたりに光緑の粒子を軌跡に残しながら拳を叩きつける!
「ぐはぁ!!」
それに吹っ飛ぶダークマター、だが、次の瞬間には両足で踏ん張り、俺の方に駆けてきて、俺に拳を叩きつける
が、次の瞬間には俺はダークマターの後ろにいて
「どこを見ている?」
言いつつも右ストレートを叩きつけた
「今のは・・・分身?!」
「こんなこともできるぜ?」
粒子を集め、大剣と化し、一気に叩きつけダークマターを吹き飛ばす!
さらに、鎖鉄球と化して相手に巻き付け引き戻し、
今度は大刀として下から切り上げ、叩きつける!!
「がはぁっ!?」
「とどめだ・・・」
ウォッチについた円状のパーツを押す!!
「ガッシャーン!!パーティカルゾディアックフィニッシュ!!」
胸の粒子加速器が回転するように光り、
背後の出現した12の粒子の武器、剣、槍、斧、弓矢、銃、投短剣、鉄球、槌、棍、大剣、大斧、刃槍
が俺の背後より一斉発射され、ダークマターの周りに突き刺さる、
そこで俺は翼を利用して飛び、右足に粒子を集め、飛び蹴りの軌跡を残しながら動きの止まったダークマターに蹴りを叩きつけ、
粒子の武器たちが円を描くように共鳴して光っていき、大爆発を起こしたのだった・・・
「な・・・やられちまったぞ!!」
「そんな馬鹿な・・・」
「予想外だ!!」
俺は着地しつつ残りの三幹部を見る
「さぁ、次はお前らだ!だが、その前にお前ら、マザーブラックホールが全てを無に還そうとしていることを知っているのか!」
「ぐ・・・くそっ!」
「今何と言った?」
「撤退しますよ、目的は果たせました」
と、三幹部が跳躍したり飛んだり黒い髪の毛の球体を出現させてその中に入って解けて姿を消し撤退していく・・・
「それでは、私は救助活動に戻ります」
「ピピロピピロポ」
後ろに聞こえたS-NN301の声と白ロボットの電子音に戸惑いながら思わず振り返る
「あ、ああ・・・」
てっきりあのダークマターの攻撃を受けた時一緒にぶっ飛んだかと思ったが、とりあえず無事だったのか・・・
「ああ、そうだ、そこの人、後でちゃんと救急車に乗せてあげてくださいね」
「ピピロポポ」
あ、そうだ、アスト!それにマホも!!
急いで今だ倒れているアストに駆け寄る
「大丈夫かよ!?」
「ああ、これぐらい、なんともない、それより、あの研究者は?」
そうだ!
スマホでマホに連絡する
「うん、うん、わかった、じゃあ、後でさっきの研究室でな!!」
「いやいや、ひどい目にあった・・・」
先ほどの研究室で、三人でせんせと対峙する・・・
「事情、全部聞かせてもらおう」
「その前に、さっきのやつらのことを訊かせてくれないか?」
アストの威圧にせんせが真面目に返す、
仕方ない、事情を説明するか・・・
「実は、あいつら、マザーブラックホールの復活を狙って、各地でコスモスターというものを集めてて・・・」
せんせの目が少し驚いたように見開かれる
「なんだって!?マザーブラックホールの復活を!?そのコスモスターっていうのは・・・」
「コスモスターっていうのは、人間が絶望するか、希望を託す相手が現れた時、人間から飛び出すものだ、俺たちはそれをダークマターから守るために戦ってきたんだ」
「そのコスモスターがコスモパーティカルと同じ反応を示していた、だが、そのエネルギー量はまるで違う・・・そうか、そういうことだったのか!!」
「何かわかったのか!?」
「教えてください!!」
「・・・それには、当時の国立粒子加速研究所で何があったのかから話た方がいいだろう・・・」
当時の・・・国立粒子加速研究所!?
「当時、私は師に使え、ともに研究員として頑張っていた、新しい粒子も発見され、まさに前途洋々だった、しかし、粒子加速の実験の最中、事故が起きた・・・」
「事故?」
「そう、粒子加速器が爆発し、小型のブラックホールが生まれてしまったんだ・・・」
「まさか、それがマザーブラックホール!?」
「おそらく、私達は自分たちの過ちを悔いながらも、師の作り上げていた重力制御装置で、何とかそれを抑え込んだ・・・それは、12の柱に装置を組み込んで共鳴させ、強固な重力バリアを発生させるもの、師が事故があった際のために用意したものだ・・・」
「まさか、その重力バリアを破るために、コスモスターを!?」
「その可能性は高い、重力を介する以上、外部からの影響は装置自体を含め全く受け付けない、だが、コスモスターという未知の物質であれば、エネルギーを届けることができるかもしれない・・・コスモパーティクルが介しているなら、間違いなく・・・」
「その、コスモパーティクル、っていうのは何なんですか?」
「コスモパーティクルっていうのは、私たちが発見した未知の粒子だ、粒子加速の実験中に発見された、ね・・・そして、コスモスターと・・・おそらく同一のものだ・・・」
「どういうことですか?」
「コスモスターが人間の内部から出てくるのであれば、あの事故の当時、コスモパーティクルがばらまかれ、人々の体内に宿った・・・」
「そうか、それから年月を経て、人間の内部のエネルギーを吸収していたんだ!そして、溜まったエネルギーを狙って活動を開始した、さらに言うなら、研究所から距離が近かったから高田先生は夫婦そろってコスモパーティクルを宿していたんだ!」
「高田先生ってのは、当時見学に来ていた人たちか?そう、そして、事故があった後、私は、重力異常が起きる中で師の助けで何とか脱出、来たるべきマザーブラックホールによる重力災害に備え、技術の悪用をされないように国連より別の名前を与えられ、こうして研究に邁進する日々を送っていたというわけさ・・・」
「新しい名を?」
「そうだ、下手をすれば地球を滅ぼしてしまう技術だからね・・・技術を狙う悪人から身を隠すためにこうしてね・・・」
「だが、のんきに研究なんてしてる暇はないんじゃないのか?」
「そんなことはない、手は出せないものの、師の技術は完璧だ、後300年は大丈夫、その間に解決方法なり惑星脱出方法なりが確立されるだろうとたかをくくっていたのだが、なにせ、国連と地球の全ての国家が極秘裏に協力体制で持って研究しているからね・・・」
「だが、もうすでに、そんな余裕はなくなったと・・・」
せんせが首を絶望のように遅く縦に振る
「その通りだ、重力異常がいきなり強くなったと聞いた時に、何か起こっているのだと勘付くべきだった・・・」
「た・・・大変です~!!」
「ピピロポポポ・・・」
入り口からS-NN301と青ライン白ロボットが飛び出してきた!
「何だ、ロボットども!!」
「研究員のうちの何人かが、自分の体から光が飛び出てそれを奴らが奪っていったと、これってあなた方の言うコスモスターのことですよね!?」
「何だって!?」
「別の人の話では、マスクをかぶらされ、苦しい思いと妙な映像を見させられ、音楽を聞かせられたと、もう何も思い出したくないと、トラウマになっているそうで・・・」
「まさか!?あいつら・・・」
「どうにかして強制的にコスモスターを分離させる方法を開発したというわけか!!」
「そうか!この研究所には、私以外にも国立粒子加速研究所から逃げのびた研究員が何人かいた、当然、彼らも当時、コスモパーティクルを浴びている可能性が高い、そして、彼らから、コスモスターを奪ったんだな!!」
「どうやら、本当に一刻も猶予がなくなっちまったようだ・・・」
「行こう、君たちに託す・・・」
と、コスモスターがせんせから・・・
「これが・・・コスモスター・・・」
俺のウォッチに・・・
・・・俺は二人とロボットたちを見回し・・
「行こう、今の俺達ならどうにかなるはずだ、決着を・・・着ける!!」
「・・・ふふふ・・・まさかこんなものを発明してしまうなんて、疑似的な臨死体験とそこに存在する人間の本能的な恐怖に働きかけ、コスモスターを外に出してしまう・・・いやいや、まさしく天才ですよ!!」
ブレイザが大きめの瓦礫散らばる廃墟の中で右手の黒マスクを見つめ掲げ笑う、けっ!全く恐ろしい代物だぜ・・・
「まさしく、人間のことは人間がよくわかっていると・・・」
「見つけてきたぞ・・・」
バットラーが大きめのズタ袋に入れて持ってきて無造作に放る、袋から少し散らばったのは、クリスタル・・・ダークマターが封印された!!
そして、それが袋の中には隙間なく詰まっている!!
ブレイザがバットナーに嬉しそうに走り寄る
「よく見つけ出してくれました!これで彼らを復活できます!!そして、我らもマッドダークマターに!!」
「マッスルダークマターだ」
俺の一言に、ブレイザの視線がバットナーから即座に俺に移る
「マッド」
「マッスル」
「・・・」
「ああ、言い争ってる暇はありません、お客様が来るかもしれないですからねパーティの準備をしなくては・・・」
「そうだな、あの重力の壁を越えられるとは思えないが、万が一ってこともあるもんな」
「うふふふふ・・・」
「ふはははは・・・」
「・・・」
最強のオリジネイトスターに変身!!
「パーティカルゾディアック!!」
ウォッチに粒子加速器アタッチメントをセット!!
黄道12星座のボタンを全部同時押し!!
「ガッシャーン!!パーティカルゾディアックチェーンジ!!」
これが、オリジネイトスター、パーティカルゾディアック!!
「ガッシャーン!!パーティカルゾディアックフィニッシュ!!」
DXパーティカルゾディアックチェンジャー!!
DXスターウォッチとセットで変身!!
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