バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~/19

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~ 19
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バトル7
 
 「あっ!オセリアさん!!」
 「トークンアリスちゃん、ずいぶん待ったわよぉ!」
 雪の氷粒が砂と化す白い砂漠氷原を、私達は歩き始める・・・
 「そういえば、私で何人目?」
 「7人目です」
 「そっかぁ、どおりで遅くなったはずだわぁ・・・」
 「あ!!」
 目の前の氷原の地中より、大きな・・・白い・・・ミミズの・・・数えきれないほどの・・・群れ・・・それが向かってくるっ!?
 思わず生理的嫌悪が迸り、思い切り杖を振りまわす
 「きゃー!きゃー!きゃー!」
 「お、落ち着いて、トークンアリスちゃん・・・」
 が、その杖の一振りで、あっさりとミミズたちは雪の様に砕け散り、消滅していくのだった・・・
 「およ、なんだ、数が多いだけで弱いじゃない!」
 「あれ?こんなんだったかしら・・・?」
 そんなわけで私達は杖を振って倒して、振って倒して、振って倒して・・・
 「全然減らないんだけど!?」
 「あ、思い出したわ」
 「何を思い出したんです?」
 またも杖を勢いよく当てて一匹崩しながら問う私
 「こいつら、分身を出すのよ、HP1で」
 「う・・・」
 つまり、今までやってたのは全部無駄ってことか・・・
 「どうします?このまま本体当たるまで杖を振ります?広範囲の魔法で一気に減らします?」
 「じゃあ訊くけど、あなたの今のレベルでこの範囲の敵を薙ぎ払えるものってある?」
 「無いですね」
 きっぱりと言い放つほど、ミミズは道一杯にまで広がっているのだった・・・
 回復魔法やアイテム、それにリアル時間の関係もあるし、このままずっと殴り合いっこ、というのは無しだ
 「オセリアさんの方にはないんですか?上級職でしょう、どんなにダメージ小さくてもいいんですよ、無効化さえされなけりゃ」
 「ううん・・・あ、あるにはあるけど・・・」
 「じゃ、それ使って下さい」
 なぜかオセリアさんの顔が眉が八の字で困ったような苦笑いとなる
 「あ、あのね、リアクティブウェーブ(対象のHPが5%を切った時に広範囲に衝撃波を出し、相手を気絶させる攻撃保険魔法、本来はその間に回復する設計だが無敵時間が無いために同条件で少しの間無敵時間がかかるのみのリアクティブインビテーションの方に押され気味)っていってHP減らないと発動しない奴で」
 「大丈夫です、使って下さい、オセリアさんに」
 「え・・・?」
 「冗談です、私に使って下さい、殴られまくってHP減ってますので、すぐに発動します」
 「それじゃ・・・リアクティブウェーブ!」
 橙色の光が円状に広がり、私に収束した、ように見えた、
 「よっし・・・!」
 そして私はまたも突進、杖を振るいつつ、ミミズたちの真ん中に・・・
 ここなら、大半が吹っ飛ぶはず!
 ズバン!!
 大音と共に突如、私の周りに衝撃波が広がり、その小ダメージで大半のミミズが消滅、
 無論オセリアさんの掛けてくれたリアクティブウェーブが発動したのだろう、その証拠にHPがもう死にかけまで減っている
 残りは3体だが、全員、頭に星マークをくるくると回してくにゃくにゃうねり気絶している
 「プレッジララヒール(HP50%以下の時に体力をかなり回復する魔法、通常は盾役や前衛に保険としてかけておく)」
 すると、私の体に緑の光がきらめくエフェクトが・・・
 「オセリアさん!」
 「さぁ、一気に行きましょう!」
 私達は手近にあった一体ずつに近づき、杖を幾度も振るいダメージを与えて打ち倒す、
 が、残った一体の星マークが消え、気絶から回復した!?
 「オセリアさん、また分身生み出されちゃいます!」
 「わかってるわ、少し遠い、けど、私達なら分身を出される前に倒せるわ」
 「あれですね、オセリアさん」
 「そう、あれよトークンアリスちゃん」
 「せーの」
 「せーの」
 「セイントー」
 「セイントー」
 かくて、私達の前から放たれた一条ずつの銀光がミミズに交差したことにより、
 雪のミミズは撃ち滅ぼされ、消滅したのだった・・・
 そして、私達は先へと歩き、光の柱立ち上るポータルを見つけ、そこに入る、すると、その先に・・・
 「遅かったな」
 「待ちくたびれたぞ」
 「早く行きましょうどすえ」
 「さぁ、行きましょう」
 「ようやく行けるのか!」
 「さ、行こう、二人共!!」
 
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