バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~/16

ネトゲ恋愛記 ~サブタイトルは秘密~ 16
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
f:id:OirenW:20200123171733p:plain
 
バトル6
 
 「まちくたびれちゃった!」
 広い砂漠に放りだされ、目の前に現れたのはアニタちゃん
 「それじゃあ行きましょうか・・・」
 そのまま、アニタちゃんが後ろに振り返り、砂漠が踏み固められたような道を歩き始める、
 というより・・・
 ・・・
 ・・・
 ・・・
 ・・・会話が無い・・・
 一時期以降、会話が無いのだ、いや、元からあんまり会話するような間柄じゃないけどさ・・・
 あの話、盗み聞きしてました、なんて言えるわけないし、かといって・・・
 このままだと道中なにも無しに進んでしまいそうだし、致し方ない・・・
 とそんなこんなで思考を巡らせている間に、
 前にいたアニタちゃんが横まで来て
 「ねぇ!」
 話しかけてきた、
 思わず顔を向ける私
 「あんた、最近私の事避けてない?」
 え・・・?
 「そんなん言い出したら、アニタちゃんも私の事避けてません?」
 「・・・」
 「・・・」
 互いに黙り込んで目をそらすように正面を向いてしまった・・・
 「・・・なんて言うか、話しかけづらいんだよねぇ・・・」
 と思ったら、察知したのか、アニタちゃんの方からまたも・・・
 「普通に女の子って感じするし、演技うまいのかな?私なんてそんな演技うまいとも思えないし・・・」
 「女の子ってつねにぶりっこしてると思います?」
 「思わないけど、天然ってどこにでもいるんだよねぇ・・・」
 一体誰のことだ・・・?話を逸らさないでほしい・・・目線は背けちゃったけど!!
 「とは言っても、このままっていうわけにも、あ!」
 どうやらお出ましになったようだ、砂漠に湧き出るように赤い普通より大きな蠍三体・・・!
 「いきなりエクスプロード!!」
 ズドム!!
 大きな炎の爆発が、赤い蠍たちを理不尽に襲う!!
 しかし、爆炎の影より、蠍たちが元気に出てきた!!
 「・・・」
 「・・・あれ?効いてない?」
 「こいつら、火耐性あるんじゃないですかね?砂漠ですし、赤いですし・・・」
 「・・・あ!」
 視界の端で手の平に拳を打ち付け納得するようなジャスチャーを行うアニタちゃん・・・
 うぉい!
 「別属性の魔法、お願いします!前線で私が防ぐんで!!」
 「いやだ」
 「え!?」
 思わず横のアニタちゃんの方を見る私・・・その顔はいつも通りのまま
 「嫌だっつってんのよ、この装備で別属性の魔法使うぐらいだったらこうするわ、エクスプロード!!」
 ズドム!!
 しかし、二度の爆炎にもまれても蠍たちは元気にアニタちゃんの方に向かって走り出す!!
 ああもう!
 「プラスドウォール!!」
 防御力アップの魔法をかけ、アニタちゃんを守る様に前に立ち杖を振るう!
 と、手前脇の蠍の一体が尾に赤い光を宿し私の脇よりアニスちゃんに向ける、そういえば、こいつら、時々遠距離攻撃を使うんだっけ?
 「このぉ!!」
 必至に蠍を叩くと、こちらの方に向かって赤い光を飛ばしてきた!
 よし、ヘイトをこっちに向かせることに何とか成功し
 「エクスプロード!!」
 ズドム!
 間髪入れずのアニタちゃんの爆発魔法!もちろん、私も巻き添えだがゲームなのでなんともない、
 が、それでも蠍たちは元気に動いて、って、ちょっと待って私のHPが勝手に減ってる!?
 あ、毒状態か!?
 「ポイズンケア!!(毒状態を治す回復魔法、各状態異常ごとに存在するが、スキルポイントの無駄なため、その状態異常を行使するボス敵が出る時以外、あっても1ずつしか振られないことが多い、各状態異常回復魔法が使用可能だと、それらをまとめて回復する魔法がスキルツリーで習得可能な上級職のみで習得可能になるため、そちらを愛用する人間も多い)」
 緑の輝く霧が噴霧されるようなエフェクトが発生、消えると共にHPの減少も止まる、
 が、今の一発で、アニタちゃんの方に蠍たちが!?
 「アニタちゃん!!」
 「ここまでくれば大丈夫でしょ、さ、殴るわよ!!」
 いきなりアニタちゃんがその杖を振るう!
 バシィ!
 杖が当たったとたん、蠍の一匹が引っくり返って、体をまるめ、そのままおっちんだように消滅した、へ!?
 あ、蠍たちのHPがもう瀕死状態か・・・
 「さぁ、私達の憂さ晴らしの一撃、受けてみるがいい・・・トークンアリス!!」
 「わかってますよ、はぁああああ!!」
 「たりゃあああああ!!」
 「てりゃあああああ!!」
 ・・・結果、私達の渾身の一撃を受け、蠍二体が成仏したことを述べておく・・・
 「くっ、あはははは・・・」
 「あっ、あはははは・・・」
 渾身の二打を放った私達は、呆気なく倒せた蠍たちを見て、どこかおかしくなり笑い出していた・・・
 「結局、私達は戦いの中でしか分かり合えないってことか・・・」
 「そうかもしれませんね、でも、これからは必要な事があれば遠慮無く言っていきますよ!」
 「私も、出来る限りそうするわ」
 「それでですね、新しくアップデートで追加されたアクセサリ作ってみました?」
 「ああ、あれなーまだ作ってない、新規素材いるっぽいし」
 「今度一緒に取りに行きましょうよ!ファッション装備に限りアクセサリの装備数が増えましたし!」
 「いいねぇ・・・じゃ、一緒に行ってみますか!!」
 「あはははは・・・」
 「あはははは・・・」
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――