バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

騎士剣戦隊キシケンジャー/21

騎士剣戦隊キシケンジャー 21
 
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 雷光が写す中で歩いてきたのは、赤を中央に赤青黄緑桃の五色の騎士!?
 歩く足音が鉄の響きを含んでいる・・・
 『あれは・・・私・・・?』『・・・僕!?』『私・・・?』『俺か・・・?』『わたくし・・・ですか?!』
 「どういうことだ・・・?あれが・・・お前達の肉体なのか?」
 『わ、わからん、だが・・・』『この感じ、どうも魔怪人とかとは違う』『私達の気配・・・』『自分自身の気配はよくわからないが、仲間の気配ならよくわかる・・・』『どういうことでしょうか・・・』
 「ふはははは・・・!驚いたかね、騎士の諸君!」
 突如辺りに不気味な声が降り注ぐ!?
 思わず上を見回すがあるのはただ天井だけ!?
 「この声は・・・魔皇帝!?」
 「君達の肉体に魔力を入れて操らせてもらっているよ、さぁ、どうするかな?戦えば、君たちが傷つくことになるぞ?さぁ、魂の死か肉体の死か、どちらか一つを選ぶがいい!!」
 騎士たちが俺達に向かって走り込んでくる!
 「くそっ!どうしたら・・・・」
 『シルバーダ!』
 レッドリアの声にシルバーダが反応し見る
 「な・・・なんですか?」
 『君はおとなしくそこで見ていろ、ここは私達でどうにかする!』
 そんなこんなしてる間にも騎士は迫ってくる!
 「いいのか?」『なに、どうにかできるさ、私の指示に従ってくれ!みんなも!』
 『仕方無いね』『地獄の底まで付き合うわ』『騎士としての勤め、果たす!』『私は天国の方がいいです・・・』
 はぁああ!!
 それぞれが互いの相手と剣を交え、つばぜり合いから弾き合う!
 向こうは赤き盾を前に構え、そこからの横縦の剣げき、それをこちらは盾で防ぎ切りカウンターとして、大横薙ぎから大縦斬りを繰り出す、
 向こうもそれを盾できっちりとかばい切る、ぐっ・・・剣を当てた盾が重い・・・親父の時よりも・・・強い!
 盾で弾き返されるが、ここで負けるわけにはいかない、
 思い切り近づいて、上から大縦斬り!盾で受けられたそれをわざと下に流しつつ、返しの大昇斬!
 盾の力の方向を変えきれずに盾を弾き、そこに斬り込み袈裟掛けの一撃を与えた!
 
 突きを中心として斬りや盾を効果的に組み合わせてくる知恵者、それが俺が剣を交えた印象だ、
 確かに、突き一辺倒ではない分それの鋭さには劣るが、総合力では、圧倒的に上!
 『まったく、僕の体を好き勝手に使わないでほしいね!』
 「はは・・・当人の言う通りだな、だが、ここだ!」
 相手が盾を引いてから繰り出してくる突き一閃、ここを突き通せば・・・
 速度が速い分、俺の方が先に突きを与えられる!
 その一撃で十分相手は後ろにのけぞった!
 
 速き踏込斬りが互いにぶつかり、金属音と火花を散らせる、っつたく、金属の鎧着てるのに何でこんなに速いのよっ!
 『いやぁ、さすが私ね』
 「自画自賛してる場合じゃないでしょ!ここだ!」
 一旦引いて相手の剣を逸らせ、上から斬り降ろす、しかし、姿勢を下げつつ剣を上に出されて防がれた、それなら!
 剣を軸にした跳び箱の要領で相手の後ろに跳ぶようにして、相手が後ろに振り返る間に、
 私は振り返りつつ大きく通りすがりながら一撃を与えた!
 
 剣が重い・・・再度のたたき合い、互いに剣を押し合うが、こちらがじりじりと押される・・・
 『すまない、ジンカイ・・・』
 「お前が悪く思う必要は無い!」だが、今は歯を食いしばってそれ以上喋る余裕すらない!
 徐々に足が曲がって行く・・・いや、チャンスだ!
 足を曲げて力をかける方向を徐々に横から斜め上に変えて行き・・・ここだ!
 下からの力に、人の足の踏ん張りは無力化される、それを利用して小距離吹き飛ばし、そのまま追撃!
  
 剣を三度ふるってかち合わせる、剣術そのものはピンクリアが教えてくれたものそのもの、堅実で、確実で、隙無く強い剣術、
 『ううむ、ここまでとはね・・・』
 「どうにか・・・致します!」
 堅実、ということは、防御的という事、つまり・・・
 大きく上よりの叩きつけ、当然のごとくの向こうの防御、そこに盾を力強く叩きつけ、あちらも盾でこれを防ぎ
 はぁああぁああ・・・
 盾を幾度も幾度も叩きつけ、相手が防ぐ間にも腕が後ろに強烈に動く、そこを突き、剣を下より差し入れて一撃を加えた・・・
 
 『今だ!みんあ、私達を突き刺せ!』
 え・・・
 「どういうことだレッドリア!?」騎士たちを見据えたまま間断無く返す俺
 『ためらうな、どうにかして見せる!私達が喋らなくなったら、速やかに剣を抜いて先に進め!』
 え・・・
 思わず皆で顔を見あわせる・・・
 『大丈夫さサトル、僕らを信じて!』『マコミ、やれるわ私達を信じて!』『ジンカイ、俺達がどうにかして見せる、信じろ!』『私達がいなくなっても先に進んで、信じてるわ、ユナ!』
 俺達は彼らの決意に報いるように
 はぁあああ!!
 その刀身を、相手に叩き込んだ・・・!
 
 俺達はその両開きの扉を開け、玉座の間へと入る・・・段差のある玉座の上にいる人物が立ち上がり、俺達を見降ろす、
 「よく来たな、キシケンジャーの諸君・・・!」
 黒い骸骨とねじくれた黒紫の魔力の鎧・・・魔皇帝・・・!
 「おや?剣の方に気配が無いな?そうか・・・肉体と共に魂も逝ったか・・・」
 「だまれ!」
 俺は思わず声を張り上げていた・・・
 「ははは・・・感情的になるな・・・」
 「俺達だけでも、どうにかして見せる」
 「ふむ・・・本当にそうかな・・・?」
 サトルの言葉を魔皇帝はあざ笑う!
 「私達だけでも、あんたを倒す!」
 「倒せるものなら倒してみるがいい・・・!」
 「俺達の力を見せてやる」
 「存分に見せるがいいさ、ただ、勝つのは私だ」
 「あなたには負けません!」
 「宣言だけなら誰でもできる」
 「王国を、取り戻す!」
 「ギャルガ達から聞いているぞ、唯一の騎士となってしまったなぁ、シルバーダ!」
 ははは・・・
 魔皇帝の笑い声が雷鳴と共に轟き合う・・・
 「それでは、さらばだ!」
 魔皇帝が黒い霧を突き出した右手から出す・・・!
 クレストセット!
 しかし、それぞれのクレストの防御の力を合わせ大きな枠の光る透明な盾とし、
 はっ!
 掛け声合わせ、黒い霧の魔力を弾き返した!
 「レッドリアから聴いているぜ、不意打ちならともかく、もうそんな手は通用しない!!」
 「ふむ・・・小手先の術はもう通用しないか・・・それならば、本気を出そう!!」
 魔皇帝の手に髑髏が付いた闇の魔力を具現化したような剣と盾が!?
 「はっ!」
 剣を振るうと、内側に稲妻走る闇の玉が俺達の方に一つずつ飛んできた!?
 はぁあぁああ!
 闇の球が床に着弾し爆発する中で俺達は一気に走り近づく
 ガァン!
 いの一番に俺の剣が魔皇帝の剣とつばぜり合いをかち合わせる!
 そして、力を押し付けあいながら互いに油断無く相手を見据える!
 「良い腕だな?どうだ、我が部下にならないか?」
 「残念ながら、レッドリアやみんなと出会った後、帰ってからやりたいことがわんさかできたんだ、今まで、ぼんやりとしていた目標が、鮮明になって来てね」
 「私の部下ならそれを追いかけることたやすいぞ?」
 「それで、仲間や、家族や、世界を裏切れって?それなら、公的な権力なんていらないから細々と夢を追わせてもらうね、俺は!」
 「そうか・・・ならば、死ね」
 魔皇帝が大きく盾を振るうと、闇球が五つ出現、俺の左右に向かう!
 「なに!?」
 俺は思わず振り返っていた
 闇の球は、向かってきていた俺の仲間たちを襲い、爆発、仲間たちが上から向こうに吹っ飛ぶ!
 「うわーっ!」「きゃぁあ!」「ぐわーっ!」「きゃああ!」「うわーぁっ!」
 「みんな!」
 「こういう手合いは自分より仲間を攻撃される方が効くと思ってな」
 「きさまぁああ!!」
 俺は叫び声と共に魔皇帝に振り返り
 「剣先が興奮で振るえているぞ?そこだ!」
 !?腹に闇の球が!?
 いつの間にか盾持つ左手を俺の腹部寸前に!?
 闇の球の爆発が、一気に俺の腹を打ち
 「そこだ」
 一気に剣を横一線され、さらに、剣先に闇の球が付いた状態での振りおろし!闇の球は当然のごとく爆発!
 「がはぁーーー!」
 吹き飛ばされて後ろに倒れ、慌てて上半身を上げて立ち上がろうと
 そこに剣を突きつけてくる魔皇帝、慌てて体の動きが止まり
 「とどめだ」
 剣が大きく振り上げられた、俺の首目掛けて振り下ろされる・・!
 
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