オイレンのラノベもどき置き場

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベもどきを置いていきます。

失踪、失意、絶望、/4 カードゲーム小説WカードFu

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カードゲームライトノベル Wカードフュージョン9話 失踪、失意、絶望、4
 
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 「それは不可能だというのがわかった」
 やはり・・・
 「どうやら、エルドガンはあの機械の摘出時期を決めかねていたようだ、体の半身という大規模な体の再生は前例がない上、あの機械自体、芽工 映命の体内の一機しか存在せず、実証例そのものも少ない、故に、入院して経過を見ながら摘出時期を決める予定だったようだ」
 ぐ・・・くそっ・・・
 「だが、あまり悠長にしてもいられない、未知の機械、体の半身という大規模な再生、そして、肉体の定着による拒絶反応・・・」
 ・・・
 「遅すぎると拒絶反応で死亡するだろう、かといって早すぎて摘出手術を行っても、肉体の再生が不完全で死亡する可能性が高い、ならばと死亡する一歩手前での摘出だと生命力が手術に耐えきれず死亡する可能性が高い」
 やはり・・・
 「結局は、エルドガンが摘出時期を計る必要性があったのだ、他の医者でも決めることはできるが、エルドガンがいなければ、的外れな時期になってしまう、で、的外れな時期に摘出手術を行えば・・・」
 「映命さんは、死ぬ」
 カーディンは静かに首を縦に振った
 と、向こうの方から青い制服に身を包んだ警察官の人が近寄ってきた、
 それは、イケメン顔で、左右に分かれてジャギーのかかった髪型をしていて、
 頭にパトライトと翼の付いたエンブレムが中央前部に付いた黒いつばの帽子をかぶっており、
 体には、左肩に小さく黒い無線機を付けた長袖長ズボンの制服を着、
 その上着の下に、白いワイシャツと赤いネクタイが垣間見え、足元には黒い靴とその中に黒い靴下を履いている、
 そう、轟さんだ
 「やぁ、二人とも、何話してるんだい?」
 「色々と」
 「そうだな、色々だな」
 あれ?カーディンが隠し事に同調してくるなんて珍しい、
 いや、今まで同じ隠し事なんてしたことなかったっけ、戦闘時以外はあまり付き合い無いし・・・
 「色々ってねぇ」轟さんが苦笑する「ま、例のこと話さないなら別にいいか・・・」
 その例の事を今まさに話してた気がするんだけど・・・
 いや、それよりも、
 「轟さん」
 「なんだい、双歩くん?」
 「あの機械、一体なんですか?さっきから音が鳴り響いてるんですけど?」
 本当は博士に聞いた方がいいのだが、本音を言うと早く帰りたいのだ・・・
 轟さんが少しだけ機械の方を向いて再度こちらにとって返し
 「ああ、あの機械はエルドガンが作った物だよ、さっき説明にあった通り、あの音で空間を無理矢理安定させて、空間に穴を作らせないようにするんだ、完成直前でさらわれちゃったけど、設計図と詳細なメモが残ってたんだ、どうやら、自分がいなくなっても博士たちが完成させられるようにという配慮らしい」
 「それは、いつさらわれてもいい様に?」
 「というより、いつ姿をくらませても言い様に、だと思うな」
 なるほど、完成品を一刻も早く作るより、自分がいつでも雲隠れできるように、他人でも作れる環境を構築しておいたというわけか、
 その意気を、映命さんに少しは向けていてくれたらこんなことには・・・
 いや、エルドガンの言う通り、この街の人達にとってしてみれば、あの機械の完成こそが最重要事項なんだろうけど・・・
 「ほら、続けて説明が入るよ」
 轟さんが博士の方に振り返る、つられて僕も博士の方を見
 「この機械は私の友人が開発していた物を、友人がさらわれました後、友人が残した設計図を元に完成させました」
 博士が右手をグッと握る
 「そもそも、この街に襲撃が多かったのは、この辺りが空間の歪みが大きかったからなのです、この機械を作動させたことにより、もう、穴によって襲撃してくることは無くなるでしょう」
 おぉおおおお!!
 辺りから歓声が再度響く
 「この機械が画期的なのは、音という空気の振動と次元の振動、その二つの共鳴及び反発、相殺により空間の安定度との関連性が・・・」
 ええっと、ここからは専門的な話に入るのか、なら、いいや、
 「轟さん!!」
 「ん、なんだい?」轟さんが再度こちらの方を向く、
 「もう帰っていいですか?アレが起動したんなら、もう護衛なんて必要ないでしょ?」
 「ううん、そうだねぇ・・・」
 轟さんが辺りを大きく見回し、その後、カーディンの方を見上げる
 「カーディン、辺りに変な反応とかは?」
 「はっ!」
 カーディンが右手を外側に伸ばした後額に向かって曲げ当て敬礼すする、
 「現在、周辺20キロにわたり、不審な反応は発見されていません!」
 「そうか・・・後は・・・」
 轟さんが自身の左肩の無線機をとり、口元に当てる
 「あ~あ~、こちら轟、本部、どうぞ」
 「本部より、どうした、轟巡査」無線機から少し年の行った男性の声が聞こえた
 「いえ、何か変わった反応とかは無いでしょうか、巡警のパトカーにいくつかにセンサーを新しく積んだはずですが・・・」
 「現在、変わった反応は無い、街中からも、巡査のいる研究所の周辺からもだ」
 「ありがとうございます、それでは」
 ブツッ!
 無線機から、何かが途切れる音が響いた
 「どうやら、大丈夫そうだ?」
 「轟さん、パトカーにセンサーって・・・」
 「ああ・・・」
 轟さんがどこか億劫そうに両腕を組んだりする
 「エルドガンの残した設計図を元に、ステルスモードを見破れるセンサーをパトカーに内蔵する形で導入したんだよ、ほら、カーディンが強化された時に搭載したセンサーの一部さ」
 へぇ~、カーディンに入れた物の一部ねぇ・・・
 「で、そのセンサーを入れたパトカーで街中のみならず、この研究所の周りも警邏しているんだよ、戦えはしなくても、こうすれば、現場にすぐに駆けつけられるし、盗撮盗聴も防げるからね」
 確かに・・・
 「そして、センサーに引っ掛かっていないということは、この辺りには異常無し、君は帰っていいって事だ、気を付けて帰ってくれ」
 「ありがとうございます」少し頭を下げてみる
 「私が送ってきます」
 「あ、ああ、いいけど・・・」
 「へ?」
 カーディンが送ってくれるの?でも、
 「何も無いのにパトカーで送られるのは・・・」
 「大丈夫だ、さぁ、研究所の入り口まで行こう」
 カーディンはそう言い、さっさと、僕の左後ろの通路から入口に向かって歩いて行ってしまった、
 え~っと、何だろうな・・・いや、いいや、
 「とにかく、轟さん、さようなら」
 「ああ、気を付けてね!」轟さんの返事を聞きつつ後ろに振り返りカーディンを追う「あ、そうだ、鍵、門、門は開けておくから!!じゃ」轟さんがあわてて付け加えつつ右手を振る、
 その轟さんに右手を振って返しつつ、カーディンが通ったコンクリート床の通路を走っていく、
 と、右の方にポリスカラーのトレーラーが収納された車庫が近づいてきた、
 内部のトレーラーは、前部は少し全高が低く上が白、下が黒で塗り分けられていて、上中部に狭い窓が付き、
 その前部が、前の方が白くて左右上下に少し細くて、後ろは真四角で黒い荷台の後部をけん引している、といった格好の物で、
 そのトレーラーを、波上の鉄の板で左右上と奥を囲い、中を鉄の柱で支えている車庫が、トレーラーの前部の方をこちらに向ける形で収納している、
 そして、そのトレーラーの車庫を右に見つつ先にある出入り口の方に向かい
 「遅いぞ!双歩!!」
 先の方を行くと、すでにカーディンが入口門内側の広場で立って待っていた、
 さらに先には、左右に白い塀がありその間で三角螺旋の錆びた鉄の門が左の方に寄っているのが見える、恐らくは、轟さんが開けたのだろう、
 「ごめんごめん」
 軽くカーディンに返しつつ駆け寄っていく、すると、カーディンの両肩が上に移動して顔を隠すように閉じ、
 そのまま両腕が180度回ってタイヤの部分を内側にしつつ両の腕を思い切り上げるようにして両肩に収納して、両肩と合わせてパトカーの前部を形成し、
 そこから少し跳躍した後腰部が下半身を回すように180度回って、両膝を思い切り曲げるように前の方に行かせパトカーの後部としつつ、胸部の緩いV字のパトライトの後ろの方からパトライトの赤い部分二つがパトライトが前後対象になるように出てきてX字型のパトライトとなりカーディンがそのX字のパトライトを上に頂いたパトカーとなりながら、タイヤの向いている門の方に倒れた
 「さぁ、双歩、乗ってくれ」
 「いや、だからパトカーは・・・」
 「ふふふ、問題は無い!!」
 カーディンが少し笑った後、突如、カーディンの色が黄色に変わっていく!!
 え、これ、どうなってんの!?
 そして、見る間に色が変わると、全体が黄色く、タイヤの上のボディ中央部に波のような羽ばたきで飛び連なるオレンジの鳥の模様が囲うように一直線に施され、
 上の方では、X字のパトライトが横にまっすぐになって白色に替わり少し大きめのタクシーライトへと変化し、
 前後左右の窓ガラスが暗くなり、中がほとんど見えなくなって、なんと、カーディンが黄色いタクシーカーへとその姿を変えていた
 「どうだ、これならパトカーだとは気付かれまい」
 確かに、少し大きいタクシーライト以外はほとんど普通の黄色いタクシーだ
 「さぁ、乗ってくれ」
 「う、うん」
 戸惑いながら首を縦に振り、左奥の方にある助手席の方に後ろの方から周り歩いて移動し、右手でドアを開けて助手席に座り、左手でドアを閉め、
 座席の左にあるシートベルトを左側の手で引きだし、右腰の方にあるシートベルトの留め具にまで持ってきて差し込み止める、
 車の中は前に見た時とまったく変わっていない、どうやら、外観だけ変化させたようだ、ガラスもいつも通り外が見える
 「後、これは博士から」
 ブォオ~
 運転席の方から何かが膨らむ音が響いた、一体何が・・・
 見てみると、そこにあったのは、轟さんの人形だった、風船で作られたぱっつんぱっつんの、轟さんの人がた・・・
 一応は肌色風船の上に顔部分はきちんと描かれ上着が青、下半身が黒色の衣類として塗り分け書かれ、一見すると普通の衣類を着ているような感じとなって髪型も一応は再現を試みているのだが、いかんせん元がぱっつんぱっつんの風船なので滑稽である
 それがハンドルを握った格好になっているのだ
 「これを・・・博士が・・・?」
 「そうだ、博士が」
 「プッ・・ククク・・・」思わず笑ってしまった
 「それじゃあ、行くぞ、双歩」
 「あ・・・うん」
 吹き出しながらの僕の返事を聞き、カーディンが門の外に向かって走り出し門から外に出る、っと、そうだ、
 「轟さん!門をお願いしますね~」
 大声で研究所の方に声をかけると、声が届いたのか、研究所の門がこちらから見て左から右に閉まっていくのが見えた、
 ふ~む、にしても、この見た目ならタクシーにしか見えないし、大丈夫かな・・・ようし、それじゃあ・・・
 「カーディン、寄って欲しいところがあるんだけど、いいかな?」
 「どこだ?、双歩」
 それは・・・
 
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