カードゲームライトノベル Wカードフュージョン9話 失踪、失意、絶望、20
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カーディンが地に落ち倒れ伏す、
カーディン、今のは・・・
「まだだっ!」
しかし、両手を地に着け、すぐさま立ち上がった!
カーディン、大丈夫だったのか!?
ん?よく見ると、左わき腹が少し焼け焦げ、煙を上げている、
どうやら、僕のいる場所より奥の方にレーザーがかすったことにより、レーザーに貫かれたように見えただけだったようだ、倒れたのも、避けようとしてとっさに無理な姿勢でも取ったせいだろう
だけど状況は変わっていない、ノワールはレーザーを撃つためか様子を伺っているし、両腕手もふよふよと浮いて辺りを威嚇しているように見える
みんなの援護に回らないと・・・
あ、画面に二ダメージ判定が出てるや、それならば、
まずは元は右から二番目の、右側のカードを、引く!
出てきたのはバトルマシンズ バトルポリストレーラー!
よし、それじゃあ、次!
右手に持つさっき引いたカードを左手に移しつつ右手で元は真ん中の、最後のライフカードを、引くっ!
出てきたのはバトルマシンズストロングバトラーズ!
ううむ、使えそうではあるんだが、次の引きしだいか・・・
正面を見ると、輪ロボがその目に光をチャージし、カーディンに狙いを定めている所だった、
カーディンが右手側に動く!
チャージゾーンに裏にするカードが無いのでそのまま「リチャージ!」
すると、輪ロボがカーディンのいた場所にレーザーを撃ち込んだ、
当然のごとく、すでにその場所にカーデインはいない!
よし、それじゃあ、こっちも、
このまま、今の手札じゃ、負けるかもしれない、でも、来る!
右手に持つカードを手札に移し、
空いた右手で山札の一番上のカードを、引く!
「ドロー!」
引いたカードは・・・来たっ!
輪ロボがその左腕手をカーディンの動いた先に通せんぼするように置き、
「さっき使った手が通用すると思うのか!」
素早く右腕手を少し反対側に突き出してカーディンを挟もうとするも、カーディンは後ろに素早く少し跳んで距離を取りつつ、
続けて撃ち込まれたレーザーも上に一瞬だけ大きく跳ぶことで避けきった、
引いたカードをチャージゾーンに裏側で置き、さらに、左手の手札からバトルマシンズ バトルポリストレーラーのカードを引いて1番に裏側で置いといて、
「セット!」
輪ロボがやけになったのか、両腕拳を左右に揃え、カーディンに向かって飛ばす、
「遅い!」
カーディンがいきなりスライディングして両腕拳の下から輪ロボに迫る、
この手は予想してなかったか、あわてて目に光を貯蓄してレーザーを放つも、カーディンにはかすりもしなかった、
そのままカーディンが跳び右拳を振り上げる!
しかし、今度はとっさにカーディンが跳躍直後に尻尾を振り回してカーディンに当てた!
カーディンは軌道が変わらずも少し跳ぶスピードが遅れ、その間に輪ロボの胴体に体当たりをかまされた!
「ぐっ!」
とっさに着地するカーディン、その間に輪ロボが目の光を集約させてビームを放つ!
これを右足側に跳んで何とか避けるカーディン、そのまま自身の右手の方から大きく回って部屋の中央に走る、
よし、それじゃあ、表にするぞ!
右手で1番に裏側で置いたカードを表に!
「オープン!」
輪ロボがカーディンを目で追い、カーディンが立ち止まって輪ロボの方を向きかけたところでカーディンを見据える、
そこでまたもめに光を溜めこみレーザーを放つ!
カーディンはこれを後ろ上に跳躍し回避、そこに両腕手が跳んで行くもカーディンはすでに着地して避ける準備を整えていた、
が、避ける必要は無かった、右手の方から来たポリスカラーのトレーラーが両腕手を吹っ飛ばしたからだ!
ドガン!
両腕手をぶっ飛ばして現れたトレーラー、
それは全高が低い前部と大きな後部で構成されていて、
前部は上が白で下が黒で塗り分けられ上の方中ほどに前と左右に行きわたるように狭い窓が付き、さらに最上部にパトライト付いており、
後部は前部分が白くて少し左右上下に細く、後部は真四角で真っ黒に塗られている、
よっし、それじゃあ、表にしたバトルマシンズ バトルポリストレーラーのコストとして三枚を表に!
向こうはボルトドライバー ハトメシャフトというコスト2のモンスター、
さて、コストとして表にしたカード二枚は!?画面によるとボルトドライバー ドライバーぶん回し、ボルトドライバー ステークパワード、
どちらもリサイクルカードだが発動タイミング、戦闘前でコストで発動できるカードじゃない、よし、行けるぞ!
さらに、右手でチャージゾーンのカードを一枚表にし、前に出したカードのうち一枚をトラッシュに置きつつバトルマシンズ バトルポリストレーラーのカードもトラッシュに置き、
前に出したカードのうち一枚を1番の場所に置く!
「僕はバトルマシンズ バトルポリストレーラーのコストとして表にしたバトルマシンズ カーディン カーモードを2番に召喚!コストにバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2を指定してこれも2番に召喚、コストにはバトルマシンズ カーディン カーモードを指定し、さらに、バトルマシンズ バトルポリストレーラーの二枚目のコストにマシングラシスオードを指定しつつ、三枚目のコストにビクトリーカーディンを指定し、そのビクトリーカーディンをバトルマシンズ バトルポリストレーラーとバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2をコストに指定して召喚だ!」
すると、カーディンがトレーラーの方を向き
「バトルポリストレーラー!!よし、フュージョン合体だ!」
右手をかざす!
「バトルポリストレーラー、フュージョン合体!!」
突如、輪ロボが目に光を溜めていき、それにカーディンが気づいて
「何!?仕方ない、走れ、バトルポリストレーラー!!」
カーディンにレーザーを発射!
しかし、カーディンは左足側に走ってレーザーを避けながら両肩を閉じて頭を隠しつつ両腕を180度回して上げ、両肩の中に収納し、
腰が180度回りつつ両足を大きく曲げ、輪ロボがさらに目に光を溜めこんでいき、
胸部のパトライトの下の方から、上下対象となるように振り子が上がるようにパトライトが出てきて、X字のパトライトとなり、
完全にパトライトの形となりつつタイヤの方を前にして着地後、辺りにレーザーが降り注ぎながら、先の方に走って行く!
そこにトレーラーも並走しつつ、
トレーラーの窓がレーザーの反射とは違う感じで一瞬光った後、トレーラーの下から炎が噴き出してきて前部が上に上がっていきトレーラーの前部が上、後部が下の状態となり、
そこで下になったトレーラーの後部が左右に割れ、後部の下になった端上から黄色のつま先が上に曲げていたつま先を下げるように飛び出し
続けて、トレーラー前部の後ろとなった下の方から両の腕部分が後ろに持ち上げるように出てきて、トレーラー前部から上に白く四角いものが飛び出し、トレーラー前部が左右に割れて横の方に回って移動しつつ、さっき前部後ろに出た部分を下に出すように回転し、
後ろに出た前部下部分がタイヤを外側に出すよう回転し、そこに前部下端から両の拳が飛び出して、
前部が両肩に、前部下端が両腕となる、
そこでカーディンがトレーラーに向かって後部を曲げていた両足をいきなり伸ばして床に叩き付けるようにして跳躍、
「とぅ!」
足を曲げて車形態に戻りながら前部を左右に開けて頭とパトライト部分を前に上げて飛びださせた後上の方に回転させて移動させ、両肩を閉じさせ戻し、頭とパトライト以外パトカーの状態に戻した後、
そこでタイヤを下にして二つ折りに変形!
前後が逆になりつつ展開したトレーラーの胸部に収まって、
続けて、パトランプの下から黄色い翼のようなパーツが出てきてパトランプの下に収まり、
そこからパトランプが上の頭と共に胴部に押し込まれて胸部となり、
パトランプの下二つが上に上がり、パトランプが上下にVが重なるVVの形となり、
さらに上からトレーラーの前部から飛び出てきていた白く四角いパーツが降ってきて、カーディンの頭部に覆いかぶさった!
それは、白い色の金属で出来た無骨なかどが目立っている兜で、兜の左右と上に兜に張り付くような四角以下たちのダクトが付いていて、口元に下に四角いでっぱりの付いた白い金属のマスクが付き、
額に羽にパトランプが施されている金色のエンブレムが付いている、
そしてそれが走り込んでいた勢いそのままに大地にその両足を付ける!
ギュリィイイイイ!
火花を散らしながら着地したそれが、こちら側に反転しつつ目を思い切り光らせて両腕を上げ、そこで左拳を下げ右拳を前に出しながら
「ビィクトリーィイイイカァーディィイイイイン!!」
叫んだ!
そして、召喚効果・合体適応!!も発動する、これでリサイクルカードが発動出来る!
そう考える僕の視界の中で、ビクトリーカーディン、Vカーディンに向かって、不意にまたも輪ロボの目に光がまとまり、強くなっていく!
「これならどうだ!」
Vカーディンの右足中程が外側に飛び出し、そこから剣が飛び出してきた!
それは、鍔部分にVカーディンのパトライトと同じデザインのパトライトが付いている、白銀の両刃剣!
Vカーディンはその剣を右手に持って引き抜くと、飛び出してきた部分をその右手で抑えて元に戻す、
そこに輪ロボからレーザーが飛んで来た!
「はぁっ!」
このレーザーをVカーディンがその右手の剣を押しざまに振り上げて前方、上の方向に弾き返す!
「行くぞ!」
そのままVカーディンが輪ロボに向かって走り出していく、
そこに両腕拳がいきなり上から地面に叩き付けられる!
ズガン!
「なにっ!?」
辺りに振動が走り、Vカーディンごと、周りにいる人たちの足が掬われ止められる、
そこで輪ロボが上からその目に光を増幅させながら辺りを見る、狙いは、轟さん!
「なっ!?」
轟さんは驚いているが、足が動いていない、どうやら、足をすくわれ動けないようだ!
あれ、でも、今の技、画面にガーディアンスペレスーってカードで出てるな!?ええい、何度もいい、右手でチャージゾーンのカードを一枚表にしつつ宣言!
「僕はバトルマシンズブーストの効果を発動!ガーディアンスペレスー ボルトドライバーを相殺!動いて、カーディン!」
「任せろ!」
Vカーディンがとっさに輪ロボと轟さんの間に割って入ってその右手の剣を振るう!
ビシュン!
輪ロボのレーザーが右手側下に弾かれ、天井を焦がす!
「カーディン!」
「轟巡査、呆けている場合じゃないぞ!」
「ああ、そうだね」
と、轟さんがチラリと僕の方を見る
「毎度、カーディンの援護、ちゃんとやってね!」
「任せてよ!」出来る限り元気を出し、返す
「さぁ、来い!」
そこでVカーディンが再び輪ロボに迫っていく!
対する輪ロボは、なんと両手の平を互いに思い切り打ち付け、そこに錆びついた金属の塊を生み出した!
それは、錆にまみれたボロボロの機械部品の金属片が塊となった物、
っつ、何を?
輪ロボは両手の平のそれを上に投げ、目に大きくした光をレーザーとして叩き込んだ!
錆た金属の塊が爆発し、辺りに錆がまき散らされ、それらが全員の視界を覆う!
しかし、僕は見た、画面でそれがガーディアンブーインドという技であることを!それなら、こっちにだって考えがある、
右手でチャージゾーンのカードを一枚表にしつつ宣言!
「僕はバトルマシンズフルブーストの効果を発動!ガーディアンブーインド ボルトドライバーを相殺!」
目に錆がしみる中、突如、錆をかき分け、Vカーディンに向かって両腕拳が突っ込んできた!
「カーディン、前、前から両の拳が来る!げほげほ」うう、錆でむせてしまった
「双歩、大丈夫か!?」
「いいから早く対処を!」
「わ・・・わかった!」
Vカーディンがとっさに床に剣を突き立て、両腕拳に向かって両の拳でそれぞれ殴り掛かる!
「うおりゃあ!」
ぶつかり合う、互いの拳!
ズガン!
一瞬の拮抗の後、Vカーディンが前に踏み込み、両腕拳をふっとばす!
「だりゃあ!」
が、そこに両腕拳が作った錆霧の穴を縫うようにレーザーが飛来する!おそらく、最初に撃たなかったのは錆霧でレーザーの威力が減衰するのを恐れたのだろう、
だけれどっ!Vカーディンはこのレーザーも予測していたかのように右手で床の剣を抜き、
「はっ!」
おもむろに前に振るい上げ斬り、レーザーを前上の方に撃ち返した!
そして、剣を正眼に構え、
「どうした、それで終わりか?ならば、改めてこちらから行くぞ!」
Vカーディンが輪ロボに迫る!
錆が次第に晴れて行き、Vカーディンと輪ロボ、それに周りの隊員その他の状況もはっきりと見えてきた、
皆一様に目をしばたたかせたりこすったり、咳き込んだりしているが、それよりも大事なのはこっち、
Vカーディンは輪ロボの間近に迫り、輪ロボはVカーディンの方を見て目の光を増強させ、レーザーとして放つ!
だが、Vカーディンは剣を刃を横に広げるように構えてレーザーを輪ロボの方に撃ち返した!
輪ロボはとっさに左腕手の方に顔を傾けレーザーをかすらせる、
かすったところは黒こげになって煙が立ってるけど、やはり、あんな敵の攻撃を反射するだけじゃ戦いに勝利は出来ないか、
しかし、そこにVカーディンが跳躍して追撃!
剣を振り上げ、その剣で縦一文字に輪ロボの胴の門を斬り裂いた!
さらに、Vカーディンが両手で斬り裂いた輪ロボの胴の門をこじ開け、その後、輪ロボの胴部を蹴り跳んで後ろに跳び、着地、
よしっ、斬り裂き開いた後で中に宇宙の渦のような部分が見えている!
それに、緑の画面では今の一撃で次のタイミングに移行したような判定が出ている、
これなら、行ける!
「カーディン、とどめ、行くよ!」
「任せろ双歩、さぁ、やってくれ!!」
おうし、右手でトラッシュのバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2とバトルマシンズ バトルポリストレーラーを横にして、両手を握って上に振り上げ、
「僕は、トラッシュのバトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2とバトルマシンズ バトルポリストレーラーをコストにビクトリーカーディンの効果を・・・」
突如、Vカーディンに向かって、輪ロボの左手腕の真下の影から、輪ロボの尻尾が勢いよく向かって行く!
輪ロボの尻尾には細長い筒のような物が付いており、その中には輪切りの金属と中央に穴の開いたT字円形の金具が入っていた、
そうか、あれが前に画面に映ったハトメシャフト、ずっとこの機会を伺ってたな、Vカーディンの隙を付けるこの一瞬を!でも、これも想定済みだ!
右手で左手の手札から一枚カードを引いて前に出し、宣言!
「僕はインテリジェンス オールド&ニューの効果を発動!ボルトドライバー ハトメシャフトの効果を先に発動させ、その後、ビクトリーカーディンの効果を発動する!カーディン、下から来る!」
「わかった!」
Vカーディンはとっさにその右足で、輪ロボの尻尾を蹴りいれた!
「ぬん!」
輪ロボの尻尾は床に見事突き刺さり、尻尾が浮き上がったころには、床に穴と、穴を囲む様に何かの金具が取り付けられていた、
「その程度、私には効かん!」
Vカーディンがそう豪語するも、Vカーディンの右足先に床の穴のそれと同じような金具が付いていた、さっきの蹴りの時に付いてしまったのだろうか、
もっとも、金具の周りに穴は開いてないし、その金具そのものもすぐにずり落ちてしまった、本当に効いていないのだろう、
「さぁ双歩、もう一度だ!」
「うん!」
首を縦に振り、もう一度、宣言!
「鋼の意志よ、電子の魂よ、勝利を導け!僕とカーディンに勝利をっ!ビクトリーカーディンの効果発動!ビクトリースラッシュ!」
両手をまとめて上に振り上げつつ、剣を振り下ろしきるように一気に下げる!
「今度こそ行くぞ!」
Vカーディンが輪ロボに向かい跳躍!が、そこに右腕拳が横から来る!
「邪魔をするな!」
これをVカーディンは左拳を振るい吹き飛ばす!
が、続けて左腕拳が
「こっちもか!」
こいつは剣持つ右拳を振るってぶっ飛ばす!
しかし、今度は輪ロボの目からレーザーが!
「でぇい!」
これを剣を右手下から振るい左肩上に弾く!
「カーディン、いいぞぉ、今連動を解除した!!」
今度は左手の方から博士!?
「どういうこと博士?」とっさに聞き返すと、博士がこっちを見
「双歩くん、コンソールであの頭と胴体のダメージ連動を断ち切ったのじゃ、これであの頭に何があっても胴体に影響が行くことは無い!」
「だってカーディン!」
「わかったあああぁぁぁ!!」
あの胴体の門のせいで強力な攻撃が叩き込めずストレスがたまっていたんだろう、
むやみやたらと気合の入った声を上げると、胴体の閉じた門の間に入った亀裂を右足で踏んで足がかりにし、さらに上に跳び、輪ロボの顔の上にまで到達
そこに輪ロボの目が光を放ち始め
「遅い!」
光が完全に放たれる前に、Vカーディンが両手の剣を逆手に持って輪ロボの目に向け
「行くんじゃあ!」
「行ってくれぇ!」
「頼む、行ってくれい!」
「行ってください!」
「いっけぇええ、カーディン!」
突き立てた!
ズガァア!
そして、輪ロボの頭からいくつもの光が漏れ始め、
ズッガァアアアアン!
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