バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

失踪、失意、絶望、/11 カードゲーム小説WカードFu

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カードゲームライトノベル Wカードフュージョン9話 失踪、失意、絶望、11

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 「おおっ!」
 ジョーカーをぶっ飛ばした上殴りつけたのが効いたのか、サーディンの首元からラパードが、辺りから壊れた水槽もろもろが、一辺残らず消え去っていく、
 が、サーディンの首筋にはラパードの噛み跡が付いたまま、
 バッチバチ
 と、そっから感電しそうな具合に電気とか出てんだけど、大丈夫か、これ
 「ムハハハハ!」
 そこに響き渡ったのは、ジョーカーの笑い声!
 吹っ飛ばされて壁に叩きつけられたはずだが、そちらの方を見てみるとすでに復活し、背中の飛行炎噴機から炎を噴出させて宙に飛んでいた、
 が、何を言うでもなく一直線に床の大きく開いた穴に向かって飛んで行って入り、奥へと消えて行く・・・
 「今度こそ逃がさない、追わなきゃ!」自然と足が前に出る
 「待て!」
 署長の一喝が飛んだ!
 「罠の可能性がある!この先は調べなければならないのだから行かなきゃならないが、慎重に行くべきだ!」
 すると、署長があたりを見回し始め
 「怪我をした者はいないか!さっきの奴らに吹っ飛ばされたものは!そうじゃない奴から前に出て陣形を組め!!」
 「了解!!」「了解!!」「了解!!」
 警官たちの返事が響き渡り、瞬く間に隊員たちの壁ができる、
 もちろん、僕と轟さん、博士はその後ろ側、カーディン達ですら後ろである
 「サーディン、君は車に戻って、この先はロボ形態じゃ進めない」
 「わかりました」
 サーディンが轟さんの声に返答し、両肩を上に上げて顔を閉じ、同時に両腕を180度回しつつ両肩の方に上げ、収納、
 同時に腰部も180度回して両足を外装ごと上げて、
 完全にパトカーとなりながらもタイヤのある方に倒れる
 「罠に気を付け、出発!!」
 「はっ!!」
 署長の合図とともに隊員たちが穴に向かって歩き始める
 「さぁ、行こう!」その後に轟さんが続く
 「双歩、私達も」
 「あ、うん」
 カーディンに促され、轟さんのさらに後を歩く、カーディンは一番後ろ、しんがりというやつだ、
 博士もそばにいるし、穴の外には他の隊員も待機している、何かあってもすぐに対応するためだろう、
 開いた床の中は薄青い無機質な通路となっていた、一定間隔で継ぎ目がある他、角が斜めになっている、
 が、問題は左半身側上の方、なぜかベルトコンベアが壁際に通っているのだ、
 上に乗っているのは、例によってWカード、一体どうして・・・
 一体、ここは、Wカードと何の関係があるんだろう、
 単なる印刷工場?だとするならこの先にWカードの秘密があるんだろうか・・・
 いや、Wカードの事も気になるけど、もう一つ・・・
 「轟さん、あのサーディンっていうのは?」
 地下通路を進む中で、先を歩く轟さんに尋ねる
 「ああ、彼かい?」
 と、轟さんが顔を上げた遠い目をして
 「実はね、君には秘密にしたけど、エルドガンが戻ってきて、その中で、新システムのデータを入れた二号機を作ろうってことになって」
 「二号機?」
 「そう、いくらなんでもカーディン一体と君一人じゃ何かあった時に不安だからね、カーディンが負けて動けなくなる時もあるし、君が病気で倒れたりしたらどうなることやら・・・」
 確かに、そうだけど・・・
 「で、自然と防衛のための二号機を作ろうって話になって、」
 ふむ・・・
 「でも、新システムって言ったって、どんなシステムか今だに詳細不明だろ?」
 まぁ、そりゃそうなんだけど・・・
 「それで、組み込むにしても早急にしたいし、エルドガンは他の仕事もあったから、不具合が起きづらいであろう、一番カーディンに近いカーディンタイプに決まって、」
 他の仕事、あのピアノとか・・・
 「カーディンの予備パーツやらなんやらも使って急いで組み上げられて行って、で、問題はパートナーの方だ」
 「パートナー?」
 「そ、君がいたからね、不具合が起きないように、極力状況は同じにしたい、でも、いくらなんでも民間人の子供登用するわけにはいかないだろ」
 「確かに、そうなんだけど・・・」
 「で、僕は出場したわけさ」
 「何に?」
 「サーディンパートナー決定、Wカード署内大会に!!」轟さんが気合の入った声を上げた
 はい?
 「壮絶だったよ・・・署長や・・・別のカードゲームの熟達者、捜査一課の人たちや機動隊の人たち、その他もろもろ、それらが熾烈を極める戦いを行った・・・」
 「は、はぁ・・・」轟さんの少し熱の入った語りように、呆れて物も言えなくなった・・・
 「だが、僕はそれらを押しのけ、優勝を決めた!!」
 「へ、へぇ・・・」
 「そして、サーディンのパートナーの座を勝ち取ったってわけさ、どうだい、わかったかい?」
 「ま、まぁ、一応は・・・」
 なるほど、だからあの秘密にしてた時、妙に上機嫌だったわけだ・・・
 「いたぞ!」
 突如、隊員の誰かの声と共に前に固まっていた隊員たちが勢いよく前方に散っていく!
 どうやら、先が広い部屋に通じたようだ、
 隊員達の後に続き、僕達も急いで部屋の中に入る、
 部屋は通路と同様、薄青い無機質な部屋である、しかし、三つ、ただの無機質な部屋とは違う大きな点がある、
 一つは左手の方、通路から続いたベルトコンベアが下り坂になった後、床についたベルトコンベアの台座の上まで伸びていたのだ、
 恐らくは、あそこから、ベルトコンベアでWカードを運んでいたのだろう、なぜ?
 もう一つは左半身前方奥の方中央、部屋と同じ色の、大きなコンソールがあるのだ、
 それは上が斜めで下は真四角な大きな机、その上に、中央左手側にパソコンのキーボードのようなものがあったり、右手側や手前に四角や丸や薄青や白、黒、赤、緑といったボタン類が並んでいたり、それに、奥側にレバーが一つ存在していたりしている、
 だが、これはベルトコンベア、あるいは、正面、部屋の中央に鎮座するものを操作するためのものにしか過ぎないのだろう、
 
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