カードゲームライトノベル Wカードフュージョン10話 疾走、荒野の向こう19
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「おめでとう!ブルー鷹・ネイビー!!」
「ありがとう!フォートップ!!」
フォートップがヘッドライトを点滅させると、返事を返すようにカーディンも両肩のヘッドライトを点滅させた、ようだ、視界の左右からそういう感じの光が見えた
「にしても、まさか変形型だったとは・・・」
「ぜぇはぁぜぇはぁ・・・変形型だと何か不都合でもあるの」
さっきのダメージが残る中で思わず質問してしまった
「変形型だと、非変形型より基本スペックが落ちるんだ、変形機構やらなんやら、色々組み込まなきゃならなくなるからな」
なるほど・・・
「ハハハハハ!!」
う・・・この声は・・・
上の方から鎧飛行機が飛んできて人型に変形する、畳んでいた足を伸ばし、前に閉じていた両肩を左右に開き、
コクピットの部分を後ろに回すと同時に前に下げていた頭を上げる
「よくやった!ブルー鷹・ネイビーよ!おぬしに褒美を取らせよう!」
わぁあああああ!
辺りの歓声が響く中、ガイキシンが右手を思い切り上に上げ、そこに上から大きな金属色の袋が降ってきた!が、ガイキシンはその金属色の袋を上げた右手一本で受け止め、僕達の方に降りて来、金属の袋を差し出す、
・・・ふむ・・・
降りてきたガイキシンに時折太陽の光が透過したり、周囲の光に合わせるようにちょっぴり明るくなったり暗くなったりする、
遠くから見る分には気付かなかったけど、なるほど、これはカーディンの言っていた通り、ホログラム、立体映像だ、
上から降ってきた金属袋も、よく見れば上に向かう線が付いている、あの線を操作して、袋を受け取ったように見せかけているのだろう、ホログラムや袋にカメラの類が付いてないところを見ると、僕がいることにも気づかなさそうだ
「ありがとうございます!」
カーディンが両手で袋を受け取ると同時に、その袋についていた線もプツッと切れてしまった
「皆のもの!新たなるチャンピオンの誕生に、歓声を!」
ワァアアアア!!
カーディンが両腕を思い切り振って歓声を受ける、
カーディンと一緒になって受ける歓声は・・・悪い気分ではない
「それでは失礼!」
と、ここでカーディンが両手で金属袋を放り上げ、
胸の鷹部分を上下逆に戻しつつ両腕が両肩と共に上の方に立ち戻り、腰部分が前後180度回って両足が思い切り膝を曲げるように曲げ体全体が後ろに倒れ、僕のいる助手席に後ろの運転席、それに、後部座席の左右セットが前方を向くように回転、助手席が左手の方にスライドしつつ、反対側に運転席が、後ろに後部座席が収まり、
完全にカーディンが車の形に戻る、
そして、助手席側から補助アームを出し、宙から降ってきた金属の袋を受け取って、後部の窓をほんの少しの間開けて袋を後部座席に放り込み窓を閉め、サーキットの入ってきた場所から颯爽と走り去って行った・・・
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