カードゲームライトノベル Wカードフュージョン16 新事実と目的への手がかり2
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「どこから音が出てるんだろ?」
入った場所は車がいくつも通れるような、それこそ、黒灰色の窓無しビル街を天井で区切ったような通路、
所々に黒く重厚で、つるのような金の文様の付いた、上が湾曲しているドアがあるが、その中のどこから音が出ているかはわからない
「音が出ているのはもう少し先の方だと思われる、近づけばわかると思うのだが・・・」
ううむ、そうか、何か呼ばれてるのはわかるんだけど、この音も早くどうにかしたいんだよね・・・
そのまま、カーディンが右手の方に曲がって行く、同時に、音も強まってきた、
恐らくこの先に・・・キキッ!
ブレーキ音が響き渡り、カーディンが急停止する!
思わず前につんのめってしまった
「どうしたの、カーディン?」
「静かに、誰かが、いる」
「誰かって・・・」
カーディンが少し前進し、十字路の曲がり角へ、僕が身を乗り出して前の方を見るが、誰もいない、
ならばと左手右手の方を顔を向けると、あ!左、いた!!
左手の方、少し前方、通路を一つ挟んだ先、大きな部屋の扉の前に黒い人型ロボットの兵士がいる・・・黒い卵のような頭部に黒色金模様の高そうな鎧を黒の全身タイツ風ボディの上にまとい、上に一本刃の付いた黒い棒の槍を右手に持っている、
大きさは人間の大人ぐらい、数は一体だけだ
「ううむ、どうすべきか?」
「無視して回り道を、って、まさか、あいつが見張ってる部屋の中に音の発信源があるの!?」
「その通りだ」
うへぇ、そりゃきつい、でも、一体だけなんだよね?それなら、どうにかなるかも・・・
「ねぇ、カーディン、こういうのは・・・」
少し僕の考えを伝えてみる、ゴニョゴニョ・・・
「・・・ふむ、とりあえずやってみよう」
見つかるリスクもあるが・・・
とカーディンが変装を解き、下黒上白のボディカラーに上にX字のパトライトを頂くパトカーに替わる
「よし!」
突然、カーディンが一瞬だけパトライトを鳴らし、一直線に前に走る!
と、見張りの目線がこちらに向く、狙い通り!
そして、先の建物の影の中に入り、少し遅めに先の十字路まで走り、再度左手側の方に曲がり、走り出す!無論、少し遅めに、である
左手の方に見張りが見えた
「おい、そこ!」
その瞬間、見張りの声が響き渡る
「うわっ!見つかった!!」カーディンがわざとらしく声を上げて一瞬動きを止め
「怪しいやつ!!」見張りが僕達の方に追ってくる!お~し・・・
そのまま遅めに前進、一度左に曲がりながらも、追跡する見張りとつかず離れずの距離を保ち、走る、車と二本の足であり、通路もきれいな室内である、こちらが追いつかれることは、無い、
向こうも掴まえられると踏んでいるのか、必要性が無いと考えているのかどこかに連絡している様子は無い、これからするかもしれないが・・・
と、ある一定の距離まで来たところで、一気に左手の方に曲がって建物の陰に入りながら走行音に気を付けつつまた左に曲がり次の十字分岐路へ、見張りが左方向で僕達を追って建物の陰にはいった事を確認し、見張りのいた所にまで移動して、また僕達を追って曲がったところを見て、元来た方に曲がり、音に注意しつつ速度を上げ前進、見張りをまいて引き離す!
なんてことは無い、相手にこちらのスピードはあまり速く無いと錯覚させつつ遠いところに誘導、建物の構造を利用してまきたて、そのまま一息にその場を離脱、振り切っただけである
「カーディン、速く!見張りがいつ連絡したり戻って来たりするかわからないよ!!」
「わかっているさ、しかし、扉に鍵でもかかっていたら・・・」
「その時はその時!鍵かかってるって情報得られただけでも儲けもの!!」
「そ、そうか・・・?」
そんなこんなで話している間に右に曲がり、先ほどの扉の前まで戻ってきて扉を正面にするように転回、
さらに、カーディンが助手席と運転席下から鉄の棒と丸い鉄関節、先には鉄球に端の丸い三日月型の指が三つ付いた鉄球手、で構成された補助アームを出し、そのアームで扉のつたの模様裏のドアの持ち手を持ち、ドアを押したり引いたりする、が、開かない!
「やはり、鍵がかかっていたようだ!」
「なら、ちゃっちゃとこんなとこ離れよう、この音を聞くのはもう」
ガチャ!
扉の方から何かが外れる音!?
「開いたっ!」
へ・・・じゃあ、さっきの音は鍵が外れる音!?一体どうして・・・
カーディンが急いでドアを開く!すると、そこに一人の人間が立っていた!
「な・・・何であんたがここに!!」
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