カードゲームライトノベル Wカードフュージョン16 新事実と目的への手がかり10
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「ここは前と一緒だな・・・」
上に出た先、そこは、エルドガンのいた部屋と同様の構造だった、正面に黒金の扉があり、周りを見渡すと、左手側に上に昇る階段が後ろに向かって付いていて、
右手後ろ奥にはその先に行くためであろう扉が、真後ろには受付机が付いている
「センサーには向こうには誰もいない感じだが、開けるぞ?」
「うん、お願い」
カーディンが自身の両前扉の下から補助アームを伸ばして扉のつるの部分をはさみ、扉を引き開けて行く、
ギギギギィ・・・
少し重い音を出して扉が開かれていくが、その先には左右に向かいただただ広い通路が、一切何の影も無く走っているだけである、
「どうやら、誰もいないようだな・・・」
「うん、とっとと行こう」
カーディンが前に出つつ、後ろ手にドアを閉める
バタン
後ろから聞こえた音に、一瞬チラリと後ろを見ると、確かに両開きのドアは閉まっていた
「さて、ここからどうする?」
「とにかく、右の方に行こう、」カーディンの質問に対し姿勢を戻し、言葉をつむぐ「そうすればさっきの中央通路に出る、って認識でいいよね?」
「私の方向感覚がくるっていなければそれでいいはずだ、それから、ここからは塗装を黒いものに変更するぞ?」
「わかったよ、それじゃレッツ、ゴー!」
ブロロロ・・・
カーディンがエンジン音響かせて右手の方に曲がり走り出しながら、自身の塗装を黒金でつたの模様が入った物に変化させつつ先へと進む、
そういえば、ここいらへん、きっちり四角の部屋と通路で仕切られてるけど、地下の通路はちょっと違ったよね、出入り口も少し歪んでたし・・・
と、そんなこんなしているうちにはやばやとこの城の中央大通りに着く、
左右に通じる柔らかな印象の、この通路を十数倍超えるむやみやたらと広い通路、どこも変わった様子は無いし、左右を見ても何もなかった、レオン君達すらも、
どうやら、そこまで後戻りしているわけではないらしい
「それでは、元の行き道に戻るぞ?」
「オッケー!」
カーディンが今度は左手の方に曲がり、走って行く、
まったく、難儀な話だ、本当なら、このままエルドガンと一緒に僕達の世界に戻ればよかっただけの話なのにね、
でも、そうはいかないんだ、知ってしまった以上、僕達の世界が危機にさらされることは防がなきゃならないから・・・
ん?
向こうの方に炎をまとう巨大な何かが見えてきた、あれは・・・?
カーディンがそれに近づき、避けようと左手の方の壁に寄せる
「カーディン、ちょっと、あれがどんなのか見ていい?」
「ああ、いいぞ」
カーディンが停止し、僕は右腰のシートベルトのロックを右手で外し、ついでのドアのロックも右手で解除し、左手でドアノブを引いてドアを開け、外に出て、カーディンの前からその炎の所まで走る
それは、台座と大地に突き刺さる巨大な炎の剣、轟々と刃の部分が燃え盛る片刃の剣が、刃をこちらに向け、突き刺さっているのだ、
「凄い・・・」
「なるほど、レーヴァティンとはそういう意味か・・・」
へ?
思わずカーディンの方を向く、
「どういうこと?、カーディン」
「レーヴァティンとは、伝説の中で、炎を司る者の配偶者が管理する武器、と伝えられる、それゆえ、炎の剣として描写されることも多い、一体誰がこんなものを鍛えたのだろうか・・・」
「へぇ・・・」
感心しつつ、視線を炎剣の方に戻す、
炎の剣は、天高くそびえたっており、やはり、先の方が見えなくなっている
そうだ!!
「双歩、そろそろ」
カーディンが何か言いかける間に、右手でジャケットの左内ポケットからデッキケースを取り出し、
右手親指側のスイッチを押しまくる!
スー!
微かな音が響き、デッキケースの中から上にカードが出てきた!
さて、今回でてきたカードはこれ!
ついでに、前回回収し忘れていたカードは、これ!
レーヴァティン・イグニッション!!殴って殴って殴って殴って・・・!!
出てきたカードを左手で急いで取り、右手親指でデッキケース前面上の方に指を入れてデッキケースの上前面から上のふたを引き開け、左手のカードを入れて、閉める!
そして、カーディンの方に向き、
「ごめんごめん、出発しよう!」
カーディンの方に戻って、左手で助手席のドアを開けて乗り込み、ドアのロックを押してかけ、右手で左肩上からシートベルトを引き出して右腰の金具に付ける、と
「再び、出発だ!」
カーディンが剣を左前輪側に避けながら、先に向かってタイヤを回して走る、そうだ!今のうちに!!
両手で後ろの後部座席の鉄色のショルダーバックを引き出し、上方のチャックを右手で左側から右側に開け、
左手でショルダーバックの中にあるカードアルバムを取り出し、右手でショルダーバックを床の方に置き直し、そのままその手で左内ポケットからデッキケースを取り出し、デッキケースを持ったままカードアルバムを開く、
さて、どういったデッキがいいやら・・・
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