バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

戦獅との決着/19 カードゲーム小説WカードFu

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カードゲームライトノベル Wカードフュージョン15話 戦獅との決着19
 
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 「これ・・・は・・・」
 響いたのは、何かが割れる二つの音と金属の何かが落ちる二つの音、
 ズドン!!パサン・・・
 今度は、奥側の通路右手の方にレオVカーディンが着地する音とレオン君が落ちる音である、
 しかし、一刀両断されたはずなのになんで血の一滴も流れてないんだこいつは・・・
 レオン君の右手前、金属が落ちた音が響いた方を見ると、そこにあったのは、金の剣の切っ先と、白い兜の前頭側半分である
 「すまない、双歩」
 「カーディン?」
 見ると、レオVカーディンがこちらと、レオン君の方を向き
 「どうやら、あの一瞬でレオリングが咆哮し、ギリギリで助けたようだ」
 なるほど、そういう事か、レオリングがうまい具合に咆哮、レオン君の体の角度を変えてレオVカーディンの剣から助けたと、兜の方まで切られていたということは相当ギリギリだったに違いない
 と、いきなりレオン君の鎧が外れて行く、
 両肩の後ろ側が空いて胴部の鎧が下に行くとレオン君の体から上に外れて肩と肩の後ろ部分が奥に行くと共に顔部後ろに全てまとまるように閉まり、
 両足の物も外れてつま先が内側に戻って両後ろ足も胴部と関節が接合するように戻り、内側に兜を入れ、尾の部分も戻るように三方向から一体化、
 同時に両前足が胴前部の両端に戻り、上下の胴が一つとなりながら、通路中央側で僕の方を向くように移動しつつ大きさも元に戻る
 「グルォオオオオ!!」
 そして、こちらを威嚇するように吠えた!その後、レオVカーディンの方も一瞬見つつ警戒する
 「うっくっ・・・まだだ・・・」
 すると、レオン君がレオリングの声に気が付いたのか、両手を地に付け
 「グルォッ!?」
 レオリングが振り向いて様子を見る中で立ち上がろうとしつつ、カードの回収し終わったデッキケースを緑の半透明の板から掴み
 「もう一度・・・」
 バタン
 力無く、倒れ尽きた、今までのダメージが多々溜まっていたのだろ
 「体に力が・・・お腹の、調子が・・・」
 グキュルルルル~
 は?今の、レオン君の方から聞こえた音は?
 「今のは胃腸が活発に活動する時鳴る音で、空腹期収縮時に起こると言われている、つまり・・・」
 「あ、ああ、なるほど・・・」
 思わず右の口角が引きつくのがわかる、ううむ、仕方が無いなぁ・・・
 「カーディン、車の形態に戻って、食料、中から出して」
 「うむ?だが・・・」
 「いいから」
 「グルォ」
 「おっとぉ!!」
 警戒しカーディンを見るレオリングに向かい、僕の方もカード回収の終わったデッキケースを右手に取り、レオリングの方に向ける
 「変な動きをしたらすぐに攻撃するからね、まさか、レオリングもレオン君がこの状態で戦うほど愚かじゃないでしょ?」
 「グルォォォ・・・」
 レオリングが動きを止め、こちらを見据えてくる、よしよし、どうにかなりそうだな・・・
 その間にも、レオVカーディンは僕の方に跳躍して着地し、レオン君の方に振り返る、と、上から兜が外れながらカーディンが射出、車形態となりながら地上に着地し、運転席側から補助アームを展開しつつ後部座席の窓を開け、中から何かを取り出しレオン君の方に伸ばす
 持っているのは・・・少し平べったい丸い包み紙、あれは、クリスタバーガーか・・・
 と、レオン君がチラリとそれの方を見つつ、左手に取り
 「その包み紙を取って・・・」
 僕が言った瞬間、その口で包み紙を破り取り、中から出てきた、石のようなパンズにハンバーグ型の濃紫の宝石と石のような葉菜を挟んだものを、思い切り、かじる!!
 「ちょっと!!」
 あれは石のような硬さだぞ!そのまま食ったら歯が文字通り立たない
 ガシィ!!
 が、僕の心配とは裏腹に、レオン君はものの見事に一歯でクリスタバーガーを噛み切り
 ボリボリボリ・・・
 思う存分咀嚼していく・・・
 ええ~・・・
 そして、いきなり右手のデッキケースを取り落とし、残った部分に喰らいついていく!!
 ガシガシガシ・・・
 全て喰らいつくすと、両口角を微妙に上げ両目端を微妙に下げた至福の表情を見せ
 「うっ!!」
 のどに詰まらせた!
 ええいもう!!水分の無いもん一気に喰うから!!
 「カーディン!水!」
 「了解!」
 カーディンが後部座席からペットボトルのような容器に入った水を取り出し、レオン君の方に渡し、
 あ、レオン君、蓋の取り方は・・・
 そう思った次の瞬間には、レオン君は容器をふたの下部分に親指を突き入れ、容器を破損する勢いでふたを取り去り、大きく上に容器を上げて中身の水を飲んでいた
 あ・・・ああ・・・
 そして、容器の三分の一ほどを飲み
 「ぷはぁ!!」
 思う存分爽快そうな声を上げると、ポケ~っと、またさっきの至福の表情に戻る
 まったく・・・
 グキュルルル~
 ・・・あぁ、えっと・・・
 「カーディン、残った食料、ありったけ」
 「了解した」
 かくて、カーディンが自身の後部座席の中から、いくつもの紙袋が取り出され、
 それらをレオン君が破って中身を取り出し、口に放り込んでいく、
 さっきのクリスタバーガー以外にもキャベツのような球体やバナナのような端の丸い三日月形が連なった物など、
 僕としてもどこかで見たものも多いが、共通しているのは全てが石のように硬いというものである、
 時々詰まらせるような動作を見せるも、すべてさっきの水で対応していく、
 ・・・しばらく後、というかあっという間に・・・レオン君は全ての食糧を喰い切った・・・
 「いやぁ、ここまで満ち足りた気持ちになったのは初めてだ」
 満ち足りまくった表情でいけしゃーしゃーと言い放つ、まったく、
 が、いきなり後ろに倒れ
 バタン!!グーグーグー・・・
 目をつむり、安らかな表情で眠り始めた、もうわけわかんない!!
 「レオリング?」
 「グルォッ?」
 そんな様子をどうしていいかわからないといった体で見ていたレオリングを呼び止め、レオリングがこちらの方を向く
 「後の事お願い、寝てるとこ起こしちゃだめだよ」
 「グルォッ!?」
 「行こう、カーディン」
 「了解した」
 戸惑うレオリングを前にカーディンは補助アームで猫の入った鞄を回収し、その補助アームをしまいつつバックして僕のそばまで来て
 そこで僕は助手席に近づき、左手でドアを開けて中に入りつつ扉を引き閉め、左肩上のシートベルトを右腰の方の金具に持ってきて止め、ドアのロックを押し閉める
 刹那、カーディンが走り出し、レオリングとすれ違いながら改めて城の奥へと進んでいく・・・
 「すまなかったな、双歩、せめて、レオンかレオリングを一時行動不能には」唐突に、カーディンが話しかけてきた、でも、僕は・・・
 「いいよ別に」
 「ん?」
 「元ロボットとはいえ、さ、人間を斬るのは、なんか、目覚めが悪いじゃない」
 「・・・そうだな・・・」
 言って、僕達は奥へと進む、城の奥へ、ただ、ひたすら・・・
 
Wカードフュージョン15話 戦獅との決着
 
FINISH!!
 
Wカードフュージョン16話 新事実と目的への手がかり に、続く!!
 
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