カードゲームライトノベル Wカードフュージョン8話 戦獅の咆哮19
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「レオリングゥウウウ!!」
レオン君の声がこだまするとレオン君は即座にレオリングに走り込み、顔を伏せて赤から白に戻るレオリングを心配そうに見
「グルォォォ・・・」
レオリングの弱々しい声が響いた
「よかった、まだ大丈夫のようだな」
「いいや、君たちはここで逮捕させてもらう!!」
LVカーディンがレオン君とレオリングを見据え、右手の剣を前に構えて、油断なく、レオン君とレオリングの方に近づいていく
「双歩君!カーディン!!」
突如、レオン君のいる場所だいぶ後ろ、病院の右側向こうの燃える植木の影から轟さんが走り込んできた!
轟さんっ!?
僕が一瞬目を向け、LVカーディンが植木向こう側の轟さんを見て足を止めた、
次の瞬間、レオン君がレオリングの胴体まで走り込み、左手でレオリングを抱えて上に跳ぶ、
ああ、しまったっ!!
LVカーディンが走り込むがもう遅い、レオリングを抱えたレオン君を向こうに立つビルの上まで跳び、そのまま建物の上を跳び伝って離れて行く・・・
「あ・・・あれぇ・・・」
轟さんが跳んで行くレオン君達の方を向き
「僕、何かやらかしたかな・・・」
僕達の方に苦々しく苦笑した顔を向け、病院の植木の燃えている部分を避けて少し向こう道路側まで行き、
燃えていない植木をまたいで僕達の方に駆けてくる
「轟さん!どうしてこのタイミングでっ!?」
「いや、僕は病院の人達の避難が完了したからこうして君達の様子を・・・」
「双歩、轟巡査、どの道、あの二体は逃がすしかなかったでしょう」
え?カーディン?
「ああ言って威嚇はしましたが、レオンがレオリングをああやって運ぶほどの身体能力を持っていて、向こうに引く意思があった以上、倒すことも、捕まえることも困難だったかと」
う・・それもそうか・・・
「ま、僕もタイミングが悪かったことは謝るさ」
轟さんが申し訳ないんだか申し訳なく思ってないんだかよくわからない口調で話す、けど・・・
「ううむ、仕方ないな・・・」
「じゃ、納得してもらったところで、僕の報告をしていいかい?」
報告ねぇ・・・
「なんですか?さっきは病院の人達の避難が完了したって言ってたけど・・・」
「私にも説明をお願いします、轟巡査」
轟さんが微かに頷きつつ
「うん!今までずっと病院の人達の避難の誘導をしていたんだ、君たちが戦ってる間にね、もちろん、双歩君の恋人も避難させた」
「なっ、映命さんは恋人なんかじゃ・・・」
「おや、僕は別に誰が恋人かなんて言ったつもりはないけど?」
なっ・・・
「うるさい!!」
思わず怒鳴ってしまった、ううむ・・・
「はははっ!」
軽く笑う轟さんだが、不意に目と口元を引き締めた真面目な顔になり、LVカーディンの顔の方を向き
「さて、冗談はここまでにしよう、カーディン、でいいんだよな、胸にレオリングの顔があるけど・・・」
「はっ!!」
LVカーディンが気をつけしつつ右腕を外側に伸ばし剣を握ったまま右ひじを曲げて額に右拳を当てる
「問題なくカーディンであります、これは、双歩提案の新しい合体形態であります!!」
「そ・・・そうなんだ・・・」
ん?どうしたんだ轟さん、少し声が震えてるけど・・・
「轟さん?」
「あ、いや」
轟さんが僕の方に振り返り
「少し驚いただけ、敵側の兵器を取り込むなんて、すごいというかなんというか・・・」
まぁ、初見だと驚くよね、僕も思いついたときは驚いたもの、一か八かの賭けだったし・・・
しっかし、なんで合体できたんだろ、純粋に疑問だ・・・
「轟巡査、報告の続きを・・・」
「ああ!そうだった!!」
轟さんが再びLVカーディンの方に向き直り、
「で、とりあえず、全員の避難は完了させた、大変だったよ、緊急治療室の人とか、簡単には動ない人がいたりとかね、」
そりゃあ、病院だし・・・
「それでも、確認が取れる人は全て避難させた、レオンの追跡も、別の警官たちに連絡すればいいし、この炎も消防署に連絡すればいいだろう、カーディン!!」
「はっ!!」
LVカーディンがまたも額に、剣を持つ右手を持ってきて敬礼する
「他の警官隊への連絡は僕がするから、消防署への連絡は頼んだよ!!」
「すでに火事が起こった際に消防署に火事が起こった地点を連絡しております!!」
いつの間に・・・
「そ・・・そうか・・・それじゃ、僕が警察に連絡すればいいだけか、っと、その前に・・・」
轟さんが崩してしまった真剣な顔を戻しつつ、僕とLVカーディンを見る
「二人とも、ジョーカーが来てなかったかい?」
「へ?」
「なんですって?」
僕とカーディンは、驚き、声を上げた、
一体、どういうこと!?
「その反応、どうやら、ジョーカーは来なかったらしいね、てっきり、こっちの方に来て、レオンの援護をしている物だと思ってたんだけど・・・一体どこに行ったんだろう・・・」轟さんが右手を口元に当てかけて
「轟さん、それって・・・?」るところ思わず質問を投げかけた
「あ、ああ・・・実はね・・・」
轟さんが右手を下ろしつつ改めて、僕とLVカーディンを見据え
「いなかったんだよ、ジョーカー、確かに扉をぶち破って中には入ったようだ、中にいた人もそう証言してる、けど・・・」
「けど?」
「扉から入った後、姿を消したんだ、例のステルスモードとか言うやつかもしれないけど、避難で忙しかったとはいえ、僕が見た限りじゃ、病院内で悪さをした痕跡も無かった・・・」
痕跡も無かったって、じゃあ、何のために病院に・・・
ピルルルル、ブツッ!!
突然、LVカーディンの胸部から電話のコール音のような物と通信が繋がる音が響く
「カーディン!双歩君、轟君、聞こえるか?」
そしてその後、僕達を呼ぶ声が響いた、この声、博士の声!?
思わず、僕達はLVカーディンの胸部に目を向ける、
「聞こえてますよ博士!」
「聞こえてます、博士!」
「聞こえてるよ、博士」
「おぉ、全員居るようじゃな、なら早く戻ってきてくれ、緊急事態じゃ!!」
緊急事態!?一体・・・
「博士、何があったんですか!?」
「いきなりジョーカーが研究所に現れたんじゃよ!!」
ジョーカーが・・・研究所に?
一体・・・何のために!?
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