バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

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参上、ブラックカーディン/8 カードゲーム小説WカードFu

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カードゲームライトノベル Wカードフュージョン12話 参上、ブラックカーディン8
 
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 「ううう・・・仕方ありませんねぇ・・・いいですか・・・、まず、次元の穴というものは次元修復力というものがあり、双方向性タイプの装置で無い限り、次元修復力と維持力によって、一度開けるとしばらくは再度開けられなくなります」
 「ほぅほぅ、なぁるほどぉ、それでぇ?」
 「双方向タイプなら開けられる回数も増えるんですけどねぇ、それだと向こうの方にも装置置かなきゃならないんで、破壊されるリスクがあるんですよね、それに、いくら回数増えるって言ったってほんの小規模なもの、小さめの箱一個通るかどうかというもので大規模なものはたくさんは出せないんですよね」
 なるほど、僕達が通ってきたのはそれだ
 「修復力と維持力を超えて開けてもいいんでしょうけど、開けたらどうなるかわからないし、超えられる装置が無いし、あ!そういえば!!」
 そういえば、何だ?
 「最近唯一の双方向性タイプが機能しなくなったっていうじゃないですか、なんでも向こう側が占拠されたとか」
 「ほほぅ、そぉうなぁのかぁ」
 「ええ、ええ、そうですよ、それでですね、いっぺん行ってどうなってるのか見て見たいなぁと、状況がちょっと不自然なんで、もしかしたら向こうの新兵器とか考えちゃってもうね、もしそうならぜひデータ取りたくてこれこそ科学者冥利に」
 ん?ちょっとこれは・・・小声でカーディンに忠告を出す
 「カーディン、話、脱線してない?」
 「おっと、そんな感じだな」カーディンも小声で返し
 「おぃい、実験の、内容はぁ、どうしたぁ?」
 「ああ、ああ、すみません、ついつい語っちゃいましたね」
 白がっぱロボは頭を少し下げるもすぐに戻し
 「では実験の内容でしたね、このあたりに少しの次元の歪みがあることは教えたはずですが?」
 「おぉう、そぅなぁのかぁ」
 次元の歪みがこの辺りに?
 周りを見渡してみるがそんな感じはしない、そういう穴っぽいものの開いてないし・・・
 「そもそも、次元というものはどんな場所でも多かれ少なかれ歪んでいる物なのです、どんなに真空状態でも人工的にそういう場所を作らない限りチリが何処にでも存在するようにね」
 「そのぉたとぇはぁよぅ、わからんなぁ」
 「わからなくて結構、まぁ、歪みは差はあれどこにでもあると分かって下さればいいんです」
 「そぉなのかぁ」
 次元の歪みが何処にでもあるだなんて話、聞いたことないけど・・・?
 よく考えりゃ、次元の歪みなんて物自体、あんまり聞いたことないけど・・・そう考える間にもわずかに合羽ロボのテンションが上がり
 「でですね、この辺りはその歪みが大きい場所なんですよ」
 「なぁにぃ!?」なるほど、それでこの辺りに次元の歪みがあると・・・
 「まぁ、比較的、という言葉が付きますけどね、さっきも言ったようにどんな場所にも次元の歪みは多かれ少なかれ存在しているんです、それらは波のように常に揺らいでいるのですが、やはり、揺らぎの大きい場所、小さい場所というのがありまして・・・」
 「ほぉう、ここが大きい場所だと・・・」
 「そうですよ、どうしてかは・・・あ、」
 突如白合羽ロボットが左手側の方のコンソールの方を向き右の手を上げて誰かを呼ぶように「ちょい!!」振り
 「はいはい!!」今度は同じ格好したロボットがこっち向いてきた・・・
 「話聞いてたでしょ!ここがどうして揺らぎが大きい場所か、後、さっきの実験の内容も説明したげて!!」
 「しょうがないですねぇ・・・今回だけですよう!!」
 そう言いつつも、ものすごく語りそうな口調だ・・・
 「そもそも、この辺りには古い時代、と言っても人間がいた時代の事ですがね、この辺りには祠があったそうで」
 「ほぉこぉらぁ?」祠?
 「この辺りは行方不明者が多かったそうですよ、逆に、まったくの身元不明人が現れることもあったとか、まぁ、伝承ですけどね」
 それって!?
 「私はこれが次元の歪みに巻き込まれて向こうに行ったり、こちら側に来てしまった人間じゃないかと推察しています、まぁ、証拠とかないんですけど・・・」
 そんなことがあったんだ・・・
 「もし!!仮に!!これを制御することができればぁ!!異世界の存在ともコンタクトを取れるように!!」
 ははは・・・
 「祠はそれらの、ええっと、人間でいう、神隠しですか、そういうのを鎮めるために置かれていたようですね、おっかないんで、今でも動かさずに、基地からちょっと離れたところに安置してますよ、ええ」
 いいんか、そんな祠あるのにこんな次元に穴開ける実験して・・・
 「ああ、実験の内容でしたね、それは右の方のこの実験の責任者からどうぞ!!」と言って、右手を僕から見た左の方に出す
 「責任者じゃなくてちょっと偉いだけだ!、まぁいいでしょう、語りましょう!!」
 これまた同じ格好をした別のロボットが腰に両手を当て自慢げに胸を張る
 ようやく本題に行く・・・
 と、そのロボが一つ右手を口元に丸め当て咳払い
 「こほん、」こちらを見据え「この実験の目的は、次元の歪みを実際にこいつで利用できるのか、利用したとしてこの先にあるものは何か?ということに尽きます!!」
 利用できるか否か、行く場所は、か、
 僕達が知りたいのはそこなんだよね、利用できないなら手を出す必要ないからとっとと脱出すればいいし、
 僕達と無関係の場所なら、向こうの存在達には悪いけど、今は構ってる余裕無しだし・・・
 「前回の実験は見事に失敗!次元の歪みの復元力のせいでしばらく実験不可!しかぁああし、絶対にものにして見せましょう!!」
 ふむ、破壊しろってことだな
 「そして、歪みの先はやはり、今私達が侵略している人間たちの世界、リュッケン様たちが手こずってるあそこです!!これを上に報告した時には、実験は何としても成功させろとお言葉が来ました!!」
 きまり・・・だ・・・
 「しかし、再実験の期間がわかるまでひとっ走りしてくると言ったあげく、もう入ってこないように守衛にその日時を伝えたのに結局入ってきてこの態、あ、いえ何でもないですよう」
 なにぶつくさ言ってんだ?
 と、そこでいきなり右人指し指を手ごと振り上げ
 「ああ、そういえば今思い出した、あの・・・そう、双方向性が設置されてる場所じゃない方、あっちの方どうなってるんでしょうかねぇ・・・何か知ってません?」
 え!?ちょっと待って、双方向性じゃない方!?それって、僕達の街に直に攻め入ってきた方か!!
 これはチャンスだ!僕たちはそっちの方にさらわれた人を救い出しに行く最中なんだ、映命さんのために・・・
 「カーディン!」「わかっている、聞きだすのだろう?」「おねがい」「おぉおい!!」
 「はい?なんでしょう?」
 先ほどの左手側の白い合羽ロボットがじーっとどこか不思議そうな顔でこちらを凝視してくる
 「そぅいぇばぁ、その双方向性が設置されてる方じゃない方、一体どこだったんだっけか?」
 「あれぇ、あなたも度忘れしたんですか?実は私もなんですよはっはっはっ!!」
 え?さっきその場所を言わなかったのって単に忘れてたせいか!?
 「いやいや、年のせいか最近物忘れが激しくって、何年も研究所のシステムやったり助手やったり研究員やってたりしてましたからねぇ・・・」
 一体どれくらいやってたんだ・・・?システムから・・・?
 「ええっと、あの場所は・・・あ、そうだ、あそこ、え~っと・・・」
 早く思い出してくれい、それとも、他のに訊いた方が早いだろうか・・・
 「ほらあそこですよ!!」
 お!最初に話しかけた手前の機械にいる奴が物言いしてきた、これなら・・・
 「って・・・あれ!?」
 おお~い!!
 「何忘れてんですか!!」
 今度は二番目に話してきた右手側の奴!
 「思い出させて差し上げましょう!!それは・・・」
 「おい」
 聞こえた声は、やけに刺々しく背後から刃物で刺すような声だった
 
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