カードゲームライトノベル Wカードフュージョン12話 参上、ブラックカーディン7
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「これは!?」
「こいつは・・・!?」
そこで見たのは、見覚えのある大きな輪っか、
幾多もの大小様々な白く四角い機械で作られた輪っかだ、
しかし、いくつもの四角が欠けていて、そこから黒や青や赤のコードが下に伸びており、その先に、周り三方から囲うように白色のコンソールが付いている、
全体が白くて上が斜めの箱状の機械で、その上の方にパソコンの様にキーボードや画面が存在しており、
そのコンソールがこの部屋、正面と左右の壁上方にこちらを見るような横に長いガラスが付いた機械的な壁床天井に囲まれた青い箱状の部屋の中にあってそばにそこそこの数白いかっぱのようなフードで体を覆った人型体系の黒いロボット達がいたりする、
「ねぇカーディンこれは・・・」
「ああ、間違いない・・・」
「僕達が次元を超えてきた輪っか・・・」
「うむ・・・」
未完成だが間違いない、あれを通って僕達はこちら側に来たのだ、
いや、正確には完成したあの機械に、である、
見たところ、いろいろなパーツが欠けており、どう考えても未完成、調整中といった趣だ、
僕達が知っている輪っかはさらにこれに輪っかの欠けたパーツに土台に頭と両手と尻尾におまけに隔壁までついてこっちに襲い掛かってきた、
それに比べれば未完成なのは火を見るより明らかである
「双歩、これからどうする?」
「決まってるでしょカーディン、こんなものをいくつも残しておくわけにはいかない、出来れば・・・」
「破壊、か?」決意を込め、首を縦に振り、
「うん」
カーディンに返す、
僕達の世界に進行するための足がかりをこれ以上増やされては迷惑だ、ここのロボット達には悪いが、破壊させてもらおう
「しかし、無闇に破壊する、というわけにもいかないんじゃないか?前回は確保するのが目的だったからいいようなものの、もし、向こう側の世界に何か問題があったら・・・」
「そうだね・・・ちょうど詳しそうなロボット達もいるみたいだし、ちょっと、あの黒いののふりして情報を引き出してみようか」
「もし、情報を引き出せずにこちらの正体がばれた場合は?」
「ううん・・・」
カーディンに訊かれ、輪っかの方を改めてみる、
輪っかの方では、今、向こう側に行くための穴は開いていないように見える、
もし、穴が開いていたら、輪っかの中に宇宙のような渦が見えるはずなのだ、ここも同じような物なのかは知らないけど・・・
仮に、穴が開いていないということならば、僕達の世界に干渉していない、という事ではないだろうか?
それに、何度もここに潜入できるとも限らないし、ここは・・・
「今なら、僕達の世界や次元の壁には干渉していないように見える、それなら、どさくさに紛れて・・・」
「出来る限り壊す、か、」
「いける?」
「やってみよう」
カーディンが走り出し、手前の箱機械、そこでカチャカチャとキーボードを打つロボットの一体に近づく、
近くで見ると、白いフードの下には枠が鉄で大きな赤い丸レンズで構成された眼と、蛸口のような鋼鉄の口が象られている
「おぉう、ごくぅろぅさぁん」
「おやめずらしい、文句ばっかりのあなたが私達をねぎらうとは、何が狙いで?」
ああ、あの黒いの、ねぎらうとかしないのか、
よく考えりゃ荒っぽい口調で黒くていかにも悪そうなんだからそんなことしないに決まってるっ!偏見!!
「ほほぉう、わかぁっているじゃあ、ないかぁあ」
カーディンが臨機応変に話を合わせて行く
「そうだなぁ・・・こいつは、まだ未完成なんだよなぁ・・・」
「ええ、ええ、そう言ったはずですよ、」
やはり、まだ未完成だったか・・・
「さっき実験したばかりなのにもうお忘れで?」
「いぃやぁ、忘れちゃいねぇさ、だが、実験の内容は度忘れしちまってなぁ」
よし!うまいぞ!!実験の内容が聞ければ破壊していいかどうかもわかるかもしれない
「何ですかそれ、あなた私より年下でしょう、もう記憶装置に劣化が来たんですか、大体ですねぇ・・・」
「おぼぇたくねぇもんはぁ、おぼえねぇ!!」
「がふぅ!!」
なんだこりゃ
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