カードゲームライトノベル Wカードフュージョン12話 参上、ブラックカーディン5
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「あれ?もうお帰りですか?」
声をかけてきたのは金網の門正面、その左手側にいる両手に銃を抱えたロボット、
細長いシルエットで三角の下腹部と簡素な鎧のような胴部の間に大き目の球体関節が入っていて、
細い腕足は手足部が鎧の手足のようでその上の膝肘の関節が球体になっておりその先胴部までが鉄パイプのようなもので繋がり、
顔はこう・・・鉄のごみ箱を上下反転させ、正面下の方から四角く奥ごと切ってうえしたにスライドする口の部分にし、
目の部分には黄色い平丸ガラスをはめて両眼として、
両手にはスコープやマガジンの付いた大きめのサブマシンガンを持っている
「いつもは五時間位戻ってこないのに・・・」
口がパカパカと動いて喋ってくる、
ふむ、五時間位はたぶん大丈夫、と・・・
「いや、思ったより走りづらくてな、少し休もうかと・・・」
「どこかお加減でも?」
「いや、道路のコンディションが悪いのだろう、出鼻をくじかれて気を悪くしてな・・・」
「おい!」
うわっ!なんだ!?
いきなり右手の方から呼び止められ、そちらを向くと、そこにいたのはもう一人の守衛、
ちょうど、話してた守衛の関節部以外を肥大化させたような見た目である、こちらは動きを犠牲にした代わりに防御能力を高めているのだろう、と、こっちも口をパカパカさせ
「本当にいつもの奴か、いつもはもっと荒っぽいじゃないか!」
う・・・するどい・・・そっか、あの黒いの荒っぽいのか・・・
ええっと、どういえばいいだろうか・・・そうだ!極力小声で・・・
「いいカーディン、僕の言うとおりに言葉を続けて」
「わかった」
カーディンもつられて小声で返してきた、では、こほん・・・
「はっ!、荒ぶる魂を抑えるために優しく話していたのによう、それほどまでにコンディションが悪かったんだよう」
「え・・・言うの?」カーディンが戸惑った声を出す
「言って」すかさず返す
「え~じゃあ、こほん」
「はっ、荒ぁぶうぅぅる魂を抑えぇるために優ぁ~し~く話していたのによう、それぇほどまでにコンディショォンが悪ぅかったんだよう」
そこまでやれとは言ってない気が・・・
「はっ!」細いほうが右腕を外側に伸ばした後額に向け敬礼までしてきた「お心遣い、感謝します!!」
いいのか・・・?
太い方はこっちの方をじ~っと見て、
あれ、こんなだったっけ・・・?
というのを目線からもろに語っている、仕方がない、
「まだ文句があるというのか、感情が高ぶってしかたないんだ」
「まぁだむぉん句があぁるぅといぃうのかぁ、感じょぉうが高ぁぶってしかぁたないんだぁ」
いいのか・・・?
「はっ!」今度は太い方も右手を外側に伸ばして額に持ってきて敬礼をし、「失礼しました!!」
返してきた
いいのか・・・?
「なぁらばぁ~今すぅぐここをあけぇええええい!!」
「はっ!」「はっ!」
左右のロボットがその左手と右手をゲートに当て、中央の金網ゲートを開けて行く、
・・・以外にも人力(?)いや、原始的だ・・・
「じゃあぁなぁ、あばぁよぉ!!」
むやみやたらと力の入った言葉を発するとともにカーディンが前方に走り出す
「さて、ここからどうしようか?」いきなりカーディンの口調が元に戻る
「頼むから・・・いや、なんでもない」
いきなりテンション変えるのはやめて欲しいと言いかけやめた、またさっきの口調に戻られても困るからである、
「ええっと、とりあえず、次元の歪みの反応は・・・?」
「おそらく、中央の方から出ている」
「ならそこから、時間はそこそこあると思うけど、油断はできないしね、早い目に調べて退避したい」
「ああ、そうだな・・・」
やはり、カーディンも向こうがどうなってるか不安なのだろう、口調からそれが伝わってくる、
実際、あの次元の歪みを正す機械と轟さんとサーディンにすべて預けてきた格好になってるからなぁ、
もし、あの歪みを正すピアノの機械の効果範囲外に出たとしたら・・・
ありえない話ではない、現に僕達が知る限り次元の穴は二つの地域に出て来ているんだから、それ以外の場所に出てくる可能性も大いにあるわけである、
そうなれば轟さんとサーディンでどうにかできるとは・・・
いや、考えない考えない、それを調べにここまで来てるんだから・・・
と、そんなこんなで中央の建物の前まで来る、
よく見ると、四角というよりも少し台形に近く、上の方奥まったところに目の字が二つ並んだような茶枠の窓が見え、
正面のこれまた少し奥まったところに重厚な扉が見える、
扉には機械的なやたらと凝った意図が施され、中央に直線を縦に並ばせたジグザグの割れ目が入り、その割れ目と門まわりにまっ平らな枠が付いている
「ピピッ!未確認車両・・・ただ今、認証中・・・」
ん?
右手上の方を見ると、上壁を四角く穿つように作られたスペースのこれも奥まったところにビデオカメラが付いていた、
あれは・・・監視カメラか?まずいな・・・
「カーディン!」
「まて、いきなり拒絶はしてこなかった・・・・これは・・・?」
「認証・・・認証・・・該当データ発見、扉、開きます」
ほっ・・・どうやら、一応はごまかせたようだ・・・
突如、監視カメラを頭として、鉄骨のように細い体と球体の関節を持つロボットが壁から飛び出して来た!
ボコッ!
!?
そして、そのロボットが扉の正面に走って行き、その扉の下に両手を入れ、力を込めて持ち上げて行く!
ゴゴゴ・・・
じ・・・人力~!!
にしても、監視カメラ上のデータも同一なんて、一体あの黒いのは何者なんだろうか・・・?
まぁ、今のカーディンは黒色のに擬態するために黒くなってんだけどね
ゴゴゴゴゴゴ・・・・
そんなことを考えているうちに、正面の扉が開いていって・・・
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