カードゲームライトノベル Wカードフュージョン11話 策謀の中の少女14
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カーディンが叫んだ瞬間、ドライヤギュッに向かって走り込んで思いきり右足で蹴り飛ばす!
「いけぇ!!」
ドライヤギュッがガトリン牛に飛んで行く!
「そう何度も喰らうかよ!」
しかし、ガトリン牛はルストに距離を詰める形で前進しつつドライヤギュッを回避!走りながらガトリング銃の照準を合わせ直す!
「うぉおおお!!」
そこに追撃とばかりにカーディンが突っ込み、その右拳を振り上げ、ガトリン牛の左頬に叩き付けた!
「何だとっ!?」
ガトリン牛が飛ばされ距離が空き、狙いが外れる、
右手でチャージゾーンの表側表示のカードを裏に返し、
「リチャージ!」
「この野郎!」
急いでガトリン牛がカーディンにガトリングを向け発砲!しかし、カーディンには効いていない!そのままカーディンが走り込む!
「ちぃい、牽制にもなりゃしねぇ!ドライヤギュッ!!」
ドライヤギュッが着地しつつ背中のブースターをカーディンに向け蒸気を噴出!
「うおっ!」
そのせいでカーディンの視界が閉じられる!
「そこだぁ!!」
そこにガトリン牛が左の拳を振り上げ、カーディンの胴に叩きつけて吹き飛ばす!
「ぐぅ!」
カーディンは多少ダメージを受けたもののすぐに着地
「うぉおおお!!」
ガトリン牛に向かって行く!
続けて、右手で山札の一番上のカードを、引くっ!
「ドロー!」
「ちぃい!行け!ドライヤギュッ!!」
これに対し、ガトリン牛がドライヤギュッに指示、ドライヤギュッが背中のブースターから蒸気を噴き出させカーディンに突進していく!そこにルストが横入りし頭の杭を射出!ドライヤギュッを右前足側に吹っ飛ばした!
「ドライヤギュッ!?」
「はぁああ!!」
カーディンがガトリン牛に向かい右回し蹴りを仕掛ける!
「このぉ!」
ガトリン牛が両手のガトリングを振り回し、カーディンの蹴りに当ててきた!カーディンの蹴りとガトリン牛のガトリング砲は弾かれ、一旦互いに後ろに跳んで距離を取る、
さて、今引いたのは機械荒野の流れ石!でも、このターンは使わない!
機械荒野の流れ石を左手の手札に加え、このターンは・・・こいつだ!
左の手の手の札から右の手で一枚引いて1番に裏側で置き、
続けて、左手の手札からバトルマシンズフルブーストを引いてチャージゾーンに裏側で置いて、
「セット!」
不意にガトリン牛がカーディンに向かって走り出す!
「来るかっ!?」
がそこに一気にドライヤギュッのブースターの蒸気が吹きかかる!
「うわっぷ!?」
さっきの駆け出しはフェイントか!?その間に蒸気のすき間からガトリン牛がガトリングを上に上げているのが見える、
そうか、カーディンがひるんでる隙に召喚した奴に攻撃させる気か、ならこっちも!
右手で1番に裏側で置いたカードを表に!
「オープン!バトルマシンズ ライフブレイカーS・L!!」
ガトリン牛がガトリングガンから弾を乱射する!!
すると、いきなり左手向こうの方から蒸気を切り裂き黒い石球がカーディンに向かって飛んで来た!デコボコで石炭のような、鎖付きの石球!
「ん?」
空気を切る音で気付いたか、カーディンが石の球の方を向くも、すでに石球はカーディンの目の前にまで来ていた、
そこに黄色ふちで藍色の機関車が右手側からきて石球を吹っ飛ばす!
「ありがとう、ライフブレイカーS・L!!」
カーディンのお礼を聞きつつ、その機首の中央にパトランプと翼の金のエンブレムが付いた機関車の機首の上から内藍外銀の片刃が立ち上がる!
続けて、今度は機体の中部から後部が上限に分割しつつ、分割した上部が機首の方を胸部として後ろの両肩を左右に広げるように移動しつつ端が拳の様に開き、中ほどから先が下に折れて腕を下に降ろすように展開、その両手を地に付け機体全体を浮かし、
機体の上下に分かれた中部から後部の下の方が両足を下に出すように移動して中ほどから下の方が左右に分かれ両足となりながら中部が腰部分を形成、
そこからその両足を地に付けてすっくと立ち上がると、上の方にカクカクした兜の付いた頭のような物が前から上に立ち、ここでその頭の後頭部からも額にかけて外銀内藍の片刃が立ち上がった!
それは、兜や胸部、腹部や両肩、手と足の中部から下が黄色でふち取られた藍色で塗られ、
両手と両足の中ほどが白く、口元に薄灰色の金属製のマスクを着け、その緑の機瞳で石球が来た蒸気の向こうを見つめている、
と、蒸気が晴れ、僕の左手側にはじかれた石炭球が、向こうの向かってきた場所に鎖を引っ張られて戻って行き、そこに一体の牛男が見えた!
筋骨隆々で上半身裸、茶毛の牛の頭と筋肉に見えるほど薄い毛皮を持つ大男で、両肩に石炭で出来たような丸いゴツゴツしたアーマーを有しており、
その足には、ひざと足に石炭のような材質のひざ当てとブーツを履きつけ、その下に青黒いジーンズをはいていて、
その両手には、先にさっきの石炭球が付いた鎖を持っていた、
不意にその石炭牛男、コールバーンが両手の鎖で石炭を振り上げ振り回し、S・Lに向かって放り投げた!が、S・Lは少し右手側に避けつつ石炭球の鎖を両手に握り、コールバーンと鎖の引き合いを始める、
両者力ずくで引くが、状況は拮抗しているようだ、今のうちにS・Lのコストとして右手でチャージゾーンのカードを三枚表に!
「僕はバトルマシンズ ライフブレイカーS・Lのコストにバトルマシンズ カーディン カーモード、バトルマシンズ カーディン ロボモード Vol2、バトルマシンズフルブーストを指定!」さて、緑の画面に映る向こうのコストはっと・・・
前のターンも出たスチームブモーッ! タックルダッシュ!!にスチームブモーッ! 蒸気サイクロン!!、それに、初めて見るスチームブモーッ! フェイントゴウシャー!!の三枚か、全部戦闘前タイミングを持つリサイクルカードで発動できるカードは無し、こっちも発動はしない、と・・・
S・Lが少しずつコールバーンの鎖を引き始める!やはり、力勝負ならS・Lの方が分があったようだ!
が、そこにドライヤギュッが左手の方からブースターから蒸気を吹き出し突っ込んでくる!S・Lが突進を喰らってひるみ、コールバーンに鎖が少し戻った、
これは、ドライヤギュッの効果か!?でもこのくらいなら大丈夫なはず、とりあえず、僕からは手を出さない、
そう決めた直後、S・Lが鎖から左手を離してドライヤギュッを弾いて払う!ドライヤギュッはぶっ飛ばされて着地し、片手を離したすきを見てコールバーンが鎖を一気に引く!
しかし、S・Lは両足で踏ん張りつつ素早く左手を戻してコールバーンの鎖を逆に引き戻した!よし、これくらいならどうということも・・・いきなりS・Lの右足下のコールバーンの石炭石球にいくつもの縦九十度ジグザグ線が石炭球を分割するように赤く輝く!
これは・・・コールバーンの能力!?
さすがにこいつを通すわけにはいかないっ!右手でチャージゾーンのカードを一枚表にしつつ宣言!
「僕はバトルマシンズブーストを発動!蒸気牛 スチームブモーッ! コールバーンの効果を相殺する!」
すると、S・Lが鎖をうまい具合に前に流し、石炭の球部分を手元に持ってきて脇でしめ、
バキッ!
という音と共に石炭球中央部分を斜め下上横に少しずらして壊した!その証拠に赤い光がどんどん弱まっている!
「ちぃい!役に立たねぇな!」ガトリン牛が奥の方からS・Lを右手側にすれ違いそうな方向で走り出す!何をするつもりだ!?
ガトリン牛はそのままガトリング砲を走りながらS・Lに撃ちたたき込んでいくもののS・Lに効いていない、ま、カーディンに効いてないんだから当然、
カツン!
ん?妙な音がした・・・?と思ったら、ガトリン牛のガトリングの弾丸の一つがS・Lがわきに挟む石炭の球に当たって落ちて転がり、
突如、石炭の石球の赤い輝きが戻った!?ってあれ、スチームブモーッ! もう一度、突進だっ!!っていうカード扱いかよっ!?ぐっ、相殺に使えるカードが無い!
一気に石炭球が弾ける!石炭の球のジグザグ直線状の破片が鎖付きであたりに散らばり、S・Lが吹っ飛ぶ!そこに間をおかずドライヤギュッが走り込んできてS・Lを上に吹っ飛ばした!
「今だぜぇ!」
ガトリン牛が空中のS・Lに向かってガトリング砲の照準を向け、トリガーを引く!
「やめろ!」
そこにカーディンが走り込みその右拳を振り上げ突きつける!が、ガトリン牛はひょいと後ろにかわし
「おいおい、俺の方を狙っていいのか?」
「なに?」
ガトリン牛に言われ僕とカーディンが周りを見渡すと、いつの間にかコールバーンが手元に石炭石球を戻して元の状態で上に上げ降り回し、今まさにS・Lに向かって放り投げようとしている所だった!
「しまった!」
カーディンでは間に合わない、ルストはいつの間にかドライヤギュッに阻まれている、
そして、コールバーンがその石炭球を放り投げ、S・Lに叩きつけてさっきと同じように爆破させS・Lをその背から大地に叩き付け、ここぞとばかりに石炭の球をまたも手元に戻しつつ同時に元の形状にしていって足元に置き、コールバーン自身が少し上に跳躍、石炭の球をはじけさせてその衝撃で上空まで舞い上がり、カーディンがS・Lの方に走り込む中でそのままその頭を下にして勢いよく落下、その頭の角を、地面に倒れたS・Lの胸部に突き刺した!!
これにはS・Lも耐えきれなかったのか、最初は両腕を上げて上半身を起こそうとするも力尽きてぐったりし爆発!消滅した!!
「ライフブレイカーS・Lーーー!!」
「叫んでる暇はないぜ!ドライヤギュッ!!」
ガトリン牛が叫んだ瞬間、ドライヤギュッがカーディンに向かって行く!
「くっ・・・」
カーディンが右の拳を前に出し、左の拳を腰だめに構え身構え、右の拳を振り上げ、ドライヤギュッに叩き付ける、
が、ドライヤギュッが寸前でブースターを右半身側に曲げてこれを回避する!
「何っ!?」
「おっとそこだぜ!」
いつの間にか狙いを付けていたガトリン牛がガトリングから弾丸を放つ!
「何の!」
これをカーディンは右足に跳んで避けた!
「今だルスト!うぉおおお!」
と思ったら、ルストに指示を出し走り出す!一体どうする気だ・・・?
すると、ルストがガトリン牛の頭上からガトリン牛に迫る!
「へっ、だから何だってんだ!!」
ガトリン牛が両手のガトリング銃を上に向け、ルストに向かって撃ち放す!
「借りるぞ」
不意にカーディンが元に戻っていないコールバーンの石炭球を鎖ごと集め両手で持った、
え?という感じで目が点になるコールバーン、その間にも石炭の鎖球をガトリン牛に投げるカーディン、
ガジャァァァン!
鎖の音響く中で慌ててコールバーンが姿勢を直し鎖を引くももう遅い、
ゴッ!
鈍い音を立てて石炭鎖石球がガトリン牛に当たってガトリン牛が一瞬ふらつき、それによってガトリングの弾丸が発射されなくなったルストがガトリン牛に迫り、
その頭を撃ち出してガトリン牛を吹っ飛ばした!
「いってぇええええ!!」
これにはさすがに目が覚めたかガトリン牛が大声を上げた、
「なろう!吹っ飛ばしてやる!ドライヤギュッ!蒸気で目くらましした後動け!コールバーン!ぼさっとしてんじゃねぇ!やることないんなら石炭ぶん回してそうだな・・・」
ガトリン牛の目線がチラリと僕の方を向く、げっ、嫌な予感・・・
そして、ガトリン牛が左手人差し指を僕に向けつつ
「あいつを追っかけるなりなんなりしてろ」
「双歩!?」
マジかよ!?
次の瞬間、僕の真上に元に戻った黒石炭球が飛んでいた、あわてて左手に向かって跳ぶ!
ズドン!
と僕のいた場所に石炭黒球が勢いよく振り落とされた!ふぅ、危ない・・・わけないか・・・
石炭石球にいくつもの直角ジグザグ直線状の赤い亀裂が走る、そうだ、こいつがあるんだ、あわてて後ろを向き走る!
刹那、石炭球が爆破!破片が僕の両隣を飛び、鎖がピンと張って落ちる、
あっぶねぇ・・・喰らってたらどうなってたことか・・・
すると、僕の前に影が覆いかぶさる、影の来た右手側の方を見ると、そこにはコールバーンが立ちふさがっていた、
コールバーンの右の拳が振り上げられる、どこかに避けられるか?
「双歩っ!!」
そこに突如として右手側からカーディンが来てコールバーンに立ちはだかり両腕を上に上げそのコールバーンの右拳を受け止めた!!
「ぐっ!」
「おっと、脇ががら空きだぜ!ドライヤギュッ!!」
そこにドライヤギュッが走り込み、左横からその角でカーディンのわき腹を斬り裂いた!
「カーディン!!」
「ぬぅおおおおお!!」
一瞬、カーディンがくずおれるかと思ったが、カーディンは両足で踏ん張り、コールバーンの右の拳を両の腕で弾き飛ばし、そのままコールバーンを右拳で殴ってコールバーンを吹き飛ばす!!
そして、僕を守るように立ちはだかる!
「へ・・・そのガキがそんなに大事か・・・?」
そこでルストがガトリン牛に向かい突進、再度頭を撃ち出す!、だが、ガトリン牛がそのガトリングを振り回してルストを吹っ飛ばしながらそのガトリングを僕とカーディンの方に向ける!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――