カードゲームライトノベル Wカードフュージョン17話 メインサーバーの元、現れしエンジニア2
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「い・・・今の声は・・・!?」
鎧騎士の方を見ても、その騎士は、ただただ威厳で持って玉座に座るのみ、
と、その鎧騎士の目がゆっくりと鈍く赤い光を放つ!
「初めまして、我が名は、ガイキシン」
「ガイキシン!?」
「ガイキシン!?」
僕とカーディンが驚嘆の声を上げると共に、その鎧騎士、ガイキシンがその顔をこちらの方に向ける
ガイキシンって、メインサーバーの守護者じゃないか!確かに、守護者ならメインサーバのある部屋に居ても不思議じゃないけど、でも、前に見た時には確か・・・
「でも、ガイキシンって、人間ぐらいの大きさしかないはずじゃ・・・?」
「人間ぐらい・・・?それは私のホログラムではないかな?、立体映像でここまで大きくする必要は無かろう?鋼野 双歩、」
う・・・・言われてみれば確かに・・・前に見たのはレース場で、確かにホログラムだったけどさ・・・
「このぐらいの大きさのホログラムもあるが、場合によって使い分けているのだよ」
な、なるほど・・・
「さて・・・」
ガイキシンが改めて僕達の方を見降ろし、見据えてくる
「こんなところまでよくたどり着いたものだな、一体何ようだ?メインサーバから情報を引き出したいのかな?」
「当初はその予定だったけど・・・」
「双歩、君が行ってくれ」
「え・・・?僕が?」
「そうだ」
「え~っと、僕が・・・?なんで・・・?」
「ここには人間は君しかいない、出来る限り、彼と話すのは人間の方がいいだろう、彼の、人間不信を解くためにもな・・・」
「う・・・まぁ、そうかもしれないけどさ・・・」
「安心したまえ、出来る限り、私の方からもフォローを入れよう、レオリングも」
「グルォグルォ」
レオリングが首を縦に振り、肯定する
ううむ・・・よし、やれるだけやってみよう
右手で右腰付近の赤いスイッチを押してシートベルトを外し、左手でドアの窓際のロックを引き、解除し、扉のノブを引いてドアを開け外に出つつ後ろ手右手でドアを閉め、ガイキシンを見上げ、
改めて正面を向き、ガイキシンに向かい前進する
「ほぅ・・・」
立ち止まり、ガイキシンの方を再度見上げる、と
ガイキシンが僕の方に注目してくるのが見える・・・よし・・・
「初めまして、ガイキシン、鋼野 双歩(ハガネノ ナラブ)です」
「初めまして、双歩」
ううむ、この大きさとこの威圧、かなりきついなぁ、さすがは統治者、と言うべきか・・・でも、言わなきゃいけないんだ・・・
「今回は、お願いがあってきました」
「ほほう、一体何かな・・・?」
お願い、というよりも脅迫に近い気もするが・・・
「僕達の世界への侵攻を止めてください」
「それは出来ないな」
無下も無く、断られてしまった、でも、話し合いはまだまだ始まったばかりだ
「なぜです?」
「人間は我々を虐げてきた、これから先もそうする可能性がある、ならば、人間が生き残っている以上、それらはすべて殲滅せねばなるまい」
「それは違います」
と、今度はカーディンが話し、僕の左手側に出てくる
「少なくとも、私はそんなものは受けていない、人と同じ業務規定であるし、週休も有給休暇もある!給料はメンテ費用とゲームに消えたりするが貯金もある!!」
カーディン・・・もしかして、今までの戦いの修理もカーディンの給料から出たのか・・・?
「それに・・・修理は保険が適応される!!」
ほ・・・保険まであるのか・・・?
「お前はそうだろう、だが、我々は?我々の不安はどう解消すればいい?」
「それを、どうにかするのかが指導者の仕事じゃないの?暴力で戦わず、傷つかずにどうにかするのが、権力は争わないためにあるんじゃないの?」
「どうにもできないと判断したら?」
「他の才ある者に託す、もしくは、どうにもできなくても命尽きるまで頑張る、どうしてもというのなら投げ出したっていい、ただ、あなたがあきらめて戦いに傾向するようになるのが一番ダメだ」
「ならば、我は君がその逆を行こう」
「僕が人間だから?」
「そう、君が人間故に、だ」
「私は、双歩の意見を支持する!どんな理由であろうと、暴力の解決は忌避されねばならない!」
「グルォグルォ」
カーディンが同意の意を示し、レオリングが首を縦に振る
「ふん、詭弁だな、レジスタンスの力を借りておきながら、それも暴力ではないのかね?」
ガイキシンの冷たい言葉が走る
ま・・・それもそうなんだけどね、でも・・・
「でも・・・あなたは暴力を振るわずとも解決できる・・・」
「ん・・・?」
「レジスタンスのみんなは、暴力を振るうしか選択肢が無かった・・・」
「・・・」
「レジスタンスのみんなは、虐げられていたんだ、人間として・・・あなたはそれを止められたはずだ、彼らより、巨大過ぎる権力があったはずだ、そして、その力で、少しずつ人間との融和策もとれたはず、でも、それはしなかった・・・今からでも、遅くない、少しずつでも、人間と仲良くしようよ!!」
「・・・やはり、対決は避けられんか・・・」
ガイキシンの両目が、ひときわ強い光を放つ!
来るか!?ああいった手前だけど、やはり、やるしかない!!
「カーディン!行ける!?」
「ああ!」
「レオリングは!?」
「グルォオオオオオオ!!」
カーディンとレオリングが肯定の言葉と咆哮を示す!!
「ちょっと待った!!」
「ちょいとまったぁ!!」
次へ-n
次へ-a
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
oirenw.hatenablog.com